CoinPostで今最も読まれています

Ledger、オープンソース化計画を前倒し 信頼性回復を図る Ledger Recoverの懸念に対処

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

オープンソース化を加速

暗号資産のセルフカストディ(自己保管)ソリューションを提供するLedgerは23日、オープンソース化の計画を前倒しすると発表した。これは、同社の新サービス「Ledger Recover」に対する信頼性への懸念を、透明性向上により解消しようという戦略だ。

CEOのPascal Gauthier氏によれば、Ledgerのコードベースの大部分はすでにオープンソース化されており、開発者やセキュリティ専門家がコードを確認し、悪意のあるコードがないかどうかを検証できる。Gauthier氏は以下のように述べている。

我々はLedger Recoverプロトコルをオープンソース化し、サービスが完全に任意のものであることに加えて、コミュニティが自己保管に対して最大限の選択肢を持つことができるようにする。これはまさに、透明性を高めるための取り組みだ。

この背景には、5月にLedgerが発表した「Ledger Recover」の実装計画に伴って明らかになった、ユーザーのシードフレーズ(秘密鍵の人間が読める形式)の取扱いポリシーに対する不信感がある。

シードフレーズ(リカバリーフレーズ)とは

ウォレットの秘密鍵を人が読める形式に変換したもの。12個から24個の英単語で構成され、シードフレーズはウォレットのロック解除に必要となる。シードフレーズを紛失した場合、ウォレットにアクセスできなくなり、保管されている仮想通貨を失う可能性がある。

▶️仮想通貨用語集

関連:Ledger社、秘密鍵復元サービスをローンチへ バックドアに懸念の声も

Ledger Recoverとは

「Ledger Recover」は、ユーザーが自分のシードフレーズを紛失した場合に、本人確認によりユーザーのウォレットを復元する新サービスとなる。このサービスでは、暗号化されたシードフレーズを3つに分割し、それぞれを3つの異なるカストディアン(Ledger、Coincover、EscrowTech)に保存する予定。

だが、この仕組みは、偽装やハッキングなどによる不正なアクセスのリスクを高めたり、重大犯罪に限定されているものの、政府による召喚に応じることも可能となり、そのためにユーザーから批判を浴びている。

そうした批判に対して、Ledgerの共同創業者でイノベーション・ラボの部長も務めるNicolas Bacca氏は、「このサービスは、セルフカストディの採用を拡大するための初心者向けソリューションであり、月額9.99ドルで利用できるオプション機能である」と強調した。

だから、もしもあなたがLedgerのユーザーで、これまで通りLedgerを使いたいのであれば、何も心配することはない。何も変わらない。

しかしながら、そうした主張を信じきれないのが一般的な心情である。これらの懸念を払拭するために、Gauthier CEOはオープンソースのロードマップを加速させると説明した。計画では、OSの主要なコンポーネントから始め、Ledger Recoverがリリースされるまでに可能な限り多くのLedgerオペレーティングシステムをオープンソース化する予定だ。

さらにGauthier氏は、ユーザーが資金への不正アクセスを防ぐための追加セキュリティ対策として、パスフレーズ機能を有効にすることができると付け加えた。

パスフレーズは、既存のリカバリーフレーズにユーザーが独自に選んだ追加の単語を付け加えることで、全く新しいアカウントセットを生成する機能だ。Gauthier氏によれば、この機能は「Ledger Recoverのバックアップには含まれず、完全に信頼できる機能」として利用することができる。

関連:「GM Radio」 次回はNFT対応のビットコインウォレット「Xverse」が参加

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア