マクロ経済と金融市場
26日の米NY株式市場では、ダウは前日比205ドル(0.6%)高と5日続伸。
金融引き締めに伴うリセッション(景気後退)懸念が強まる中、同日発表された22年10〜12月期のGDP(実質国内総生産)が前期比年率2.9%増と市場予想を上回り景気減速懸念が後退。買い優勢となった。
一方、強い経済指標はFRB(米連邦準備制度)の金利引き上げ余地と潜在的なインフレリスクを想起させることから、警戒する向きもある。
市場は、日本時間2月2日発表の米連邦公開市場委員会(FOMC)の金利引き上げ幅について、25ベーシスポイントの上昇を99.6%織り込んでいる。
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27日には、eコマース最大手の米アマゾンが新たな「Web3関連事業」を開始する見込みであることが報じられた。早ければ今年4月にも、NFT(非代替性トークン)およびブロックチェーンゲーム関連サービスを始める可能性があるという。
詳細:米アマゾン、新たなWeb3事業を開始か NFTサービスは4月に始める可能性も=報道
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比1.62%安の22,820ドルに。
ビットコインは昨日23,824ドルに達するも利益確定売りに押される形で反落した。アルト相場の一部銘柄が高騰するなど過熱感が顕在化してきたほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控える中ダウも5日続伸していることからポジション調整の動きが先行したか。
市場心理が改善しつつあることは、昨年11月のFTXやアラメダ・リサーチに端を発し、今年1月にデジタルカレンシーグループ(DCG)傘下のジェネシス・グローバル・キャピタル破綻にまでつながり、当面の“悪材料”出尽くしを見込む相場のアク抜け感を示唆する。
ただ、200MA(200日移動平均線)を超えるなどトレンド転換の兆しこそあれど、依然として懐疑的な見方も大勢を占めており、1BTC=69,000ドルを記録した21年11月以降の暴落分値幅を考慮すると時期尚早との見方も強い。
当面は、週足200MAの24,738ドル、および主要レジスタンスラインの30,000ドル付近を上回って推移できるかどうかが試金石となりそうだ。
オンチェーンデータ
ビットコインの未実現利益と未実現損失の差を示す「未実現損益:NUPL(Net Unrealized Profit/Loss)」を確認すると、赤色のマイナス圏(降伏水準)を脱し始めていることを示唆した。
NUPLは、ビットコイン市場全体の“収益性(利益率)”を時価総額に占める割合で示したものだ。NUPL0.325であれば、ビットコインの時価総額の内32.5%相当額がホルダーの未実現利益として保有されている状態を意味する。
プロットされたデータは、直感的に判断できるよう「色」で可視化されており、
- 赤:降伏/蓄積期間
- オレンジ:希望/恐怖
- 黄:楽観/不安
- 緑:信念/否定
- 青:多幸感/過熱
に区分される。
Glassnodeの解説によれば、ビットコインネットワーク内の総収益性の低下は、弱気相場(オレンジ色)の初期〜中期にかけて見られる典型例である。
赤色の深さは相場の大底シグナルを示し、NUPL0.75〜0.8水準を超えるとバブル相場の天井シグナルを示す。
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