はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

BNBチェーン、無限鋳造リスクのある「深刻な脆弱性」を修正

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

トークンの無限鋳造を可能にする脆弱性

Web3領域でインフラ開発や投資を行うJump Cryptoは10日、大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスの提供するBNBチェーン上に発見された脆弱性について報告した。

発見された脆弱性は、悪意ある者が任意のトークンを無制限に鋳造することを可能にするもので、万が一悪用された場合、大規模な資金の不正流出につながるリスクがあったと見られる。

Jump Cryptoは、この問題について公にする前にBNBチェーンの開発チームに通知。その後、BNBチームは即時対応を行い、24時間以内に修正を完了した。脆弱性の悪用は確認されておらず、間一髪未然に不正だ格好だ。

バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOもバグの報告に「大変感謝している」とツイートした。

ビーコンチェーンに脆弱性

BNBチェーンは2つのブロックチェーンで構成されている。イーサリアム仮想マシン(EVM)互換のスマートチェーン(BSC)と、TendermintとCosmos SDKの上に構築されているビーコンチェーン(BC)だ。

Jump Cryptoは、脆弱性はガバナンスやステーキングの機能を持つビーコンチェーンで見つかったと述べている。

脆弱性は、攻撃者が送金の際にほぼ無制限にBNBトークンを鋳造することを可能にするものだった。つまり、送金先のアカウントは、送金者が最初に設定した量をはるかに超えるトークンを受け取ることができるようになってしまう。

Jump Cryptoは、ビーコンチェーンでは元々のCosmos SDKにBNBチームによる変更が加えられており、これを注意して調査したと説明している。

具体的には、BNBチームは分散型取引所(DEX)のパフォーマンスを向上させるため、Cosmos SDKが資産を処理するために使用するデータ型「Coin」を変更していた。このことが、ほぼ資産を無制限に鋳造できてしまう脆弱性につながっていた。BNBチームは何度もリスクチェックを行っていたが、今回の脆弱性については見逃していた形だ。

BNBチームは指摘を受けこれを修正。資産の過度な鋳造があった場合には、トランザクション自体が成立しないように設定を完了している。

Jump Cryptoで脆弱性リサーチを担当しているフェリックス・ヴィルヘルム氏は、次のようにコメントした。

ネイティブトークンの無限鋳造を可能にするバグは、Web3における最も重大な脆弱性の一つだ。今回の発見は、私たち全員が警戒を怠らず、すべてのプロジェクトでセキュリティ保証を高めるために協力していかなければならないことを示している。

Web3とは

現状の中央集権体制のウェブをWeb2と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。

▶️仮想通貨用語集

過去に不正鋳造も

BNBチェーンは2022年10月、ハードフォークによるアップグレード「Moran」を実行している。不正流出が発生したことを受けて、安全性を強化するアップグレードだった。この流出でユーザーの資産は影響を受けなかったものの、攻撃者はクロスチェーンブリッジのバグを利用し、BNBを不正に鋳造・盗難していた。

関連BNBチェーン、ハードフォークを実施 不正流出受けブリッジの安全性を強化

クロスチェーンとは

規格・仕様の異なるブロックチェーン同士を跨ぐこと、及びそれらを接続する技術を指す。

▶️仮想通貨用語集

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/18 金曜日
12:29
LINE NEXT CSO「キム・ウソク」氏が語るWeb3大衆化戦略とは
LINE NEXT CSOのキム・ウソク氏がWeb3の大衆化戦略を語る独占インタビュー。LINEの強みを活かし、ウォレット体験の改善、直感的なUI、メッセンジャーとの連携強化で1,000万人のユーザー獲得を目指す。Web2からWeb3への架け橋となる挑戦に注目。
12:04
重要局面のビットコイン85000ドル付近を維持、3月の関心指数は増加
ビットコイン価格が下降トレンドラインと200日移動平均線の狭間で重要局面を迎える中、「ビッグショート」のスティーブ・アイズマン氏はマクロ市場に警戒感を示す。Google検索データが示す個人投資家の関心回復も相まって、市場は混沌とした展開を見せている。
11:35
イーサリアム、クジラの大量売却が相次ぐ ETHの将来性と課題は?
仮想通貨イーサリアムのクジラが3年ぶりに活動を再開し7億円相当を売却した。フィデリティはイーサリアムの将来の可能性と課題を分析するレポートを発表している。
10:45
ソラナ基盤のRaydium、カスタマイズ性重視のミームコインローンチパッド「LaunchLab」をリリース
ソラナ上のDEX「Raydium」が新トークンローンチパッド「LaunchLab」をリリースした。カスタマイズ性の高さとコミュニティ還元機能を特徴としておりPump.funの競合となる。
09:45
リップル社買収先のHidden Road、米国でブローカーディーラーの認可取得
リップル社が買収する計画のHidden Roadは、完全子会社が米FINRAからブローカーディーラーの認可を取得したと発表。これからサービスと顧客基盤を拡大していく。
09:25
レイヤーゼロ、a16zから約80億円追加投資 価格10%高
価格10%ほど上昇もATHから67%減 大手ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitz(a16z)傘下の「a16zクリプト」は18日、クロスチェーンインフラLa…
07:50
国内ファッションブランド「ANAP」、ビットコイン約2億円分購入
日本のファッション企業ANAPホールディングスが約2億円相当のビットコイン購入を発表。「デジタルゴールド」としての価値に着目し、子会社ANAPライトニングキャピタルを通じた投資戦略の一環として実施した。
07:15
バイナンスCEO、複数国の仮想通貨準備金創設を支援中と明かす
バイナンスのCEOは、同社が複数の国に対して、ビットコインなどの仮想通貨準備金創設の助言を行なっていると明かした。また、デジタル資産の規制整備も支援していると話している。
06:35
ビットコイン価格安定の背景 機関投資家と企業の買い支え
仮想通貨ビットコイン価格の安定性要因についてブルームバーグのETF専門家が指摘。機関投資家の強いETF買い意欲と、マイクロストラテジーなどの超大口ホルダーの継続的な蓄積が下落相場を支えている。
06:10
ビットコイン、安全資産需要の波に乗れず 金ETFには約3兆円流入──JPモルガン分析
JPモルガンの最新レポートによると、マクロ経済の不確実性の中、金は安全資産として資金流入を集める一方、ビットコインはデジタルゴールドの役割を果たせていない。金ETFが第1四半期に3兆円弱の純流入を記録する中、ビットコインETFは3カ月連続の資金流出を記録。
05:40
トランプ大統領、パウエルFRB議長解任に初言及 「遅すぎる」利下げ判断を批判
トランプ大統領がSNSでパウエルFRB議長を「常に遅すぎて間違っている」と非難し、「解任は早ければ早いほど良い」と初めて明示的に解任に言及。欧州中銀が7回の利下げを実施する中、関税政策効果を活かした利下げを求める発言が再び市場に波紋。
04/17 木曜日
16:03
アークインベストのキャシー・ウッドCEO、トランプ関税を「ショック療法」と評価
アークインベストのキャシー・ウッドCEOがトランプ関税政策を"ショック療法"と評価。アート・ラッファー博士の最新論文に言及し、一見逆進的な増税が自由貿易への道筋となる可能性を示唆した。
15:39
カルビー、ブロックチェーン活用のIP管理「かるれっと」でWeb3展開を加速
カルビーがブロックチェーン技術を活用したIP管理プラットフォーム「かるれっと」を発表。DIDと生体認証を組み合わせた認証システムで契約の透明性を確保し、クリエイターとの協業を促進。過去2年間のNFTキャンペーンやWeb3ゲームとのコラボ経験を活かした新戦略で、食品メーカーによるWeb3活用の先進事例として注目される。
13:50
米SECの第三回円卓会議、仮想通貨カストディがテーマに 25日開催予定
米SECが仮想通貨カストディをテーマとした第三回円卓会議を4月25日に開催。Kraken、Fidelity Digital Asset Services、Fireblocksなどが参加し規制枠組みを議論。パース委員は「仮想通貨規制で最も困難な課題」と位置付け。
13:05
仮想通貨リスク(LSK)、Web3企業Binary Holdingsと提携 東南アジアでdApps普及へ
仮想通貨Lisk(リスク)が東南アジアのWeb3企業Binary Holdingsと提携。通信事業者経由で分散型アプリを大規模ユーザー層に向けて提供予定だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧