Web3を便利に
「Mask Network(Mask)」は、ソーシャルメディアと金融(Social-Fi)を統合するプラットフォームです。Web3技術を既存のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に取り入れることで、オンライン生活をより安全で楽しく、便利にすることを目指しています。
ソーシャルメディアに接続可能なブラウザ拡張機能やモバイルアプリを提供し、ユーザーはSNS上で、Mask Networkのダッシュボードを開き、暗号資産(仮想通貨)の送受金、非代替トークン(NFT)の取引、分散型アプリケーション(DApps)へのアクセスなどが可能です。
加えて、デジタル暗号化されたアイデンティティ、暗号資産(仮想通貨)ウォレット、NFTギャラリーなどの先駆的なサービスを提供しており、アカウントを接続することでこれらの包括的な機能を追加利用できるため、ユーザーには非常に便利です。
本記事では、Mask NetworkのエコシステムマネージャーであるCrypto Baby氏に行ったインタビューの内容を紹介します。
Mask Network成長の背景
Mask Networkは、日常的に使用されるSNSやウェブサイトで、Web3の機能を手軽に利用できることを目指しています。一般の人々がより簡単に分散型インターネットの利点を享受できるプロダクトを構築しています。
Mask Networkは、創業者兼CEOのSuji Yanが率いるチームによって2019年に設立されました。設立当初から、同社はWeb3コンセプトを強調して、インターネットの未来を形作るために構築してきました。
Web3とは
Web3(分散型ウェブ)は、ブロックチェーン、仮想通貨、NFTを活用してユーザーに所有権を与える、新しいインターネットの概念。Web1が読み取り専用で、Web2が読み書き可能であったのに対し、Web3では読み書きに加えて「所有」が可能に。所有権の拡張、検閲耐性、分散型自律組織(DAO)、デジタルアイデンティティ、ネイティブペイメントなどの機能が含まれる。
2019年にリリースされたMaskエクステンション(拡張機能)は、主流のソーシャルメディアネットワーク上での安全な分散型ソーシャルメッセージング、決済ネットワーク、ファイルストレージと共有を可能にしました。Twitter(現「X」)のサポートも含まれ、多くのユーザーに利用されています。
所有権経済を受け入れ、分散型ソーシャル・ネットワークの次の段階を構築する手助けをするMaskは、数万人のユーザーを獲得し、ベンチャー部門であるBonfire Unionを通じて1億米ドル以上を調達しています。
ベンチャー部門では、分散型ソーシャルネットワーク、インフラ、クリエイティブコンテンツに戦略的に投資しています。開発はオープンソースコミュニティの支援を受けながら進行しており、現在は分散型自律組織であるMaskDAOによって運営されています。このようにして、分散型ソーシャルネットワークエコシステムが形成されています。
Web2とWeb3の橋渡し
Mask Networkは、現在までに、Facebook・X(旧Twitter)、Instagramなどの主要なSNSプラットフォームにWeb3サービスを提供しています。NFTアバター設定、仮想通貨やアートワークの検索、Xのタイムライン上でWeb3プロジェクトへの寄付や投票などの機能を通じて、ユーザー体験を拡張しました。
特に力を入れたのが、NFTの展示や売買、ブロックチェーンベースのゲームやアプリケーションへの接続です。そこから、SNS上の機能が大幅に拡張し、ユーザーの利用できるサービスが拡がりました。
Mask拡張機能をインストールし、Ethereumメインネットに切り替えると、ユーザーは自分のXプロフィールにENS情報を追加することで、所有しているNFTを表示可能。同時に、自分のタイムラインにある「NFT」タブから、他の人が所有するNFTを閲覧できます。
Maskチームの日本での取り組み
Maskチームは日本での構築を重視しており、そのマイルストーンの一つが2022年にMask Networkの関連会社であるソーシャル株式会社によるPawoo.netの買収です。
2017年から日本で運営されてきたPawooは、マストドンの2番目に大きなインスタンス(分散型のサーバー運営者)です。設立以来、イラストレーター、アニメファン、小説家、音楽愛好家など、世界中からユーザーを集めており、約80万人のユーザーが「創作活動と自由なコミュニケーションを楽しむ場所」として利用しています。Pawooの買収はMaskチームにとって、分散型ソーシャルネットワークと自由でオープンなインターネットの構築に重要な戦略です。
現在、Maskチームはマストドンの最もアクティブなインスタンスであるmstdn.jpとmastodon.cloudのメンテナンスも行っています。2023年には、Maskチームはマストドンの非営利団体に最大規模の寄付を行い、分散型ソーシャルネットワークの成長をさらにサポートしました。
Maskチームは、自由でオープンなインターネットの実現に向け、分散型インフラとアプリケーションの急速な開発を推進しています。Pawooを含む未来の分散型ソーシャルネットワークは、日本や他の国々で新しいオープンなインターネットを実現するために、重要な役割を担うと期待されています。
MASKトークンのOKCoinJapanでの上場
Mask NetworkのガバナンストークンであるMASKは、2023年11月にOKCoinJapanで国内初上場を果たしました。OKCoinJapanは、世界最大規模の仮想通貨取引所を運営するOK Groupの日本法人によって提供されており、暗号資産交換業者として金融庁・財務局への登録をしています。
2020年8月からサービスを開始したOKCoinJapanは、初心者にも扱いやすいアプリの設計、板取引可能な銘柄の豊富さ、迅速な送金対応で、ユーザーから高評価を得ています。MASKは、取引所、販売所、積立の各サービスで利用できます。
CryptoBaby氏へのインタビュー
プロフィール:
2020年からWeb3に興味を持ち始め、2021年にMask Network入社、初期からWeb3のコンセプトを強調していたMask Networkに魅力を感じたいう。Mask Networkではエコシステムマネージャーとして従事。国内Web3スタートアップへの投資、ハッカソンでの審査員、イベント登壇などにも積極的に参加している。X(旧Twitter)アカウント(@crypto___baby)はフォロワー数が5万人近く、日本の暗号資産業界でインフルエンサーとしても活動。
Mask Networkの魅力:
2021年頃はコロナバブルの最中で、さまざまなプロジェクトへの投資熱が高まっていました。その中で、Mask Networkはソーシャルファイ領域の最初の有望プロジェクトとして注目を集め、成長の起点となりました。
Mask Networkは単なる投機的なプロダクトではありません。ユーザーはソーシャルメディアのアプリ上で直接、仮想通貨情報の検索やNFT及び仮想通貨の取引・チェックを行うことが可能です。実際に利用するほどにその便利さを実感できます。
Mask Networkのチーム文化:
Mask Networkには国際色豊かで多様なメンバーが在籍しています。特に、日本文化に興味を持つメンバーが多く、CEOのSujiをはじめ、日本のカルチャーが好きで、カラオケでアニソンを楽しむこともしばしばあります。
今後の展望:
Mask Networkは、高額なガス料金の問題に対処し、プライベートキーの保存方法を改善することに注力しています。また、EC機能をプラットフォームに追加する計画も進行中です。SNS機能をさらに拡張し、Web3の便利さを普及させるとともに、プライバシー保護と資産の安全性を向上させ、さらなる成長を目指しています。
Mask Networkの使い方(一例)
ユーザーはまず、Mask Networkの公式サイトにアクセスしてブラウザ拡張機能を追加します。また、モバイルでは、アプリ「Firefly(Web3&NFTエクスプローラー)」のインストールが推奨されています。
次に、Mask Networkアカウントを作成し、お持ちのソーシャルネットワークアカウントと連携します。Mask Extensionを利用した投稿、仮想通貨の支払い、NFTの取引、分散型ファイル共有、ストレージなどの機能を活用できるようになります。
Mask Networkは、イーサリアム、Solana、BNBチェーン、Polygonなど、複数のブロックチェーンをサポートしています。ユーザーは$MASKなどの通貨ティッカーにマウスを合わせることで、取引ウィジェットがポップアップし、即座にトークンをスワップすることが可能です。各チェーンで利用可能なDEX(分散型取引所)は異なりますが、ユーザーエクスペリエンスは一貫しており、常に最安値を探すことができます。
Mask Networkは、プライバシーと安全性を重視しながら、Web3技術と様々なソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の統合を進めています。オンライン生活をより楽しく便利にするために機能の拡張を続けています。