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グローバル法律事務所Norton「SECの規制や執行措置は今年さらに強化される」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SECの強硬なアプローチ

グローバル法律事務所Norton Rose Fulbright(以下、Nortonと表記)は、2024年のフィンテック展望レポートで、米国証券取引委員会(SEC)は暗号資産(仮想通貨)分野に対する「執行による規制」アプローチを継続し、さらに強化するだろうとの予測を明らかにした。

SECは、仮想通貨プラットフォームで販売されているトークンの一部が有価証券に該当するとして、仮想通貨プラットフォームに対する提訴を加速させている

裁判で焦点が当てられるのは、問題となっている仮想通貨が米国証券法のさまざまな制限を課せられる「有価証券」に該当するか否かという点で、具体的には以下のような要件が検証される。

  • トークン販売者が未登録証券の販売に従事しているか
  • DeFiプラットフォームが未登録証券取引所もしくはブローカー・ディーラーに該当するか
  • 証券法の下に、トークン販売者やプロモーターを詐欺行為を行ったと訴追できるか

Nortonは、SECが訴訟を通して、仮想通貨市場がブローカー・ディーラーおよび取引所に関するSECの規制要件に従うことを求めていると指摘した。

2023年を振り返る

Nortonは別のレポートで、2024年のSECの動きを予測する基盤として、仮想通貨分野における2023年の判例や強制執行を総括した。

2023年を通じて、SECは、仮想通貨やデジタル資産に関する明確なガイダンスや規則の制定を発表することなく、「執行による規制」という物議を醸す手法で規制の権限を行使し続けた。

中でも、SECは未登録証券と未登録の取引所に関係する事例を積極的に追求する姿勢が顕著であったとNortonは指摘。訴訟を種類ごとに総括した。

融資商品としての仮想通貨販売

  • 融資企業ジェネシス・グローバルとジェミナイ取引所による「Gemini Earn」プログラム:未登録証券の募集と販売にあたる
  • 融資企業Nexo CapitalによるEarn Interest Product(EIP)は投資契約にあたる
  • 融資企業Celcius Networkとマシンスキー共同設立者:未登録証券Celsius EIPの募集と販売、顧客資産の不正流用
  • 融資企業Linus Financial:Linus利子口座は有価証券にあたる

上記のすべての企業は、罰金を支払うことでSECと和解に達している。

関連:ジェネシス・グローバルがSECと和解へ 30億円の罰金支払いに合意

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一般的な仮想通貨販売

SECは米大手仮想通貨取引所Krakenが提供していたステーキングプログラムが有価証券の募集と販売にあたるとして提訴。クラーケンはステーキングプログラムを停止し、3,000万ドル(約45億円)の罰金を支払うことでSECと和解した。

関連:米SEC「クラーケンの仮想通貨ステーキングサービスは証券法違反」

SECはまた、米LBRY社のLBCトークン販売による資金調達は有価証券販売に当たるとして2021年に提訴。22年に裁判所はSECの主張を受け入れ、LBCの販売は投資契約だと判断した。その後、23年2月には流通市場でのLBCの販売は証券の提供に該当しないとの判断が示されたが、最終的に同年7月、裁判所がLBRY社に11万ドルの罰金の支払いを命ずる判決を下すと、同社は事業を終了すると発表した。

SECのヘスター・ピアース委員は、SECの執行主導のアプローチが「恣意性と現実にもたらされる結果」であると主張し、LBRY社に対する訴訟を批判。クラーケンの件についても、SECに事前登録が可能だったのではと当局の対応を問題視した。

関連:LBRY有価証券判決、「流通市場取引は適用外」裁判所が新たな判断

未登録の取引所

SECは、仮想通貨取引プラットフォーム「beaxy.com」およびBittrexを、未登録の取引所、ブローカー・ディーラー、清算機関として活動しているとして提訴。両者ともSECとの和解に合意している。

SECは米国最大のコインベースに対し、昨年6月に同様の内容で提訴。その後、同取引所のステーキングプログラムの提供が未登録証券の販売に当たるとして、追訴した。対コインベースの訴訟は現在も係争中だが、一部の専門家はコインベースが勝訴する可能性が高いとの評価を下している。

関連:ブルームバーグ上級訴訟アナリスト『対SEC訴訟はコインベース優勢、勝訴の可能性は70%』

SECへの批判

仮想通貨関連企業に対するSECとゲーリー・ゲンスラー委員長の強硬な姿勢に対しては、多方面から批判が噴出している。

著名投資家ピーター・ブラント氏は今月、「ゲンスラー氏は無能でSEC委員長として信頼されるべきではない」と辛辣な言葉で批判。仮想通貨支持派として知られる米上院議員らも、仮想通貨企業DEBT Box訴訟における同委員会の不適切な行為に対し、書簡でSECの倫理性に疑問を呈し、強く非難した。

関連:著名投資家ピーター・ブラントが痛烈批判、ゲンスラーSEC委員長の能力に疑問を呈す

米国議会では昨年11月、SECの法的執行から仮想通貨業界を保護するため、議会がSECの管轄範囲を定めるまで、SECによる仮想通貨企業に対する執行措置に資金を使用することを禁止する法案が、下院を通過した。

関連:「SECの仮想通貨企業取り締まり資金の使用を禁止」米下院が業界保護法案を可決

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