過去一週間で計145億円の純流入
暗号資産(仮想通貨)投資企業CoinSharesのデータによると、既存の仮想通貨投資商品への23日までの1週間の資金流入額は、差し引きで+1億300万ドル(約145億円)となった。対象ファンドの合計運用資産(AUM)は52億ドル(7,300億円)とされる。
US$103m inflows in digital assets last week, no report on Monday. Merry Christmas! pic.twitter.com/xAVzCrPPkQ
— James Butterfill (@jbutterfill) December 23, 2023
前週には、11週に渡る流入超過のトレンドが一旦途絶え、1600万ドル(約20億円)の流出があったにも関わらず、再び流入が加速している。
この背景には、機関投資家が米国証券取引委員会(SEC)によるビットコイン(BTC)現物ETFの承認に向けた先回り投資の動きがあるようだ。1億300万ドルの流入額のうち、85%にあたる8,760万ドルがビットコイン専門ファンドに集中している。
米国におけるビットコイン現物ETFの承認に対する期待は日増しに高まっている。アーク・インベストのCEO、キャシー・ウッド氏は今週CNBCの番組に出演し、SECの問題理解と知識の深さが向上しているとして、「2024年1月10日までに承認される可能性が高い」と語った。
アーク・インベストは21Sharesと共同でビットコインETF「ARK 21Shares Bitcoin ETF(再提出)」をSEC(米証券取引委員会)に対して上場申請しており、その審査期限は1月10日だ。市場アナリストは米証券取引委員会(SEC)がキングメーカー(独占的な勝者を生み出すこと)になることを避けるため、1月10日までに、複数のビットコインETFを承認すると見ている。
ウッド氏はさらに、ビットコインETFの承認が機関投資家や他の投資家にとって、この分野への参入口になると予想している。「彼らは多様化の方法を求めており、私たちはそのための戦略を積極的に管理したい」と加えた。
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ドイツ、カナダで顕著な流入
また、仮想通貨サービス企業Matrixportは、BTC価格が1月末にも5万ドルを超えると予測する。足元ではビットコインマイニングやコインベースなどの関連株への投資が増加しており、これが価格上昇の根拠の一つとなっている。
24年に向けた金融市場の利下げ姿勢も影響し、BTCは過去30日間で13%、年初来で160%の上昇を遂げている。Coinsharesが集計するビットコインファンドの合計AUMは37億ドルに達した。
地理的には、ドイツとカナダがそれぞれ4,160万ドル、3,580万ドルの流入でトップ2だ。米国とスイスは2,040万ドル、1,500万ドルを記録している。なお、BitMEXによると、2023年12月22日現在、約150の暗号通貨関連の上場取引型金融商品(ETP)があり、運用資産額は計503億ドル(約7兆円)に達している。
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