はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

テザー社、独ビットコインマイニング企業に900億円超を融資

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

高性能ハードウェアへの投資をサポート

ドイツを拠点として高性能コンピューティング(HPC)インフラを提供するNorthern Data Groupは2日、ステーブルコインUSDTの発行企業テザー社から、5億7,500万ユーロ(約918億円)のデットファイナンス(借入金融)枠を確保したと発表した。

Northern Dataは、ビットコインマイニング、生成人工知能(AI)クラウドサービス、データセンターインフラの三つの中核となる事業を運営。今回の融資はこれらの事業分野への投資を推進することを目的にしている。

グループのマイニング事業部門である「Peak Mining」への投資としては、液体冷却マイニング技術によるマイニング事業の拡張が挙げられた。Peak Miningは9月、MicroBTの最新世代マイニング機器の7エクサハッシュを超える購入契約(約225億円=1億5,000万ドル相当)を締結しており、世界有数のマイニング企業となっている。

データセンターインフラ事業であるArdent Data Centresのポートフォリオを拡大し、既存事業を強化するための投資も行う予定だという。

また、今回の融資により、生成AIクラウドサービス部門の「Taiga Cloud」で、ヨーロッパにおけるサービス拡張のため、米半導体大手エヌビディア(Nvidia)社の「最も洗練された」ハードウェアの購入の協議を進めていることを明らかにした。

テザー社のパオロ・アルドイノ最高技術責任者(12月からCEO就任)は、「顧客に柔軟でエネルギー効率の高いHPCインフラへのアクセスを提供できるという面において、Northern Data Groupをサポートできるのを誇りに思う」と語った。

利益からの投資

アルドイノ氏は、融資枠は2024年を通して引き出される予定だと述べる一方で、融資はステーブルコインUSDTの準備資産とは分離された、テザーグループの利益でカバーされると強調。テザーグループ内の別の投資手段を通じて、資金が提供されると説明した。

テザー社のUSDTの準備資産に関する2023年第3四半期(7~9月)の証明報告書によると、同社は保有する準備資産の利回りから約1,500億円(約10億ドル)を得ていたことが明らかになった。

準備資産の内訳は、現金及び現金同等物が85.7%で、その大部分が米国財務省短期証券となっており、その金利の高が、大幅な利益の達成に貢献したという。

これらの利益のかなりの部分は当社の準備金内に慎重に留保され、超過準備金を生み出すことに貢献している。この戦略により、ステーブルコインに対して104%の超過担保を可能にしている。

アルドイノ氏は、この利益の一部は、データ、エネルギー、P2P通信インフラに戦略的に再投資される予定だと述べた。

関連:テザー社が3QのUSDT準備資産報告 安全性向上へ

テザー社の戦略的投資

テザー社は9月、傘下のグループ企業Damoonを通じて、Northern Data Groupに戦略的投資を行い、株式を取得した。具体的な投資額は明らかにされていない。

Northern Data Groupはこの取引によって、最新世代のAI用GPU(エヌビディア社製)約4億ユーロ(638億円)相当を購入。Taiga Cloudを通じて、AIコンピューティングサービスを提供する。

アルドイノ氏は、Northern Data Groupへの投資は「新たな技術フロンティアへの挑戦を意味するもの」であり、重要であるとしてと次のように述べた。

この投資は、テザートークンの準備金の強さと完全性を維持する中で、責任ある成長とイノベーションへの当社の献身を明確に示すものだ。

マイニング事業への投資

テザー社は同社は5月、南米ウルグアイでマイニング事業への参入を発表。6月には、エルサルバドルでビットコインマイニングファームの建設を目指すスタートアップ企業「Volcano Energy(ボルケーノエナジー)」に出資すると発表している。

また、8月には、マイニングの効率と生産性を高めるソフトウェアでの支援を発表。テザーの開発者が、WhatsMinerやAntminerなどのマイニング機器へのコマンドやシグナルの送信を容易にする、JavaScripのライブラリーをリリースする予定だとアルドイノ氏がツイートした。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/01 火曜日
16:00
UXLINKが実現目指すWeb3の大衆化、CEOが語る成長戦略|WebXスポンサーインタビュー
5500万人のユーザーを擁するWeb3成長支援プラットフォーム「UXLINK」。WebX 2025への参加を控え、同社CEOが日本市場への期待を述べた。
14:49
日本初の仮想通貨建てクレジットカード「Slash Card」が登場 β版の事前登録開始へ
日本初の暗号資産建てクレジットカード「Slash Card」がβ版の事前登録を開始する。米ドル連動型ステーブルコインUSDC担保サービスで物理・バーチャル両対応。ソラナやイーサリアムなどマルチチェーン互換性とトークン還元リワードを特徴とし、Web3技術を現実世界の決済に橋渡しする。
13:30
ビットコイン需要減少で市場脆弱性指摘、イーサリアム大口投資家は巨額含み損で売却継続=アナリスト
Cryptoquant分析によると、ビットコインのオンチェーン需要指標がマイナス転換し短期調整リスクが高まる。一方でETH大口投資家は3週間で9万5313ETHを償還、4260万ドルの含み損を抱える状況。
13:05
トランプ家支援のAmerican Bitcoin、約320億円調達でビットコイン購入とマイニング機器導入へ
エリックとトランプ・ジュニア氏が支援するビットコインマイニング企業American Bitcoinが2億2000万ドルを調達。ビットコイン購入とマイニング機器導入に充当予定。
12:00
金融庁、ステーブルコイン健全発展のための報告書を公表 不正リスクや今後の課題を分析
金融庁が仮想通貨ステーブルコインの健全な発展に向けた報告書を公表した。不正利用の実態と今後の規制課題を分析調査する内容だ。
11:05
取引所BybitとKraken、ソラナ基盤トークン化株式「xStocks」を190カ国で提供開始
世界第2位の仮想通貨取引所BybitがBacked社のトークン化株式サービス「xStocks」を取り扱う。Apple、Amazon、Microsoft等60銘柄超をソラナブロックチェーン上で24時間365日取引可能に。
10:40
トランプ氏関連のミームコイン「TRUMP」、口座開設キャンペーンで配布へ
ドナルド・トランプ氏が公認とされるミームコイン「TRUMP」がもらえるキャンペーンがBITPOINTで7月末まで開催中。特典内容や条件を詳しく解説します。
10:20
国内Web3関連企業BACKSEAT、組み込み型Web3体験でブロックチェーン社会実装目指す
BACKSEAT株式会社が第三者割当増資により累計14億円の資金調達を完了。Spiral CapitalとHeadline Asiaが共同リード投資家として参画し、組み込み型Web3体験の実現に向けサービスローンチを本格化。
10:02
ロビンフッド、トークン化した米国株やETFの取引サービスを欧州で提供
仮想通貨などの投資アプリを提供するロビンフッドは、トークン化した米国の株やETFの取引サービスをEUユーザー向けにローンチしたと発表。独自ブロックチェーンを開発していることも明かした。
09:55
テキサス州、戦略的ビットコイン準備金設立に続き「金・銀」を法定通貨として認可
テキサス州のアボット知事が金・銀を日常取引の法定通貨として認可する法案に署名。戦略的ビットコイン準備金設立法案も成立し、米国初の大規模な貴金属・仮想通貨政策を実現。
09:40
ビットコインマイニング難易度が7.5%低下 米テキサス州猛暑が影響か
仮想通貨ビットコインのマイニング難易度が約7.5%低下した。米テキサス州の猛暑による電力制限が主要因と指摘されている。6月中旬にハッシュレートも下落していたところだ。
09:15
ナスダック上場企業SRM、140億円のトロン財務戦略完了でTRXをステーキング
フロリダのテーマパーク向け記念品製造企業SRM Entertainmentが、1億ドルのTRON財務戦略の一環として3.65億TRXをJustLendにステーキングした。年率最大10%のリターンを目指す。
08:55
ドイツ最大手銀行グループ『シュパーカッセ』、2026年夏に個人向け仮想通貨取引開始へ=報道
ドイツ最大の銀行グループSparkassenが方針転換し、個人顧客向けビットコインなど仮想通貨取引サービスを2026年夏に開始予定。EU規制整備を背景に3年ぶりの決定となる。
08:10
SEC、ビットワイズ・イーサリアムETFのステーキング承認判断を延期
米証券取引委員会がビットワイズ社申請のイーサリアムETFのステーキング機能追加提案の承認判断を延期。投資家保護と公正な市場慣行への適合性について追加審査を実施中。
07:45
サークル、米国でナショナル・デジタル通貨銀行設立を申請
米ステーブルコイン発行企業サークルが米通貨監督庁にナショナル・トラスト銀行設立を申請。承認されればUSDC準備金の自己管理と機関投資家向け仮想通貨カストディサービス提供が可能に。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧