ZKSwapのマルチチェーン展開
レイヤー2(L2)関連プロダクトを複数手掛けるZKSpaceは6日、分散型取引所「ZKSwap」をL2ネットワーク「ZKSync Era」へ拡張したことを発表した。
ZKSwapは、ZKロールアップ技術を採用した初のレイヤー2 AMM(自動マーケットメーカー)であり、高速かつガス代安価なDEX(分散型取引所)として21年2月にイーサリアム上でローンチしていた。
ZKSwapの新たなチェーン展開となるZKSync Eraは、ゼロ知識証明を導入した「ZKロールアップ」を活用する、イーサリアムのレイヤー2スケーリングソリューション。イーサリアムの仮想マシン(EVM)と互換性を持つ「zkEVM」に分類される。
ZKロールアップは、トランザクションを集約し、オフチェーン(メインブロックチェーンから離れた場所)で処理し、暗号証明のみをメインチェーンに保存する手法だ。オフチェーンでの計算の正確性はゼロ知識証明アルゴリズムにより保証され、これによりZKSwapはイーサリアムメインネットと同等のセキュリティを維持しているとされる。
ZKSpaceのプロジェクトチームは、ZKSwapをZKSync Era上に展開する理由について、ZK-Rollups技術の利点と、全てのユーザーのためのZKベースのレイヤー2アプリケーションを構築するというチームの献身的な姿勢の証明であると語っている。
ZKロールアップはL2の領域で広く活用され、イーサリアム向けのレイヤー2スケーリングソリューションであるConsenSysやポリゴンの新プロダクトなどが採用している。
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ZKSpaceの展望
ZKSpaceは2020年に設立され、イーサリアムのスケーリングソリューションの主要インフラ開発を目指してきた。分散化、セキュリティ、使いやすさという原則に基づいて、進歩的な機能を開発している。その機能の中には、手数料の支払いトークンの複数選択、レイヤー1とレイヤー2のネットワーク間でのNFTの移転、エコ入金や高速出金機能などが含まれる。
同プラットフォームは、ZKSwapだけでなく、異なるレイヤー2ウォレット間でのトークン移動を可能にする「ZKSquare」や、レイヤー2ドメイン名ソリューション「ZNS」などを提供している。
ZKSpaceは今後のビジョンを開示しており、ZKSwapについては資本効率を改善し、取引のスリッページを減らすために集中流動性ソリューションを導入する予定である。また、クロスチェーンDEXの開発により、ZKSpaceとZKSync Era間の流動性共有をサポートする予定だ。
ZKアプリケーションの増加に伴い、ZKP(ゼロ知識証明)に対する需要増加が予想される。ZKSpaceは、ZKPのための分散型ハッシュレート市場を構築し、コンピューティングパワーの提供方法を一新する取り組みを計画している。
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