分散化計画を公表
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースが支援するL2ネットワーク「Base」は24日、分散化に向けた計画を公表した。
グローバルに開かれたオンチェーン経済圏を構築するために、分散化に優先して取り組んでいくと改めて強調。一方で、具体的なスケジュールまでは言及しておらず、また、独自トークンは発行しないという意向は変わっていないとみられる。
In order to enable a global, open, onchain economy, we believe that Base must be decentralized
— Base 🛡️ (@BuildOnBase) August 24, 2023
To prioritize this, we've built Base on the OP Stack in collaboration with @optimismFND
Today, we're sharing an update on our commitmenthttps://t.co/OqxVuIHIjm
L2とは
「レイヤー2」の略で、「2層目」のネットワークのこと。全ての取引をメインチェーンで処理すると負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。取引の一部をL2で行うことで、メインチェーンの負荷軽減や処理速度の向上を期待することができる。
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Baseは、イーサリアム(ETH)のパーミッションレス(自由参加型)のL2ネットワーク。次の10億人のユーザーや、100万人の開発者に利用してもらうというビジョンのもとでローンチされた。今回の発表で、このビジョンを達成するために分散化は必須であり、分散化することで、世界で経済的な自由を解放すると述べている。
今回Baseのチームは、分散化とともに、Baseが活用している技術群「OP Stack」を強化していくとも説明。分散化とOP Stackの強化を進めるために、技術的な改善を行ったり、中立的な枠組みを推進したり、公共財へ貢献したりしていくとした。
例えば、OP Stackのクライアントの多様化に取り組む。現在は、大手仮想通貨VCのParadigmと協力し、OP Stackの4つ目のクライアント「op-reth」の実装をサポートしていると説明した。ParadigmのFred Ehrsam共同創設者はコインベースの元共同創設者でもある。
また、op-rethの実装を進めることで、トランザクションに間違いなどの問題があった時に異議申し立てを行う「Fault Proof」を多様化するとも述べている。ネットワークの分散化や安全性に、複数のクライアントが問題を証明できることは重要であるとした。
ほかにも、Baseの収益の一部を、Optimism Collectiveに分配するとも述べている。
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OP Stackを利用した理由
Baseは、グローバルなオープンエコノミーには、すべての開発者がアクセスできる公共財が必要であると考えている。また、イーサリアムは、相互運用性のある多くのチェーン(Superchain)を通して、拡張していくと信じていると述べた。
OP Stackを利用した主な理由は、この2つの考えにあると説明。OP Stackとは、別のイーサリアムのL2ネットワークを開発するOptimismの技術群を指す。Optimism Collectiveは、Optimismの運営などを行う組織である。
Baseは、今月にメインネットを一般公開したばかり。そして、ローンチの数日後には、デイリーアクティブユーザー数が10万人を突破した。ユーザー急増の要因の1つに、ソーシャルファイ(Socialfi)分野のアプリ「friend.tech」があるとの見方が上がっている。
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