買収も計画か
出金停止中の暗号資産(仮想通貨)取引所Zipmexは24日、買収に向けた交渉を進めていることを発表した。
Zipmexはシンガポールに拠点を置く取引所。直近の相場状況を顧み、21日に顧客資産の出金を一時停止していた。
最新の投稿で、ZipMEXは以下のようにコメントしている。
複数の関心ある団体との我々の会話は著しく進展している。一つの団体はデューデリジェンスの開始を可能にする守秘義務を含むMoU(覚書)を提供した。
Due to a combination of circumstances beyond our control including volatile market conditions, and the resulting financial difficulties of our key business partners, to maintain the integrity of our platform, we would be pausing withdrawals until further notice.
— ZIPMEX (@zipmex) July 20, 2022
業界企業の連鎖的破綻
現時点では、買収企業の詳細は明かされていない。ただ、3ACやセルシウスなど仮想通貨企業では相場の急落に対応できず、顧客の資産引き出しを停止し、債務不履行に至るケースが続出している。
Zipmexはこのような企業と同様に、21日時点で「乱高下する相場状況と我々の関与し得ない事情」を口実に顧客資産の出金を停止。また、市場のブラックスワン的な出来事に際して、資産の多くは回復できたものの、財政破綻を表明しているBabel FinanceとCelsiusに資産を預け入れていたことを報告していた。
- Babel:4,800万ドル(65億円)
- Celsius:500万ドル(6.8億円)
ブラックスワンとは
過去の経験則や理論では予測できない多大な影響を及ぼすような出来事の総称。1929年の大恐慌や1987年の暗黒の月曜日、2008年の金融危機などが代表例として挙げられる。
▶️仮想通貨用語集
関連:「市場に漂う清算リスクの暗雲」、仮想通貨企業の債務問題・救済策まとめ
Zipmexとは
Zipmexは2018年に設立された仮想通貨取引所。シンガポールやタイ、インドネシアおよびオーストラリアに拠点を置いており、シリーズBの資金調達ラウンドでは5,200万ドル(70億円)の調達に成功。22年6月には、大手仮想通貨取引所コインベースも買収を検討していたが、最終的に出資する形で収まっていた。