アリババ・クラウドのCloudverse
アリババ・クラウドがアバランチ(AVAX)ブロックチェーン上で迅速にメタバースを展開できるプラットフォーム「Cloudverse」をリリースしたことが、5日に明らかになった。
メタバース(Metaverse)とは、インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。Cloudverseは企業がメタバース空間を手軽にカスタマイズ、立ち上げ、維持できる一括ソリューションであり、Web3(分散型ウェブ)の事業チャネルとしてメタバース空間を最短1.5ヶ月で構築できるように設計されている。
Cloudverseの最大の特徴は、土地の購入が不要な「フルオープン」モデルであること。アリババ・クラウドのクライアントと世界中のユーザーなら誰でも事業を構築できる。
また、NFT、スマートコントラクト、仮想通貨を活用した非中央集権型ネットワークであるWeb3への進出を支援する仕組みも整っている。事業開発者は、メタバース内の土地の使い方やルールやポリシーの策定、インタラクティブ機能、イベント、メタバースの継続的な運用などに関するサポートを受けられる。
アリババ・クラウドは、クラウドインフラストラクチャを提供し、高速開発と高トラフィック量を実現する。アリババ・クラウド・インテリジェンスの国際Web3ソリューション責任者であるRaymond Xiao氏は以下のように述べている。
アリババのクラウドコンピューティング、ストレージ、ネットワークにおける幅広いサービスは、オープンなデジタル経済をサポートするというアリババ・クラウドの焦点と一致し、企業のWeb3エコシステムへの参入をサポートしている。
アバランチとMUA DAOが協業
アバランチとMUA DAOは、メタバース構築ソリューションを提供する。MUAは、複数のメタバースプラットフォームに対応したデジタル資産の作成、運用、管理をワンストップで提供するメタバースミドルウェア基盤「MUAverse」を有している。
さらに、MUAのネイティブメタバースユーザーとアバランチのエコシステムユーザーベースが組み合わさることで、顧客トラフィックの増加やブランド認知度の向上が期待される。
このように、CloudverseはWeb3の機会を捉えようとするビジネスにとって強力なエントリーポイントとなり、アジア地域でのブロックチェーンの普及が促進されることが見込まれる。
アバランチは高度なスケーリングが可能なスマートコントラクトプラットフォームで、取引完了まで1秒以下という高速性が特徴だ。アリババ・クラウドとアバランチのパートナーシップは2022年12月に始まり、以来協力関係が続いている。
アリババ・クラウドは、アジアのユーザーがアバランチネットワーク上でバリデーター(検証ノード)を容易に立ち上げられるよう、インフラ技術やツールを提供している。
アリババ・クラウドとは
NYSE(ニューヨーク証券取引所)及びNASDAQ上場のAlibabaグループのクラウドコンピューティング部門。世界28地域、85のアベイラビリティゾーン(管理地域)を運用しており、Gartnerによると、IaaS事業者としてはアジアで最大、世界3位の規模を誇る。
▶️仮想通貨用語集
関連:アリババクラウド、アバランチ(AVAX)開発インフラをサポート