グーグルクラウドがAptosのノード検証へ
暗号資産(仮想通貨)スタートアップのAptos(アプトス)とグーグルクラウドは10日、パートナーシップ締結を発表した。
提携により、グーグルのクラウドコンピューティング部門グーグルクラウドはアプトスのノードを検証し、そのメインネットに参加する予定だ。また、グーグルクラウドの仮想通貨パブリックデータセット「BigQuery」上でアプトス・ブロックチェーンのデータがインデックス化され提供されるようになる見込みである。
また、パートナーシップは新しい才能を育てることも目的としている。アプトスの共同設立者兼CEOのMo Shaikh氏は、次の3項目を挙げた。
DEV COMMUNITY ACTIVATIONS:
— Mo Shaikh (@moshaikhs) November 10, 2022
1️⃣Google-wide hackathon hosted by @googlecloud
2️⃣Digital and in-person developer @Aptos_Network community events
3️⃣A new multi-million dollar developer grant fund with APT and GCP credits
This is just the beginning! pic.twitter.com/ymh4HC4Lt7
- グーグルクラウド主催のハッカソンを開催
- アプトスネットワーク開発者のコミュニティイベントを開催
- 数億円(数百万ドル)規模の開発者奨励金プログラム
開発者助成プログラムでは、アプトスの独自トークンAPTや、グーグルクラウドのポイントが付与される予定である。Shaikh氏は「これは始まりに過ぎない」とコメントして、その他にも共同プログラムが追加されることを期待させた。
Shaikh氏は「コミュニティの構築」が中心課題とも話している。提携により「コミュニティと高い技術力を中心として、Web3のムーブメントを前進させること」が目的だと続けた。
ハッカソンとは
ハック(Hack)とマラソン(Marathon)を組み合わせた造語。エンジニアなどが、短期間に集中して開発作業を行うイベント。あるテーマについてアプリケーションなどの開発を競い合うことが行われる場合もある。
▶️仮想通貨用語集
アプトスとは
アプトスは、メタ社のステーブルコイン「Diem(ディエム)」プロジェクトの初期開発に携わっていた経歴を持つMo Shaikh氏とAvery Ching氏が共同設立したブロックチェーンだ。
ソラナ(SOL)ブロックチェーンで使用されている言語「Rust」の上に構築されたプログラミング言語「Move」を使用している。Moveは、元々メタ社がディエムプロジェクトのために開発したものである。
関連:元Metaエンジニアらが開発する新ブロックチェーン「Aptos」とは
セキュリティとスケーラビリティを重視して構築されており、2022年に、FTX Ventures、a16z、Multicoin Capitalなどから約500億円(約3.5億ドル)を調達。10月にメインネットをローンチしたばかりだ。
資金調達を主導した企業の1つであるFTX Venturesは、その親会社である仮想通貨取引所FTXが流動性危機に陥っていることから、将来が不確実な状況に直面している。
ただアプトスは、FTXの財政危機については影響を受けないと説明している。
A message to the Aptos community: no Aptos Labs or Aptos Foundation treasury is held by FTX.
— Aptos (@Aptos_Network) November 9, 2022
The network will continue to operate as expected, without impact from these events.
We have a lot to be excited about and look forward to building for the future. Let’s Move.
「FTXにより保有されている自社資産は存在せず、ネットワークは予定通り運営を続ける」と述べた形だ。今後も様々な開発を行えるのを楽しみにしているとも続けた。
一方、グーグルクラウドはWeb3への参入を進めており、6日にはソラナのノード運用代行サービスなどを導入することも発表している。
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