金融庁と日本経済新聞社共同主催で25日から開催されている「FIN/SUM・REG/SUM2018」は本日最終日を迎えました。
イギリスやアメリカを初め、世界各国から仮想通貨やフィンテックのスペシャリストを寄せた注目のイベントの最終日は、雨が一時的に止んだことを受け、多くの参加者を寄せ付けた印象がありました。
「東アジアの最前線」と題された講演には以下の仮想通貨関連企業のトップが名を連ねました。
登壇者リスト
紺野 勝弥、QUOINE CFO
長谷川 潤、OmiseGO 創設者
齊藤 洸、有限責任監査法人トーマツ シニアマネージャー
北澤 直、Coinbase GM
登壇者のプロジェクト
Quoine
仮想通貨交換業者の登録をしているQuoineはシンガポール発祥の仮想通貨取引所です。
2014年にシンガポールで設立した後、2016年に本社を日本へと移動し、現在はICO事業を海外で展開しながら、日本の金商法に遵守したプラットフォームを運営しています。
現在でも、仮想通貨取引量の50%は日本国内からきているとのことです。
Coinbase Japan
Coinbaseは元々アメリカの仮想通貨取引所ですが、今年日本進出を発表、以前はモルガン・スタンレー証券で投資銀行員して活躍した北澤直氏をGMに抜擢して仮想通貨交換業の登録申請を近々予定しています。
アメリカ、イギリス、欧州連合、と着々と取引地域を広げている世界有数の大手仮想通貨取引所はアジア市場への参入の先駆けとして日本を選びました。
OmiseGO
2013年にタイで起業した日本人の長谷川氏は2015年にイーサリアムのことを知り、同年Omiseブロックチェーンラボを開設しました。
全ての人がアクセスできる、オープンソースなプラットフォームを提供することを目指しOmiseGOをはじめました。
トーマツ
有限監査法人トーマツからはフィンテックに特化したアドバイザリーチームのシニアマネージャーを務める齊藤氏が登壇し、今週仮想通貨取引分析プラットフォームを独自開発したことを発表しました。
またアジア諸国の仮想通貨規制状況を簡潔にまとめていました。
東アジア各国の規制状況
タイ
OmiseGOが拠点を置くタイでは登録制が5月から導入されており、規制は日本と似ていると言います。その上で、長谷川氏はタイ政府がフレキシブルで、規制を引いている上でブロックチェーンを積極的に利用していることから、
今後ブロックチェーンのハブになるのではないか
と期待感を示しました。
フィリピン
フィリピン政府は現在、ICOの規制に関する意見を募集しており、カガヤン経済特区で、仮想通貨事業を許可しています。
またフィリピンは出稼ぎなどが理由で海外送金において世界有数の大市場である為、仮想通貨に対する需要は高いと紺野氏は言及。
一般的にはSWIFTによる送金では約10%の取引手数料がかかる中、仮想通貨では1%で可能な為、いままで銀行口座を開くことができなかったような様々な層に
シンガポールにも拠点を置くQUOINEの紺野氏は日本でも似たような取り組みができたら興味深いとしました。
日本の規制環境について
日本ではまだ仮想通貨交換業の登録をしてないCoinbase Japanですが、GMの北澤氏は日本での仮想通貨規制について
アジアは各国で規制が違うが、どう横断的に展開するかは社内でも検討中です。
と述べた上で、規制の不明確さが課題であっても日本は参入しやすいとしました。
そもそも金融庁が共催でフィンサムというイベントを開催していることや、いち早くフレームワックを構築した点を評価しました。
QUOINEの紺野氏も
アジア各国でも規制を導入する国は日本を例にしている。
スキャムなどの問題解決が今後の課題だが、コインチェックやZaifのハッキング事件から何を学ぶかが大事であると前向きに捉えました。