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セルシウス、破産めぐる裁判で重要な和解に到達

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

顧客資産返還に向けて一歩前進

経営破綻した暗号資産(仮想通貨)融資企業Celsius Network(セルシウス・ネットワーク)は20日、破産をめぐる裁判で重要な和解に達した。

この和解により、セルシウスが資産を顧客に返還する計画について、裁判所の承認を得ることに一歩近づいた格好だ。

背景として、セルシウスの顧客は、セルシウスの前経営陣が詐欺や、製品についての虚偽の説明を行っていたとして損害賠償を請求していた。和解案の内容の一つは、セルシウスから顧客への支払額を5%引き上げることでこれを解決するものだ。

セルシウス側が提出した裁判文書は、この合意により、合計約11兆円(780億ドル)の賠償を求める3万件の請求が清算できる可能性があるとしている。

セルシウス側の弁護士は、セルシウスには、顧客が同社プラットフォームに預けた金額以上の支払い義務はないと主張していた。しかし、多くの顧客が、同社の前経営陣による不正行為の疑いについて、損害賠償を求めて訴訟を起こしていた経緯がある。

8月10日に開催されるヒアリングで、裁判所は今回の和解案について決定を行う見込みだ。

和解が承認されれば、10月には米国の破産裁判所判事の下で、セルシウスの再建計画に関する確認審問が行われる計画である。その場合、年末までにセルシウスの顧客に対して、仮想通貨など資産の支払いが開始される可能性がある。

セルシウスは、2022年に仮想通貨市場で起きた債務不履行の連鎖を受けて、同年6月に顧客資金の出金を停止。同年7月には、米国でチャプターイレブンにより破産申請を行っており、企業再建を前提とした手続きを行っているところだ。

米連邦破産法11条(チャプターイレブン)とは

日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。

▶️仮想通貨用語集

新会社が経営再建へ

セルシウスは5月、同社の無担保債権者委員会とも協議した上で、テクノロジーニュースメディアTechCrunch創設者のマイケル・アーリントン氏が率いる投資家グループ「Fahrenheit(ファーレンハイト)」がセルシウスを買収することを決めた。

この投資家グループの下で新会社としてセルシウスを再建し、その流動資産をアカウント保有者に分配する計画だ。融資ポートフォリオ、仮想通貨マイニング事業、オルタナティブ投資などの非流動性資産についても、新たな経営陣が管理していく。

裁判所への提出文書によると、ファーレンハイトは年間約49億円(3,500万ドル)の管理手数料を受け取ることになる。一方で、この新企業の株式については、セルシウスの債権者が100%を所有する。

共同設立者は逮捕・起訴

今月13日には、米司法省、米証券取引委員会(SEC)、米商品先物取引委員会(CFTC)、連邦取引委員会(FTC)が、それぞれセルシウス・ネットワークを訴えたところだ。

また、同社のアレックス・マシンスキー共同設立者も13日に逮捕された。米司法省は同氏を、顧客を騙した罪や、セルシウスの独自トークンCELを価格操作した罪で起訴している。

司法省によると、セルシウスはCELの価格を支えるために、顧客資金を無断でCELの市場購入のための資金として使用していた。マシンスキー氏らは自身が保有していたCELを売却することで多額の利益を得ていたとされる。

また、SECは証券詐欺などで、CFTCは商品取引法違反や虚偽の説明などでセルシウスを訴えている。FTCは、マシンスキー氏らが、顧客資産を不正流用していたことや財政状況などの隠匿について約6,600億円(47億ドル)の罰金を科した。

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