今週5/18(土)〜5/24(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
5/18(土)〜5/24(金)の仮想通貨相場週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円は、週明けに上値を追う展開となり史上最高値を更新するも、その後は上値の重い展開が続いている。
現物ビットコインETFへの資金フローの改善やコインベース(COIN)の株価急伸を受けて、週明けの米時間のBTC相場は上値を追う展開を繰り広げると、ブルームバーグのETFアナリストらがSECによる今週中の現物イーサETF承認の可能性を25%から75%へと引き上げたことで、ETH相場の上昇につれてBTCは1100万円に肉薄。その後はショートを踏み上げて1100万円台に乗せた。
一方、翌21日には高値警戒感から相場は上げ渋っていると、米国時間に利益確定売りが入り小幅に反落。尤も、その後はドル建てで心理的節目となる7万ドル(約1099万円)周辺での揉み合いが続いた。
23日、この日もBTCは1099万円周辺での小動きで取引を始めたが、米新規失業保険申請件数の下振れや、S&Pグローバルの5月総合PMIが上振れたことで米債利回りが上昇し、米時間に一段安を演じ、一時は1050万円周辺まで押した。
一方、24日朝方に米証券取引委員会(SEC)が現物イーサETFの取引ルール変更申請(フォーム19b-4)を承認し、BTCはイーサ(ETH)の反発に連れ高となり1070万円周辺まで戻した。
週明けの相場上昇でBTCのドル建て相場は俄かに中期下降チャネルの上限を上抜けたが、その後は買い材料に乏しく、チャネル内に押し返された格好だ(第2図)。
今週は突如として米SECが現物イーサETFを承認する可能性が浮上し、実際にルール変更が承認された訳だが、BTC相場への影響はそれほど強くなく、米経済の底堅さを示す経済指標が相場の重石となっている。
先週も指摘の通り、米国の消費者物価指数(CPI)の鈍化は極めて緩慢なペースとなり、BTCの買い材料としては今一つ決定的なデータとはならなかった。市場は依然として米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始のタイミングを見極めようとしており、BTCは引き続き米経済指標にセンシティブな値動きとなろう。
24日には4月の米耐久財受注の発表を控えており、市場予想では3月の+2.6%から-0.8%と大幅な減速が見込まれている。需要の減速が示されれば23日のリスクオフが巻き戻す余地もあると見ているが、来週31日には4月の米個人消費支出(PCE)価格指数の発表を控えており、BTC相場の上値は限定的か。
BTCのオプション市場でも、週明けの相場上昇後にコールオプションの物色などアップサイドを織り込む動きは確認されず、やはり目先では7万ドル周辺が相場のレジスタンスとなろう。相場は引き続き建玉が集中する6.5万ドル〜7万ドルレンジでの推移となりやすいと見ている。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:来週のビットコイン相場はPPIとCPIに注目、ネガティブならチャネル下限試すシナリオも|bitbankアナリスト寄稿