仮想通貨取引所を再開か
昨年11月に破産申請した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXは、グローバル取引所「FTX.com」の再開に向けて、投資家と話し合いを開始したことがわかった。
取引所の再開は、共同事業になる可能性がある。FTXは、リブランディングして再出発することを検討。また、特定の既存の顧客に対し、新しい企業体の株式を付与して補償を行うことも考えているという。
上記の内容は、「Wall Street Journal(WSJ)」が複数の情報筋の話として28日に報道。WSJによれば、現在は話し合いの初期段階にある。
また「BNN」は28日、FTXのJohn Ray CEOからの情報として、取引所再開の準備が進められていると報道。取引所を再開する計画があることは以前から伝えられていたが、BNNも独自に「共同事業を含めた選択肢を探っている」と報じている。
WSJの情報筋によれば、すでにブロックチェーン企業のFigureが、FTXの再開に関心を示しているという。FTXに資金を提供したり、取引所の再開に参加したりしたい場合は、今週中に関心があることを書面で提出する必要があると、複数の情報筋は明かした。
なお、実際に取引所を再開できるかは不透明。FTX自体の破産などで、米国などで仮想通貨取引所に対する規制機関の監視の目は強まっている。
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FTXの独自トークンであるFTTの価格は、本記事執筆時点で1.72ドル(CoinGecko)。24時間比で26.8%、2週間比では112.9%上昇している。
FTXとは
サム・バンクマン=フリード前CEOが率いていた仮想通貨取引所。2019年の創設後、急速に頭角を表し、業界最大手バイナンスに次ぐ大手取引所へと成長していた。その後に経営破綻し、2022年11月に破産申請を行なっている。
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再開に向けた動き
上述した通り、FTXが取引所の再開を検討していることは以前から明らかにされていた。4月には、同社の弁護士が裁判所の公聴会で、再開を検討していることを報告している。
その後、同月に米ベンチャーキャピタルのトライブキャピタルが、FTXの再建に関心を持っていることが報じられた。同社とパートナー企業からの1億ドル(現レートで約144億円)を軸として、2億5,000万ドル(同360億円)の資金調達ラウンドを主導することを検討していることが伝えられている。
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