はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

不確実性高まる仮想通貨相場、ビットコイン投資信託GBTCのディスカウントは過去最低水準に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

週明け13日の米NY株式市場では、ダウは前日比376.66ドル(1.11%)高、ナスダックは173.67ドル(1.48%)高といずれも反発した。

日本時間22時半にインフレ(物価高)指標となる「CPI(米消費者物価指数)」を控えており、数字次第で相場の急変動が懸念されることからも上値は重い。

関連:仮想通貨市場も注目のCPI(消費者物価指数)とは|わかりやすく解説

今回のCPIは、エコノミスト予想では前年同月比6.2%の鈍化が見込まれているが、先日の米雇用統計に続いて市場予想を大きく上振れるようだと、追加利上げの必要性が高まり、米国債とドルが買われ、株やビットコインは売られることが想定される。

一方、仮想通貨マイニング企業BIT Mining LimitedのチーフエコノミストであるYouwei Yang氏は、前年同月比6%水準を下回った場合は強気とみなされる可能性があるとの見解を示した。CPIは22年6月に前年同月比9.1%上昇し、40年ぶりの伸びを観測していたが、その後は鈍化している。

米連邦準備制度理事会(FRB)当局者からは市場を牽制するタカ派発言が相次ぐ。ミシェル・ボウマンFRB理事は、「インフレ率を目標まで引き下げるため、さらなる行動にコミットしている」と述べ、利上げ継続を示唆した。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比0.46%低の21,713ドルに。

BTC/USD日足

ビットコイン相場は年初から上げ基調にあったが、先日の米雇用統計を受けた金融市場のリスクオフと仮想通貨市場の不確実性が嫌気され、一転して下げ基調となっている。

米ニューヨーク州金融サービス局は13日、業界3位の米ドル連動型ステーブルコイン「BUSD」を発行するパクソスに対し、新規発行停止を命じた。9日には暗号資産取引所クラーケンが米SEC(証券取引委員会)から証券法違反で提訴され、米顧客向けのステーキングサービスを停止したことが伝わると相場が下落した。

ステーキングサービスを提供する米コインベースなど他企業やイーサリアム(ETH)などPoS系通貨への影響が懸念される。

関連:米SECのクラーケン起訴をどう見るか、イーサリアムステーキングへの影響を考察

BUSDの新規発行停止は市場の動揺を誘い、業界最大手取引所のバイナンスからは、FTXが破綻した昨年11月に匹敵する規模となる8億ドル以上の資金が24時間以内に引き出された。

Dune

バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOは、「Paxos引き続きBUSDの発行および償還を保証しており、複数の監査法人に監査され、銀行の準備金に保護されている資産は安全だ。バイナンスも当面の間BUSDをサポートする」などと利用者の不安払拭に努めた上、「BUSDが裁判所に“有価証券”認定された場合、米国の業界発展に大きな影響を与える」と言及。

バイナンスで取り扱うメインの通貨ペア見直しも示唆した。

一方、パクソス側は今月21日以降のBUSDの新規発行終了とバイナンスとの提携終了を発表。パクソスは四大会計事務所に監査を受けており、これからも準備金の管理を続け、少なくとも2024年2月までBUSDの償還に応じるとした。

「パクソス発行のBUSDは有価証券であり連邦証券法に従ってSECに登録されるべき」「投資家保護法に違反した」とするSECの執行措置予告(ウェルズ通知)に対して強く反発。必要に応じて訴訟を起こす準備ができているとした。

なお、NYDFSの主張によれば、監督するパクソスに対しイーサリアム(ETH)ブロックチェーン上でBUSDを発行認可を与えたが、Binance-pegのBUSDは認可していない。

関連:米NY州金融サービス局、ステーブルコイン「BUSD」の発行停止を命じた理由を説明

GBTCのマイナス乖離が再拡大

暗号資産(仮想通貨)投資運用会社グレイスケールの投資信託「ビットコイントラスト(GBTC)」の現物価格に対するマイナス乖離(ディスカウント)が、過去最低水準の-46.9%まで拡大した。過去最低値は昨年12月に記録した-48.62%。

ycharts.com

GBTCは、1受益証券当たりのBTC保有比率がビットコイン市場価格に連動する投資成果を目指すものだ。2021年の強気相場では、裁定(アービトラージ)取引需要も相まって機関投資家を中心に需要が急増し、プラス乖離(プレミアム)が拡大した。

現在では一転し、金融市場全体の地合い悪化やビットコイン先物ETFの承認などの影響を受け、機関投資家によるエクスポージャーが激減。ディスカウントが続いている。

GBTCは、償還期限前に払い戻し、及び中途解約出来ないクローズド・エンド型商品であることから本来の価値から乖離することがある。オープン・エンド型商品であれば純資産価格に基づく払い戻しが認められるため、より効率的な価格形成に寄与しやすいとされる。

直近では、FTX破綻などの影響で30億ドル超の債務を抱え破産申請した融資企業ジェネシス・グローバル・キャピタルの親会社デジタルカレンシーグループ(DCG)は、投資ポートフォリオの一部売却を余儀なくされている。

関連:流動性問題抱える仮想通貨大手DCG、市場への影響についてポイントを解説

グレースケールはDCGの子会社の一つ。Financial Timesが8日に報じたところによれば、ジェネシスの債権者への返済のため、イーサリアム投資信託である「Ethereum Trust」などの持ち分から売却を始めた。

関連:DCG、グレースケール提供の仮想通貨投資信託の持ち分を一部売却=報道

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/17 月曜日
20:08
暗号資産の金商法移行が本格化、分離課税実現へ最終局面=ブロックチェーン議連
金融庁が暗号資産を金商法に位置づけ、インサイダー取引規制を整備する方向を明示。業界団体は20%申告分離課税を要望。来年の通常国会での法整備を目指す。第31回ブロックチェーン推進議員連盟で議論。
17:41
IG証券、仮想通貨ETF CFD取引を終了へ 金融庁の新指針受け
IG証券が仮想通貨ETF CFD取引の終了を発表。金融庁が「望ましくない」との見解を示したことを受け、12月1日から新規建て停止、2026年1月末までに既存ポジションの決済が必要に。
16:43
ステーブルコイン取り付け発生ならECB金利再考も、オランダ中銀総裁が警告=FT報道
欧州中央銀行の政策委員がステーブルコインの取り付け騒ぎ発生時にはECBが金融政策見直しを迫られる可能性があると警告。米ドル建てステーブルコインの急拡大が欧州の金融主権に及ぼすリスクについて、ECB当局者や専門家の懸念が高まっている。
14:32
ハーバード大のビットコイン投資が急増 IBIT保有を前期比257%拡大
ハーバード大学がブラックロックのビットコイン現物ETF(IBIT)保有を257%増加し、685億円相当を保有していることが明らかになった。これによりIBITがポートフォリオ最大の銘柄となった。
12:15
金融庁、資金調達目的の暗号資産発行者への情報開示義務化へ=報道
金融庁は資金調達型暗号資産発行者に年1回の情報開示を義務化する方針。金融審議会では継続開示の必要性や頻度をめぐり議論が展開。ICO・IEOの構造的課題も指摘され、2026年の金商法改正案に盛り込まれる見通し。
11:40
デッドクロス形成のビットコイン、市場心理は「極度の恐怖(総悲観)」水準で推移
ビットコイン急落に伴いテクニカル指標は弱気のデッドクロスを形成している。FRB利下げ期待の後退を受け、投資家がリスク資産から安全資産へシフト。市場心理は「極度の恐怖(総悲観)」を示す水準まで悪化した。デリバティブ清算が連鎖しETF大規模償還につながったが、専門家は感謝祭後の回復を予測している。
11:30
「ビットコインは底値圏に達した」金融大手JPモルガンのアナリストらが見解
JPモルガンが、仮想通貨ビットコインの価格を生産コストの観点から分析。底値に到達したとの見解を示している。同社はビットコインの目標価格を17万ドルとしている。
10:45
カードン・キャピタル、888BTC取得完了 不動産とビットコインの融合プロジェクト
不動産投資大手カードン・キャピタルが「101 Mizner Boca Bitcoinプロジェクト」向けに888BTCの取得を完了。年内で3,000BTC超を購入し、不動産収益でビットコインを継続購入する独自の融合モデルを展開。マイクロストラテジー戦略を不動産に応用した新たな投資手法として注目を集める。
09:49
アーサー・ヘイズ、保有していたアルトコイン大量売却か 実際の価値提供が必要との意見も
著名仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏がイーサリアムやエセナなどのアルトコインを大量売却している。専門家は4年サイクル論の終焉と実需の重要性を指摘している。
11/16 日曜日
16:22
金融庁、暗号資産105銘柄の「金融商品」扱いを検討 金商法適用へ=報道
金融庁は暗号資産に金融商品取引法を適用し、交換業者が取り扱う105銘柄に情報開示とインサイダー取引規制を導入する方針。税率は最大55%から株式と同じ20%への引き下げを検討。2026年の通常国会で改正案提出を目指す。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、XRP現物ETFの米上場や世界初のZcash保有企業の91億円調達など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナ、ジーキャッシュといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン、下値余地残すも反発は時間の問題か|bitbankアナリスト寄稿
今週のBTC相場は1530万円周辺で推移。米政府機関閉鎖解除後もハイテク株軟調で上値重い展開。12月FOMC前の経済指標不足が懸念材料に。一方、STH損失レシオが95%超となり売られ過ぎの水準。オプションOI分析では9.5万ドルがターゲットに。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米史上最長の政府閉鎖終了に高い関心
今週は『金持ち父さん貧乏父さん』著者ロバート・キヨサキ氏によるビットコイン・金・銀の価格予想、堀田丸正のBitcoin Japanへの社名変更、米政府の閉鎖終了に関する記事が関心を集めた。
11/15 土曜日
13:55
続落するイーサリアム、長期保有者が1日4.5万ETH超を売却=グラスノード
グラスノードによると、イーサリアムの3年から10年保有者が1日あたり平均4万5000ETH超を売却している。イーサリアム現物ETFも13日に2億6000万ドルの純流出を記録し売圧を高めている。
13:20
リミックスポイント決算発表、仮想通貨評価益で売上高が大幅増加
リミックスポイントが2025年4~9月期決算を発表した。仮想通貨評価益で売上高が大幅増加している。同社はビットコイン、イーサリアムなどの仮想通貨を財務資産として蓄積している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧