- Metropolisによるハードフォークで第三のイーサリアムが誕生する可能性がある
- イーサリアムクラシックの時のようにコミュニティで意見の分裂が起きてしまえば、通貨の分裂も起こり得てしまいます。
- しかし今回のハードフォークによる分裂の可能性は低いと予想される
- 今までイーサリアムのエコシステムでは合計5つの必要不可欠なハードフォークを記録していますが、分裂したのはTHE DAO事件によるイーサリアムコミュニティ内部での意見対立による一度だけです。
- 分裂する危険性はあるが、ハードフォークは最も効率よくネットワーク内のアップグレードを遂行できる
- 今回のハードフォークは、デベロッパーが以前から計画していたMetropolisを効率良くアップデートするために必要不可欠なものである、と言えるでしょう。
仮想通貨のエコシステムにハードフォークの話題があがると、反論と困惑が広がります。イーサリアムがDAO問題を解決するためにハードフォークを行って以来、二つの通貨が存在しています。
Metropolisが一般開放されイーサリアムは再びハードフォークをし、この結果『第三の』イーサリアムが誕生ということがあり得てしまいます。このような結果になるべきではありませんが、常に小さな可能性は存在します。
Metropolisのハードフォークは新しい通貨を保証するべきではない
多くの人々が、なぜイーサリアムとイーサリアムクラシックという二つの通貨を作ったのかを疑問に思っています。しかし、これはとても単純な話なのです。
今までイーサリアムのエコシステムでは合計5つのハードフォークが実施されています。その回数はとても多いものですが、デベロッパーにとってそれらの『発明やアップデート』は必要不可欠なものでした。
この中のハードフォークの一つでDAOのバグによる資産流出事件の問題が解決されましたが、その際一部のコミュニティの反応は良いものではありませんでした。
ハードフォーク時に意見が別れてしまった場合、ブロックが複数に分裂したまま残ることから新たなコインが生まれます。(全員の意見が別れていない場合使われないブロックチェーンは消滅するため、新しいものだけが残るという仕組みです。)
そのハードフォークによって、このブロックチェーンに移ったマイナーの一部は分裂を反対しています。
それにもかかわらず、分裂前から存在したごく少数のマイナーはブロックチェーンを採掘し続け、結果として新しいコインの作成に至りました。
これらを『Ether』コインと呼ぶことができないため、彼らはそれをイーサリアムクラシックと名付け、現在ではETCと呼ばれ世界中の多数の取引所で売買されています。
一部の人々は、Metropolisハードフォークがまた新しいイーサリアム通貨を作るのではないか、と不安を募らせています。
紙面上それはもちろんあり得る話になりますが、現実では起こる可能性はごくわずかのようです。
そもそもイーサリアムクラシックが存在するのはDAOの『救済措置』に対しての意見が分かれたからで、一部の人がDAOの問題解決法に反対し、イーサリアムネットワークからの分裂を促したのです。
もちろん全てのイーサリアムハードフォークが新しい通貨を創造するとは限りません。そうであれば、今では5つのイーサリアム通貨が存在したはずです。
現時点では2つの通貨が存在し、意見の分裂が起きない限りこれ以上増えることはありえないでしょう。
Metropolisでは多くの技術的な変更が追加される予定ですが、誰もすぐにネットワークから分裂しようとはしないはずです。
以上を踏まえると、ハードフォークは常に何らかの予期せぬ結果を招き、Metropolis実行後にクライアントをすぐにアップグレードしないマイナーやノードがでてくるはずです。
見込みのないことのように聞こえるかもしれませんが、決して油断することもできません。理論上、チェーンの分裂の可能性はありますが、Metropolisハードフォークで起きる可能性はごく僅かでしょう。
一部の人は、そもそもなぜイーサリアムのエコシステム内で大型アップグレードの際にハードフォークをしなければいけないのか疑問に思います。
これはハードフォークが最も効率よくネットワーク内のアップグレードを遂行できるという理由にあり、Metropolisアップデートを効率よく順行するために、デベロッパーは以前からアップデートの予定を発表しています。
可能性はほぼ皆無に近いですが、ハードフォーク後にチェーンが分裂するかどうか注目が高まります。
Will the Ethereum Metropolis Hard Fork Result in Another new Currency?
2017年6月4日,JP Buntinx
原文はこちらから