米国有名な仮想通貨アナリストTom Lee氏が語るBTC市場とEMとの関連性
米国投資コンサルタント企業FundstratのアナリストTom Lee氏は、CNBCの経済番組Trading Nationに出演し、ビットコインの相場とエマージング・マーケット(新興市場/EM)との関連性を語りました。
詳しいEMの詳細は記事下部で説明します。
まず、Lee氏は、EMは海外ヘッジファンドの資金が大量に流入する市場とされると説明しました。
Bitcoinチャート
MSCI Emerging Market Indexチャート
また、Lee氏が示すチャートによれば、BTCとEM指数(対S&P500の相対指数)は共に2018年の年始にピークに達して、その後ダウントレンドに陥っていたとした上で、以下の様に言及しました。
「EMがトレンド転換しない限り、投資家は心理的にBTCに資金を投入する意欲がわかず、その下落の関連性は続く」
番組のMCは、新興国の法定通貨価値が下がっていることが、EMを下げている原因であると指摘しましたが、Lee氏はそれを肯定しつつも、仮想通貨の取引は主に日本や韓国で行われていると説明しました。
つまり、相場の強い米ドルは、円やウォンによる仮想通貨取引にとって都合が悪く、資金の影響も関連しているため、相互的にEM相場が冴えない限り、米ドルも仮想通貨市場へ流れていかないのではないかとの考察を述べました。
更に、Lee氏は、年内BTCが2万5千ドルまで上昇するとの立場を再確認し、今週報道された9つのETFの非承認と中国による仮想通貨OTC市場やイベントの開催等に対する強まる管制という2つの悪材料に限定的な価格修正が自身の強気を証明していると、前向きな姿勢を見せました。
MSCI エマージング・マーケット・インデックスとは
MSCI エマージング・マーケット・インデックス(EM)は、新興国の株式を対象とする株価指数(インデックス)です。
新興国の株式市場の動向を知るのに最も利用されている指数の一つであり、新興諸国市場24カ国の大型株と中型株を対象する830銘柄で構成されています。
2018年6月時点での構成国と組入比率
上から順に、中国30.3%、韓国14.45%、台湾11.39%、インド8.17%、ブラジル、7.49%、その他28.2%となっています。
分野別投資比率
上位から順に、情報技術27.38%、金融24.27%、一般消費財・サービス9.86%、素材7.46%、エネルギー7.2%、生活必需品6.3%と続きます。
新興市場指数、新たな国の組み入れ
2017年5月にMSCI新興市場指数に、パキスタンがフロンティア市場から組み入れられ、2019年6月には、サウジアラビアとアルゼンチンが移行する予定です。
サウジアラビアの組み入れにより、流入する資金規模はおよそ3兆8600億円と試算されています。
EMのチャートは、以下のURLより閲覧が可能です。
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