Horizon Bridgeから不正流出
ブロックチェーン間の資産移動に利用される「ブリッジ」サービスの一つで23日、総額135億円(1億ドル)相当の暗号資産(仮想通貨)が不正流出したことが明らかになった。
1/ The Harmony team has identified a theft occurring this morning on the Horizon bridge amounting to approx. $100MM. We have begun working with national authorities and forensic specialists to identify the culprit and retrieve the stolen funds.
— Harmony 💙 (@harmonyprotocol) June 23, 2022
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Harmony(ONE)のエコシステムで構築された「Horizon Bridge」は、イーサリアム(ETH)のブロックチェーンやBNBチェーンとの間で資産移動に使用されるブリッジングサービス。イーサリアム上で米ドル・ステーブルコイン(USDC)をロックアップするとHarmonyのトークン規格(HRC20)のUSDCを受け取って運用したり、元のチェーンに戻すこともできる。
日本時間23日午後21頃、合計11件の不正なトランザクションによりイーサリアム・チェーン上で同ブリッジから複数のトークンが流出。その後、分散型取引所UniswapでETHに交換された。履歴を見ると、主にFrax(FRAX)やAave(AAVE)、Sushi(SUSHI)等が売られている。
Harmonyチームはブリッジ機能を停止し、取引所と連携するなど事態の悪化防止に努めている。また、「国家当局やブロックチェーン分析の専門機関」と協力して資金を取り戻すために攻撃者を追跡していると述べた。
その後、同チームは特定したハッカーのウォレットアドレスを公開。該当アドレスには約132億円のイーサリアム(85,837 ETH)と約7万ドル(900万円)相当のアルトコインが残されている(執筆時点)。
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不正流出が相次ぐブリッジ
本件の原因は分かっていない。Horizon Bridgeはブロックチェーンセキュリティ企業Peckshieldによる監査を20年11月に完了していたが、22年4月にはマルチシグ(複数署名)の設計に脆弱性があると指摘されていた。
様々なブロックチェーンが台頭するにつれて、クロスチェーン・ブリッジへの攻撃が増加している。22年2月には、仮想通貨の互換性技術を開発するWormhole(ワームホール)上で構築された、ソラナ(SOL)とイーサリアム(ETH)のブリッジから12万 ETH(約373億円)が流出したことが明らかになっていた。
NFT(非代替性トークン)ゲーム「Axie Infinity(アクシーインフィニティ)」用のチェーンとイーサリアムをつなぐRoninブリッジも3月にハッキングに遭っている。17万3,600ETH(720億円相当)と2,550万USDC(31億円相当)が盗まれた。調査により、攻撃者がバリデータの秘密鍵を盗み、Roninブリッジから出金を実行したことが分かっている。
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