はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨市場の「内部崩壊」を示唆する4つの理由:英調査企業が忠告

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場は内部崩壊の危機に直面している
イギリスの調査会社Juniper Researchが「仮想通貨の将来」と題した有料レポートを公開し、「仮想通貨市場の指標は”内部崩壊”を示唆している」と報告した事が波紋を呼んでいる。
ボラティリティが低下しても楽観的な姿勢保つBitwala社長
そのような報道があってもドイツで世界初のビットコインとユーロを一つの口座で管理を可能にする Bitwalaの社長が仮想通貨の将来について言及し「仮想通貨には明るい将来がある」とした。

そもそものビットコインに対する評価や仮想通貨取引所の運営方針への懸念からこの(仮想通貨)業界が内部崩壊寸前まできている。

とイギリスの調査会社であるJuniper Research社は独自のレポート内で結論を発表した。

Juniper Research社がなぜこのような評価に至ったか要因を見ていく。

内部崩壊寸前の要因とは

要因1:日間取引量の減少

仮想通貨の元祖であり、本稿執筆時点で52%以上の市場ドミナンス(占有率)を誇るビットコイン の日間平均取引量は2017年後半の360,000から今年9月には230,000と約37%の減少を記録。

今年第1四半期においてその指標は約37億ドルから6.7億ドルまで激減したとJuniper Research社は報告している。

またJuniper Research社が公開したホワイトペーパー内では

第3四半期の前半の動きから予測すると、今四半期の完了時には第2四半期と比べてさらに47%の日間平均取引量減少がみられる。

という調査を基に同社の予測を明らかにした。

要因2:仮想通貨市場の規模縮小

さらに挙げられたのが仮想通貨市場の全体的な時価総額の劇的な縮小だ。

実際に比較してみるとその差は歴然としている。

出典:CoinMarketCap

こちらはコインチェック事件前の1月初旬の仮想通貨市場の総体的な時価総額。

時価総額は約8200億ドル(約93兆円)で日間取引量は4300億ドルだった。

出典:CoinMarketCap

対象的にこちらは本稿執筆時点、10月10日の仮想通貨市場の様子。

仮想通貨市場の時価総額は1月の25%程度で2190億ドル(約24.7兆円)で日間取引量も同じく75%減の1100億ドル付近を推移している。

なお、ビットコインの価格は10月に入ってから75万円台を推移して今月に入ってから過去最低のボラティリティを記録している。

要因3:金融システム崩壊の中でも見られなかった価格上昇

3つ目の点として挙げられたのが仮想通貨が既存の金融システムより優っている条件下でも価格上昇が見られなかった点だ。

ビットコインは元々、従来の金融市場が2008年の金融危機で崩壊していた時に提案されたものだ。

ベネズエラやイラン、ロシアなど、法定通貨が機能していなかったり、経済制裁が下されている国など、金融システムが市場の期待に応えられない時に仮想通貨が行きつけとなる傾向があった。

しかしアメリカと中国の貿易関係におけるトラブルや、俗に言うブレクジットに関与するトラブルなど、専門家が言う「仮想通貨の長所を活かすには最高の条件」があったにも関わらず仮想通貨市場が上昇しなかった事も懸念に繋がっている。

要因4:仮想通貨取引所への懸念

その他にも度々発生するハッキング事件から見られる仮想通貨取引所のセキュリティ面での不安も業界に対して懸念を引き起こしている。

日本の取引所では、先月被害を受けたZaifが標準的な割合より多く仮想通貨や顧客資産をホットウォレットで保有していた事が不正流出の要因の一つと言えるだろう。

金融庁が「Zaif仮想通貨流出事件」の記者ブリーフィングを開催、最新の見解が明らかに
金融庁は25日、取引所Zaifがビットコインなどを流出させた、仮想通貨流出事件に関する記者ブリーフィングを開催。3度目の業務改善命令を発令したほか、記者からの質問に応じた。

これらの要因からJuniper Research社は仮想通貨が内部崩壊の危機に直面しているという厳しい評価を下した。

楽観的な姿勢保つBitwala社長

しかしそのような報道があってもブロックチェーンベースの銀行サービスを提供しているドイツに拠点を置くBitwalaの社長、Joerg Von Minckwitz氏は肯定的な姿勢を崩していない。

仮想通貨市場は規制など、様々な問題に直面して、市場の動きは落ち着いていたが、その間は我々はプロダクトを開発する貴重な時間が与えられた。

しかしその間(市場が低迷した中で)市場は成熟したのだ。

仮想通貨とビットコインには明るい将来が待っている。

と価格が全てではない事を強調した。

このような意見は開発者コミュニティーから多く見られ、仮想通貨の時価総額ランキング7位(本稿執筆時点)のライトコイン創設者であるチャーリー・リー氏も幾度となく同意見を発している。

弱気相場は技術開発に専念するには良い時だ。

先日の仮想通貨市況でも報道した様に、直近数日になると予想されるブレイクポイントがキーポイントとなりそうだ。

CoinPostの関連記事

ビットコイン価格変動率低下も、注目すべき2つの重要な動き
9月は、様々なファンダメンタル情報が現れているにも関わらず、ビットコインのボラティリティー(価格変動率)は減少を続けている。仮想通貨市場全体のトレンドを変化させる可能性がある重要な局面となっている。
WTO年次報告書、仮想通貨とブロックチェーンの影響を掲載|リップル社の将来性などを評価
236ページに及ぶ「世界貿易報告書」は、ビットコインやイーサリアム、アイオタといった仮想通貨に加え、リップル社の将来性を高く評価。デジタル技術が今後15年の世界貿易にどのような影響を与えるか分析した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
13:45
ANAPホールディングス、企業向けビットコイン戦略支援「ビットコイン道場」を開始
ANAPホールディングスが企業のビットコイン活用を支援する継続型プログラム「ANAPビットコイン道場」の提供を開始した。会計や税務などの実務を専門家が包括的にサポートし、参加企業がコミュニティ形式で課題解決に取り組む仕組みを提供する。
13:02
コンヴァノがビットコイン戦略から本業回帰、AI・ヘルスケア事業に注力へ
コンヴァノが仮想通貨ビットコインを最大約2万BTC取得する計画を取り下げ、成長中の事業へ軸足を移す。業績予想を上方修正しており本業成長を重視する戦略転換となる。
10:55
米当局がビットメイン製品を国家安全保障リスクで調査、トランプ関連企業も1万6000台使用
米国土安全保障省が中国メーカーのビットメインを調査し、機器がスパイ活動や電力網破壊に使用される可能性を指摘。トランプ大統領の息子たちの会社アメリカン・ビットコインも1万6000台を購入した。
10:05
コインベース、ソラナのミームコイン取引所「ベクター」を買収
コインベースがソラナ基盤SocialFiプラットフォーム「ベクター・ファン」を買収すると発表した。年内に取引完了予定で、ソラナエコシステムへの参入を拡大し、すべてを取引できる取引所の構築を目指す。
09:35
ベセント米財務長官、ビットコインバーにサプライズ訪問 仮想通貨業界への影響は
スコット・ベセント米財務長官がビットコインバー「Pubkey DC」を訪問し、仮想通貨コミュニティで話題になっている。業界関係者の反応と今後の影響を解説する。
08:25
NYSEがグレースケールのXRPとドージコインETF承認、25日上場予定
NYSEがグレースケールのドージコインとXRP ETFの上場を承認し、11月25日に取引を開始する。今週はビットワイズのXRP ETFやフィデリティのソラナETFも上場し、アルトコインETF市場が急拡大している。
07:45
「仮想通貨財務企業などの上場後の事業の大幅変更について対応を考える必要」JPXのCEO
日本取引所グループの山道CEOは、ビットコインなどを保有する仮想通貨財務企業への規制強化は現時点では検討していないと説明。一方で、事業の大幅変更については対応を考える必要があるとも述べている。
07:05
個人マイナーがビットコイン採掘に成功、1億8000万分の1の確率を克服
極めて小規模な個人マイナーがわずか6TH/sのパワーでビットコインブロックの採掘に成功し、約26万5000ドル相当を獲得した。確率は1億8000万分の1で、近年最も幸運なソロ採掘となった。
06:25
トム・リー率いるビットマイン、初の配当実施もイーサリアム保有の含み損は6250億円超 
イーサリアム最大の企業保有者ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが11月21日、2025年8月期通期で純利益3億2816万ドルを計上し、大手仮想通貨企業として初めて配当を実施すると発表した。しかしイーサリアム価格下落で含み損は40億ドル超に達している。
06:02
金持ち父さん著者キヨサキ、3.5億円分ビットコインを売却し広告事業投資へ 以前の姿勢から一転
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏が11月22日、約225万ドル相当のビットコインを売却し、外科センターと看板広告事業に投資すると発表した。以前の「売らずに買い続ける」発言から一転した。
05:45
マイケル・セイラー、指数除外懸念に反論「ストラテジーはファンドではない」
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長は主要株価指数からの除外懸念に対し「我々はファンドではなく上場事業会社だ」と反論した。
11/21 金曜日
17:25
米ビットコインETF、1週間で大規模な資金流出が2回
11月20日、米ビットコイン現物ETFは9億300万ドル(約1,395億円)の純流出を記録し、史上2番目の規模となった。1週間前の記録を更新。ブラックロック、グレースケール、フィデリティの主要3ファンドで流出の大部分を占め、全ETFで純流入ゼロという異例の事態に。
16:38
予測市場が急成長 カルシ(Kalshi)が1500億円調達と報道も
予測市場カルシが2ヶ月で評価額2倍超の110億ドルで10億ドル調達。取引量は10月に過去最高の44億ドルを記録。競合ポリマーケットも120億〜150億ドルでの追加調達を協議中で、予測市場への投資が加速。
16:33
暗号資産(仮想通貨)の申告分離課税が実現したら?押さえておきたい税務のポイント|Aerial Partners寄稿
仮想通貨の申告分離課税が現実味を帯びてきた今、投資家が知っておくべき税制変更のポイントを解説。税率の一定化、損益通算、特定口座の導入可能性など、制度導入後の注意点と準備すべきことをわかりやすく紹介します。
16:10
CAICAテクノロジーズ、JPYC決済ソリューションの提供を開始
CAICAテクノロジーズが日本円ステーブルコインJPYCの決済ソリューション提供を開始。企業向けにコンサルティングサービスと決済モジュールを提供し、ステーブルコイン決済の導入を支援する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧