暴騰の裏に、2つの動き
ビットコイン相場は、22日10時を過ぎると価格が急騰、BITFINEXのBTC/JPYにて、15分間で、713840円から754,070円まで5.4%高を記録しました。
急騰の影響で、心理的状況を表すテクニカル指標となるRSIが、2時間足まで尺度を伸ばした状況下でも「買われすぎ」を示す70%を超えています。
この価格推移の裏には、以下の2つの動きが観測されています。
- 1.約110億円分のUSDTがBitfinexに送金される
- 2.Bitmexが、日本時間午前10時から30分間のメンテナンス
1億USDTに動き
以前、疑惑の渦中にあったTether社は、同社が発行するUSDを裏づけとするトークンUSDTを8月中に、4億1500万ドル分を追加発行したことが判明。
その様な状況の中、USDTの動きをトラッキングするサイトomniexplorerにて、日本時間22日100,000,000USDTが、取引所Bitfinexに送られたことがわかりました。
Just sent $100000000.0 USDT from the tether reserve to Bitfinex! https://t.co/NPL2zNzEIp #USDT #Tether #Crypto
— Not Tether Backup Printer (@eurtprinter) August 21, 2018
日本円建てで110億のUSDTが同取引所に送られたことになり、10時時点の急騰までの、ビットコイン価格の上昇に影響した可能性が考えられます。
価格操作に関して、昨年のビットコインの高騰の約50%が91回のUSDTの新規発行直後2時間以内かつBitfinexのウォレットに着金した2時間後に起こっているとの報告や、テキサス大学による論文が発表されているなど、疑惑は依然晴れぬまま本日に至っている現状があります。
更には、テザー社がBitfinexにUSDTを送金しているトラッキング履歴から、BitfinexはこのUSDTを証拠金にレバレッジ取引でビットコインを売買していたという推測もされていました。
米クラーケンは、価格操作を否定
Bitfinex同様、価格操作の対象となっていることが指摘されていた米仮想通貨取引所クラーケンは、事実関係を否定しています。
ブルームバーグが6月29日に記事で指摘した、クラーケン社におけるTether(USDT)に価格操作の疑いに関して、同取引所は「その意見は、市場の基礎概念である裁定取引、注文板、ペッグ通貨を理解していない」と反論、事実関係を公式ブログにて否定しています。
BitMEXの動き
最大100倍のレバレッジでビットコインFX勢におなじみの海外の仮想通貨取引所BitMEXが、日本時間10:00からメンテナンスに入ることが予告されていたことで、そのタイミングで大きく買い仕掛けられ、ビットコイン価格が6450ドル→6800ドルまで急騰を見せました。
ビットコイン価格は、機関投資家ブラックロック参入思惑や、ビットコインETF期待などで7月中旬に90万円台まで回復するも、ウィンクルボスETF否決などを機に8月以降は大きく反落。年初来最安値かつ最重要ラインとされる65万円目前と低迷していたことで、ショート(空売り)が今年4月以来の水準まで大量に溜まっており、ショートカバーを巻き込んで暴騰した模様です。
Scheduled Performance Upgrade on Weds, August 22 at 01:00 UTC: https://t.co/87NuN6P4j9 – Please note this downtime is on Tuesday night in the Western Hemisphere and Wednesday morning in the Eastern.
— BitMEX (@BitMEXdotcom) August 20, 2018
なお、BitMEX取引所内にて、日本時間11時に取引再開を予定していると、延期後の再開日時の発表を行なっています。
メンテ明けに乱高下
BitMEXメンテナンス明けにかけて、ショートの大量ロスカット(及びロング)で一段高を見せるも、短期的に急騰した反動で暴落。乱高下を見せています。
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