MetaMaskがアップデート
暗号資産(仮想通貨)の自己管理型ウォレット「MetaMask(メタマスク)」は、モバイルアプリとブラウザ拡張版のアップデートをそれぞれ実施した。
モバイル版については、アカウント接続の利便性を含むユーザーエクスペリエンスの最適化を図っている。
モバイル版のアップデートは、主にプライバシーを最優先し、Dappsや外部サービスへの不必要なエクスポージャーを減らすことを目的としている。
まず、MetaMaskモバイル内でウォレットとブラウザをワンタップで切り替えられるようになった。さらに、dApps(分散型アプリケーション)との接続・切断をどのアカウントで行うか、よりコントロールしやすくなってる。
Metamaskでは複数のウォレットアドレスを登録し、アカウントを切り替えて使用できる。これまではMetaMaskモバイルでdAppsと接続する際、1つのウォレットにあるすべてのアカウント(アドレス)が一斉に接続される仕様になっていた。
現在では、接続時にアカウントは別々に管理できるようになり、新しいタブを開いた場合でもタブ毎に別々に維持される。また、個々のアカウントの接続を解除することもスムーズに行えるようになっている。
2つのアドレスのリンクを断ち切ることでプライバシー性能の向上が見込まれる。例えば、アカウント1を長期ホールド用にし、アカウント2をDeFi(分散型金融)にする場合、2つのアドレス間のリンクが消失することで、アカウント2を新たなDeFiアプリケーションで積極的に接続する中で詐欺的なコントラクトに接触したとしても、アカウント1は攻撃の対象となるリスクを軽減できるなどの利点が想定される。
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ユーザーのデータ管理がさらに容易に
ブラウザエクステンションのアップデートは主に、ユーザーによるデータの管理能力を高めることを目的としている。サードパーティーのサービスに送信されるデータ量を制限したり、RPCプロバイダーを変更する選択肢が設置された。これらの調節は、「設定」項目の「セキュリティとプライバシー」から操作できる。
デフォルトでは、受信トランザクション、フィッシング検知、サードパーティーのAPIにリクエストを送信する機能がオンになっている。これらはいつでもオフにできるようになることで、ユーザーは自分のデータに対してより多くの権限を持つことになったと主張されている。
また、新規ウォレット作成時、デフォルトRPCである「Infura」を自動的に使用するのではなく、自由に選択できるようになった。Infuraは米開発企業ConsenSysが手掛けるRPCであり、バリデーターに中継する際に、ウォレットアドレスとIPアドレスをセットで保管するポリシー変更を行って非難された経緯がある。
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