- ビットコイン価格高騰の裏側
- 仮想通貨ビットコインは18日、前日まで続いていた上昇ムードを継続して、急進。 日本円建で80万円、USD建で7000ドルの節目を突破した。上昇ムードの裏側には、複数のプラス材料とチャートの動きがあり、今回は海外有識者の発言を交え解説している。
仮想通貨ビットコインは18日、前日まで続いていた上昇ムードを継続するようにして、さらに急進しました。
昨日時点で、月初来最高値を更新。約1月ぶりとなる76万円までの回復を見せましたが、日本時間午前2時付近に、84万円まで価格を急騰させています。
日本円でも80万円台に回帰したほか、USD建でも7,000ドル台の節目に突入しました。
CNBCのFutures Nowの公式ツイッター上では、BTCがまだ6,800ドルに達していない時点で、「7,000ドル」を突破できるか否かについて投票を行なっており、予想以上に早くビットコイン価格が高騰したことで投票の締め切りこそ終わっていないものの、およそ70%が「信じない」と皮肉めいた格好であることがわかります。
このように、多くの人の予想に反する形で、価格を急進させたビットコイン相場。
背景には、ここ数日で立て続けに好材料に恵まれた仮想通貨市場(ファンダメンタルズ面)と、チャートの状況(テクニカル面)があると言えるでしょう。
好材料に恵まれた仮想通貨市場
仮想通貨市場高騰の背景には、複数の材料に恵まれた背景があります。
昨日出した記事と重複部分があるので、下記にリストで材料をまとめます。(詳細は各材料のリンクから参照可能です)
- 米国の公聴会
- ビットコインETF可否判断日程判明
- Coinbase連邦初の公認取引所に
- BlackRockの市場参入検討
- G20前に金融安定理事会の動き
- 韓国市場復活
- Cboeの先物取引最終日
- USD連動仮想通貨をIBMが支援
- マスターカード仮想通貨決済の特許取得
このように、さまざまな好材料に恵まれたことで、続落傾向にあった仮想通貨市場の状況を緩和、上昇の後押しをしたと言えます。
このような中で、新たなファンダ材料は、「USDペッグ仮想通貨」と「マスターカード」の動きが挙げられます。
USDペッグ仮想通貨
7月17日、Strongholdと呼ばれる仮想通貨スタートアップが、法定通貨USDとペッグ通貨となる仮想通貨”Stronghold USD”を仮想通貨Stellar(ステラ)のブロックチェーン上で発行、またコンピュータ関連大手のIBMがこのプロジェクトを支援するすると発表しました。
ペッグ通貨としては、ドルの準備金を取り巻く懸念から、論争を巻き起こしている「テザー(USDT)」問題が記憶に新しいですが、疑惑の目を向けられながらも主要取引所で、人気の取引ペアとして一定の地位を確立しています。
それだけ価格の安定性が保たれているペッグ通貨における高需要はまぎれも無い事実ですが、大手企業のIBMも支援する形で発表された今回の「Stronghold USD」の発表は、市場から歓迎されいると言えるでしょう。
マスターカード仮想通貨決済の特許取得
世界最大手のクレジットカード会社「マスタカード」社は、今週火曜日に仮想通貨決済の速度を向上させる方法に関する米国の特許を取得しました。
CNBCのビジネスニュースアナリストBob Pisini氏は、このマスターカードが仮想通貨の決済とセキュリティ性を高めるために、独自のクレジットシステムとアルゴリズムを利用と検討することが、BTCやアルトコインの取引高を牽引したかもしれないとコメントしています。
海外ニュース番組でも
BTC擁護者と知られているTom Lee氏も、FastMoney番組内で、マスターカードの動きが仮想通貨での決済手段を公認することを大きく意味し、規模と市場の拡大に対する朗報と見ているようです。
同氏は「一般投資家はBTCを好景気の相場で買う傾向が見られ、つまり、6,000ドルよりも20,000ドルになった時にさらなる需要を見込めるはずだ」と強気姿勢を見せました。
なお、今回のBTC価格ブームを示す二つのチャートの状況も言及していたため、合わせて紹介いたします。
1. 高騰直前のBTC価格は、200日移動平均チャートに対して30%以下の位置で推移しており、移動平均線と価格との間に大きなギャップがあった。これが実はポジティブなサインだった。
2. 過去の歴史におけるBTCチャートを見ると、2011年の11月そして2014年の12月にも同様のギャップが見られ、その後6ヵ月はいずれもアップトレンドだった。よって、移動平均線の30%以下で価格が推移している場合、ダウントレンドの終結を意味する。
今後注目すべき日程一覧
以下は、今後より注目される米国の予定「Cboe先物の最終取引日」と、G20の日程を時系列順で記載します。
イベント名 | 注目度 | 日程 |
---|---|---|
米国会公聴会 | ★★★ | 7月18日 |
G20(ブエノスアイレス) | ★★★★ | 7月21日〜22日 |
CME先物限月 | ★★★ | 7月27日 |
ETF可否判断 | ★★★★★ | 8月10日前後の可能性が指摘 |
今後も、日本最大手の取引所「SBIバーチャル・カレンシーズ」の本稼働や「コインチェック」のサービス全面再開など、国内外で注目材料が目白押しの仮想通貨市場。このまま下げ相場の転換点を迎え、上昇ムードを継続できるかどうかを試される、重要な1ヶ月になりそうです。
チャートから現在の相場を考察
日本時間18日午前2時30分過ぎからビットコイン価格(BTC/JPY,bitFlyer)の上昇が始まり、1時間かからず85万円台まで急上昇。
1日足でみると、長期移動平均線を突き上げる形で価格が上昇していることが分かります。昨日のミニゴールデンクロス達成から短期中期の移動平均線ともに上向いており、良い形を形成していると言えるでしょう。
午前3時過ぎの動きのロングとショートの比率を見てもロングショートともに枚数を減らしており、先物の大きいショートの手仕舞い買い主導といった説もありますが、現物の買いを伴った動きも見られております。
直近の目安としては5月24日の上ひげから形成される85万6000円付近のレジスタンスラインを超えられるかどうかといったところでしょうか。事実、18日早朝の上昇の際はこのレジスタンスラインで跳ね返されています。
注意点
ただ、上昇トレンドに入ったと楽観してはいけません。中長期チャート上(日足)で、二点注意点があります。
1点目は、今年の下降トレンドの戻り高値は大体長期移動平均線を超えたところで再び下落に転じていた事、そして2点目は7月18日午前10時半現在、価格はボリンジャーバンドのバンド帯の上限を超えて推移しているという事。
価格の95%はボリンジャーバンドのバンド帯に収まる傾向があるので、上昇トレンドが継続するとしても、直近の調整がある可能性は非常に高いと思われます。
RSIも加熱とは言い難いものの買われ過ぎの基準の一つである68%に迫っております。