CoinPostで今最も読まれています

韓国シンクタンク、ビットコイン現物ETF導入に警鐘 地域経済を弱める可能性

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

金融安定性が損なわれる可能性

韓国金融研究院(KIF)は、韓国におけるビットコインの現物ETF(上場投資信託)の導入は、国内経済にとって利益よりも多くの問題をもたらす可能性が高いと警鐘を鳴らした。

「海外暗号資産(仮想通貨)現物ETFの承認に関する考察」と題したレポートで、KIFのBo-mi Lee研究員は米国、香港、英国におけるビットコイン及びイーサリアム現物ETF承認について分析。韓国で同様の製品を導入した場合、以下のような理由から金融の安定性が損なわれる可能性があると主張した。

  • リソース配分の非効率性:ETF承認により仮想通貨価格が上昇すると、大量の資本が仮想通貨市場に流入する
  • 金融市場にリスクが波及する可能性:価格下落時に、金融市場の流動性と金融機関の健全性に悪影響を及す
  • 金融市場と規制当局に対する信頼の低下

KIFは、仮想通貨市場へ資金流入が集中すると、韓国の金融市場における大量のキャッシュフローを遮断する可能性があり、その結果、自国産業への投資が減少する懸念について指摘した。

関連:ビットコインの買い方|初心者が知るべき投資メリット、リスク、最適な取引所選び

関連イーサリアムの買い方|初心者が知るべき投資メリット、リスク、おすすめ取引所選び

仮想通貨への理解不足

Lee氏は仮想通貨に対する一般的な理解が不十分で、資産の価格変動が大きい現時点において、仮想通貨を基礎資産とする製品を導入すると、「検証済みの投資オプション」との印象を与え、投資家が仮想通貨に対し誤った安心感を抱く可能性もあり、リスクの増大につながると指摘した。

同氏は、仮想通貨ETFが投資家の保護を強化し、金融機関に利益をもたらす可能性があることを認めつつも、リスクを軽減するためには導入を検討する前に強力な規制措置を講じる必要があると主張。現時点におけるETF導入は、メリットよりもデメリットが上回るとの判断を示した。

韓国の規制当局は現在、ビットコインなどの仮想通貨が安定した投資手段の基礎資産にはなり得ないという理由で、仮想通貨現物ETFの発行や取引を許可していない。

仮想通貨ユーザー保護法

韓国では7月19日から新たな仮想通貨の規制枠組み「仮想通貨ユーザー保護法」が施行される。

同法は未公開情報にもとづく取引や、価格操作、詐欺的な取引などの違法な市場行為を根絶することで、ユーザーに対する保護を強化することを目的としている。

また、仮想通貨ユーザー保護法では、すべての公認仮想通貨取引所に対し、上場している600超の仮想通貨の審査が義務付けられることになる。仮想通貨規制を管轄する金融サービス委員会(FSC)は、韓国で登録された取引所29社に対し、上場トークンを定期的に評価し、取引を継続するかどうか検討するよう通知した。

取引所は、現在上場している仮想通貨に対する審査期間として、6ヶ月が与えられ、その後はメインテナンスとして、3ヶ月ごとに査定の実施が義務付けられる。

FSCは仮想通貨取引に関する新たな規制ガイドラインの策定に取り組んでおり、10日には仮想通貨に相当するNFT(非代替性トークン)を定義するガイドラインを発表した。

さらに、FSCは、仮想通貨セクターにおけるより効率的な政策策定のため、組織の改革にも取り組んでおり、仮想資産に特化した業界の規制枠組み全体を管理する新しい機関の設立が検討されている。

関連:韓国、NFTを仮想通貨と定義するガイドライン発行

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/27 日曜日
13:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、アバランチのVisaカード発行やAI系ミームコインGOATの高騰など
仮想通貨市場の1週間の動きをまとめ、ビットコイン、イーサリアム、XRP、アバランチなど時価総額上位の仮想通貨の最新の材料を紹介。米国著名投資家の発言やマイクロソフトのビットコイン投資検討など、重要なトピックスも取り上げた。
11:30
心理的節目の上抜けに成功すれば、ショートカバー伴い最高値を試しにいく展開も視野|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストが1000万円台前半で底堅い推移となるビットコイン(BTC)相場を分析。今週の相場失速で失望するのは時期尚早だと言及し、今後の展望を解説した。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|DOGE時価総額3兆円突破に高い関心
今週は、ドージコインの時価総額3兆円突破、米政府のウォレットから30億円相当の仮想通貨が不正流出した可能性、マイクロソフトのビットコインへの投資評価に関するニュースが最も関心を集めた。
10/26 土曜日
14:00
「ビットコイン現物ETF、個人投資家が需要の8割を占める」バイナンスが報告
バイナンスがビットコインの流通量4.5%を現物ETFが保有していると指摘。個人投資家主導の需要拡大と機関投資家の緩やかな参入を分析している。
11:55
リップル社、仮想通貨XRPめぐる対SEC控訴裁判で4つの論点を提出
リップル社がSECとの裁判で控訴審に向けた陳述書を提出。ハウィーテストの適用など4つの重要論点を提示している。
07:20
マイクロストラテジー、24年ぶりの高値 ビットコイン強制売却の可能性は「極めて低い」 BitMEXが分析
BitMEX Researchのアナリストは、マイクロストラテジーが現在の債務構造に基づいて保有しているビットコインを強制的に売却する可能性は「極めて低い」と主張した。
06:35
ハッカー、米政府の仮想通貨ウォレットに大部分の流出資金を返還
米政府の仮想通貨ウォレットから流出した約30億円相当の資金のほとんどが、24時間以内に返還されたことが観測された。
06:15
テザーCEO、米政府捜査の報道を否定
ステーブルコイン発行企業テザーのパオロ・アルドイーノCEOは26日、米国の連邦検察当局が同社を調査しているとのWSJ報道内容を否定した。
10/25 金曜日
18:05
AIエージェントと仮想通貨の融合 コインベースが描く未来像
米コインベース・ベンチャーズは、人工知能(AI)とブロックチェーン技術の新たな融合がデジタル経済を変革すると主張。Web3上で、自律型AIエージェントが人間と自由にやりとりする世界「エージェントWeb」が誕生する未来のビジョンを描いた。
13:28
国内における「暗号資産ETF」実現に向け、 ビットバンクが勉強会の総意として提言公表
暗号資産(仮想通貨)bitbankを運営するビットバンクは、証券会社や資産運用業者、信託銀行等と共同で行う「国内暗号資産ETF」勉強会への参加とともに、参加メンバー一同として日本における暗号資産ETFの実現に向けた提言を発表した。
11:40
個人マイナーが再びビットコインブロック採掘に成功、3200万円相当の報酬獲得
仮想通貨ビットコインのソロ個人マイナーが再び大きな報酬を獲得したことが判明した。9月に続く事例である。
10:45
1995年公開「攻殻機動隊」のNFT、アニモカブランズジャパンから発売へ
今回は第一弾で、1995年に公開された押井守監督作品『攻殻機動隊』をフィーチャーしている。このNFTコレクションでは、作中に登場するキャラクターのパーツを、Mocaverse、CoolCats、San FranTokyoのPFP専用Traitsとしてそれぞれ描き下ろした世界に1つだけの作品となっている。
09:35
米国ビットコイン現物ETF、約100万BTCの保有でサトシ・ナカモトに迫る
米国ビットコイン現物ETFの保有BTCが98.5万枚を突破。サトシ・ナカモトの推定110万枚に接近している。
07:50
マイクロソフト、12月株主総会で「ビットコインへの投資評価」を議決権行使項目に設定
米IT大手マイクロソフトは12月上旬に予定されている2024年の年次株主総会に向けて、「仮想通貨ビットコインへの投資の評価」を議決項目の1つとして設定した。マイクロストラテジーのようにビットコイン保有企業になるか。
07:20
取引所らの企業、日本の仮想通貨ETF誕生に向け提言作成
日本で仮想通貨ETFが承認されることを目指し、取引所や法律事務所らが税制改正などを含め提言を作成した。対象銘柄をビットコインとイーサリアムに絞ることも提案している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧