CoinPostで今最も読まれています

Crypto.com、540億円相当のイーサリアムを誤送金 全資産返還済

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

540億円超のイーサリアムを誤送信

暗号資産(仮想通貨)取引所などを運営するCrypto.comが、540億円相当の仮想通貨イーサリアム(32万ETH)を別の取引所へ誤送金していたことが明らかになった。

とあるユーザーの指摘で11月13日に発覚し、Kris Marszalek最高経営責任者が事実を認め、経緯説明と釈明に追われる事態となった。

Crypto.comが10月21日に、32万ETH(本日の同社のETHの82%)をGate.ioに送る理由を知っている人はいるか?

出典:Twitter

新しいコールドストレージのアドレスに送金する予定だったが、ホワイトリストに登録された外部取引所のアドレスに間違って送られてしまった。

Gateチームと協力し、資金はその後当社のコールドストレージに無事戻された。このような事態が再発しないよう、新たなプロセスと対策機能を実装した。

Marszalek氏は、その後の一連のツイートで、誤送信された32万ETHが数日後に同社のコールドストレージに全て返還されたことを強調。

同社のカストディシステムからの資金移動は、事前に承認されたホワイトリスト(承認先)に登録されたアドレス間のみで可能であり、同社のコールドウォレットとホットウォレット、第三者取引所にあるCrypto.comの法人口座と接続されたものに限定されていると説明した。

Gate社は13日付の自社ブログで、Crypto.comからのETHの大量送金が操作ミスによる送金であることを確認後、直ちに資産を返還する手続きを行い、全資産が返還されたと発表している。

関連:初心者でもわかる仮想通貨企業Crypto.com(クリプトドットコム)とは

ユーザーの疑問は解消されず

Marszalek氏は、今回の誤送信に関してツイッター上で多くの憶測やFUD(不安、疑念、不信)を生んだが、問題はすでに解決済みで同社のシステムは「全て正常に運営されている」と強調した。

しかし、ユーザーからは、そもそもなぜこのような大口の資金の送金で、過ちが生じるのかといった疑問の声が上がっている。

Crypto.comが大口の送金で誤操作を行ったのは、今回が初めてではない。

同社は2021年5月、オーストラリア在住のユーザーに100豪ドルを返金すべきところ、1,050万豪ドルを誤って送金していた。しかも同社がその間違いに気づいたのは7ヶ月後の12月に行われた定期監査時だったという。Crypto.comは現在、ユーザーに資金の返還を求めて訴訟中だ。

仮想通貨取引所最大手バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOは、取引所がウォレットアドレスの公開前後で大量の仮想通貨の移動を行う場合、問題発生の兆候の可能性もあるとして、不用意に近づかないよう警告した。

FTX騒動の渦中で信用不安が広がっていたこともあり、データ上からはCrypto.comユーザーの出金依頼が殺到していることを示唆している。

新たな懸念

仮想通貨有識者のWu Blockchain氏はツイッターで、Crypto.comのウォレットが、過去1年間に約10億ドルのUSDCとUSDTをFTXに送金していたことについて、Marszalek CEOが触れていないことについて懸念を表明した。

これに対し、Marszalek氏はFTXへのエクスポージャーは1,000万ドル以下で、「顧客の取引をヘッジするための取引所としてのみ使用している」と回答している。同氏は利回りのためにFTXや第三者に資本を投下したことはないと強調した。

取引所による準備金の公開

FTXの破綻劇を通して同社による顧客資産の悪用が明らかになり、中央集権型取引所の運営に対する信頼性が大きく揺らいだ。多くの取引所は、ユーザーの不安を解消する取り組みの一環として、保有する準備金の詳細を公表する動きが起こっている。

Crypto.comは11日、準備金の監査が完了するまでの暫定的な措置として、プラットフォーム上の主要資産のコールドウォレットのアドレスを公開。53,000超のビットコインと39,000超のイーサリアムは同社の資産の一部に過ぎず、他の資産と合わせると同社の総資産は30億ドル相当になるとMarszalek氏は述べた。

同社は今後数週間のうちに、全顧客資産に対し1:1の準備金を確認した監査済の準備金証明を公開する予定だといいう。

なお、Bitfinexは11日、34億ドル相当のビットコインと15億ドル相当のイーサリアムを含む準備金の詳細を公表。Huobiは13日、3万2,000BTC、27万4,000ETH、8億2,000万USDT、97億TRX(トロン)を保有していることを明らかにした。

また、FTXの子会社で国内取引所であるFTX Japanは14日、顧客資産の管理状況を報告した。

関連:FTX JP、仮想通貨や法定通貨残高など「顧客資産」の管理状況を報告

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/27 日曜日
13:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、アバランチのVisaカード発行やAI系ミームコインGOATの高騰など
仮想通貨市場の1週間の動きをまとめ、ビットコイン、イーサリアム、XRP、アバランチなど時価総額上位の仮想通貨の最新の材料を紹介。米国著名投資家の発言やマイクロソフトのビットコイン投資検討など、重要なトピックスも取り上げた。
11:30
心理的節目の上抜けに成功すれば、ショートカバー伴い最高値を試しにいく展開も視野|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストが1000万円台前半で底堅い推移となるビットコイン(BTC)相場を分析。今週の相場失速で失望するのは時期尚早だと言及し、今後の展望を解説した。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|DOGE時価総額3兆円突破に高い関心
今週は、ドージコインの時価総額3兆円突破、米政府のウォレットから30億円相当の仮想通貨が不正流出した可能性、マイクロソフトのビットコインへの投資評価に関するニュースが最も関心を集めた。
10/26 土曜日
14:00
「ビットコイン現物ETF、個人投資家が需要の8割を占める」バイナンスが報告
バイナンスがビットコインの流通量4.5%を現物ETFが保有していると指摘。個人投資家主導の需要拡大と機関投資家の緩やかな参入を分析している。
11:55
リップル社、仮想通貨XRPめぐる対SEC控訴裁判で4つの論点を提出
リップル社がSECとの裁判で控訴審に向けた陳述書を提出。ハウィーテストの適用など4つの重要論点を提示している。
07:20
マイクロストラテジー、24年ぶりの高値 ビットコイン強制売却の可能性は「極めて低い」 BitMEXが分析
BitMEX Researchのアナリストは、マイクロストラテジーが現在の債務構造に基づいて保有しているビットコインを強制的に売却する可能性は「極めて低い」と主張した。
06:35
ハッカー、米政府の仮想通貨ウォレットに大部分の流出資金を返還
米政府の仮想通貨ウォレットから流出した約30億円相当の資金のほとんどが、24時間以内に返還されたことが観測された。
06:15
テザーCEO、米政府捜査の報道を否定
ステーブルコイン発行企業テザーのパオロ・アルドイーノCEOは26日、米国の連邦検察当局が同社を調査しているとのWSJ報道内容を否定した。
10/25 金曜日
18:05
AIエージェントと仮想通貨の融合 コインベースが描く未来像
米コインベース・ベンチャーズは、人工知能(AI)とブロックチェーン技術の新たな融合がデジタル経済を変革すると主張。Web3上で、自律型AIエージェントが人間と自由にやりとりする世界「エージェントWeb」が誕生する未来のビジョンを描いた。
13:28
国内における「暗号資産ETF」実現に向け、 ビットバンクが勉強会の総意として提言公表
暗号資産(仮想通貨)bitbankを運営するビットバンクは、証券会社や資産運用業者、信託銀行等と共同で行う「国内暗号資産ETF」勉強会への参加とともに、参加メンバー一同として日本における暗号資産ETFの実現に向けた提言を発表した。
11:40
個人マイナーが再びビットコインブロック採掘に成功、3200万円相当の報酬獲得
仮想通貨ビットコインのソロ個人マイナーが再び大きな報酬を獲得したことが判明した。9月に続く事例である。
10:45
1995年公開「攻殻機動隊」のNFT、アニモカブランズジャパンから発売へ
今回は第一弾で、1995年に公開された押井守監督作品『攻殻機動隊』をフィーチャーしている。このNFTコレクションでは、作中に登場するキャラクターのパーツを、Mocaverse、CoolCats、San FranTokyoのPFP専用Traitsとしてそれぞれ描き下ろした世界に1つだけの作品となっている。
09:35
米国ビットコイン現物ETF、約100万BTCの保有でサトシ・ナカモトに迫る
米国ビットコイン現物ETFの保有BTCが98.5万枚を突破。サトシ・ナカモトの推定110万枚に接近している。
07:50
マイクロソフト、12月株主総会で「ビットコインへの投資評価」を議決権行使項目に設定
米IT大手マイクロソフトは12月上旬に予定されている2024年の年次株主総会に向けて、「仮想通貨ビットコインへの投資の評価」を議決項目の1つとして設定した。マイクロストラテジーのようにビットコイン保有企業になるか。
07:20
取引所らの企業、日本の仮想通貨ETF誕生に向け提言作成
日本で仮想通貨ETFが承認されることを目指し、取引所や法律事務所らが税制改正などを含め提言を作成した。対象銘柄をビットコインとイーサリアムに絞ることも提案している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧