- アルトコイン阻害を目的とした新しいマイニングプール現る
- アルトコインの空ブロックをマイニングしてビットコインキャッシュに換金すると豪語する新たなマイニングプール「SharkPool」が話題となっている。
新しいマイニングプールがBCH以外のアルトコインに宣戦布告
アルトコインの空ブロックをマイニングしてビットコインキャッシュに換金すると豪語する新たなマイニングプール「SharkPool」が開始された。
Sharkpoolは今月発表されたばかりの新しいマイニングプールで、開設されたばかりのサイトでは共に「ビットコインに宣戦布告をする全てのアルトコイン」に戦争を仕掛けるとしている。
全てのフォーク通貨を含むアルトコインはビットコインに対する戦争行為であり、以後そのように対処する。
SharkPoolのマイナーはアルトコインで空ブロックだけを集中的にマイニングし、そこで得た利益でビットコイン(ビットコインキャッシュ)を購入する。
アルトコインを0%のマイニングfeeで“狩る”有志を募集している。
上記のようにSharkPoolはマイナーの募集を開始している。
またマイニング費用0%で登録者を募集しているSharkPoolはTwitter上で最初の一年間は100%のブロック報酬を約束している。
Shark Pool miners will exclusively mine empty blocks on alts and sell the profits for Bitcoin (BCH).
— SharkPool (@SharkPoolCash) 2018年11月6日
Sign up pre-release and get 100% of the blockrewards for a year! https://t.co/iNVI9qENx3 #EmptyYourBlocks
SharkPoolの思惑
今回発表されたSharkPoolの親会社はビットコインキャッシュ専用のウォレットであるCashPay Walletを発行するCashPay Solutionsだ。
また同社の共同創設者であるAri Kuqi氏のツイートからはアルトコインに対する強い嫌悪感を書き記している。
I’ve been saying for a year I will hunt down alts, ICO’s and shitcoins and burry them. It’s time to deliver on that promise.
— Ari Kuqi (@ari_cryptonized) 2018年11月7日
If you don’t have a seat at this table, you’re dinner.
Join @SharkPoolCash at https://t.co/qcZfcM9NdT
一年近くアルト、ICOやマイナー通貨を狩って埋葬すると言ってきた。ようやくその約束を実現する時が来た。
我々と一緒でなければ、餌食(敵)とみなす。
このようにアルトコインに対して強い姿勢を示しているSharkPoolとその設立者の一人であるKuqi氏は、Kuqi氏のソーシャルメディア上の発言からビットコインSV支持派であることが示唆される。
Bitcoin SV(Satoshi Vision)はサトシナカモトを自称したCraig Wright氏や億万長者のCalvin Ayre氏を筆頭としたnChainとCoinGeekが主に推進しているビットコインキャッシュの実装案で、Bitcoin ABCの実装との対立が注目を集めている。
またアルトコインと「真のビットコイン」に逆らう全てのアルトコインに対し空ブロックによる阻害行為を宣告しているSharkPoolからすれば、真っ先に格好の「餌食」と考えられるのば15日のビットコインキャッシュのハードフォーク後のBitcoin ABC側のチェーンだと仮想通貨メディアCCNは予測している。
SharkPoolは今月中に募集を開始したばかりだと思われるが、仮に多数のマイナーがSharkPoolの呼びかけに応じた場合、ハードフォーク後に安定化を測るABC側のチェーンを妨害する心配があるかもしれないとされている。
なお現在のところ、大多数のマイナーや開発者がBitcoin ABC側のアップデートを支持しているが、ハードフォークでチェーン分裂が起きた際に起こり得る新通貨、BSVの配当が期待されている事が先週比45%も上昇したビットコインキャッシュの高騰の要因として挙げられる。
またSharkPoolのツイッターアカウントからは「どの通貨を最初に狙うか』の質問でアンケートが出されており、投稿から約4時間足らずで116票集めている。
なお現在の投票結果は48%でライトコインが最も多く票を集めており、次点ではビットコインとなっている。
空ブロックと懸念される影響
そもそも空ブロックとは何か知らない読者もいるであろう。
空ブロックとはProof of Workを採用する仮想通貨でマイナーが仮想通貨をマイニングする際に意図的に取引を少数しか含まないブロックのことを指す。
大抵の場合、このようなブロックには空ブロックをマイニングしたブロック報酬を受け取る為の取引が含まれており、空ブロックは取引の混雑からネットワーク停滞につながる。
ビットコインのネットワーク全体では約18%がこれらの空ブロックであるものの、BTC.comによると過去1年でマイニングされたビットコインのブロックの内0.86%のみが空ブロックだった。
懸念される影響
SharkPoolがアルトコインで空ブロックのマイニングに集中することは、それらの仮想通貨ネットワークの停滞と取引承認の難航化につながる。
仮に取引の承認が混雑すれば、取引が通らなくなるだけではなく、マイニング手数料の高騰にもつながる恐れがある。
まとめ
SharkPoolにどれほどのマイナーが参加して、「有志」を集めているかは不明だ。
しかし仮に多くのマイナーがSharkPoolに惹かれ、アルトコイン上で空ブロックが多数マイニングされた場合の影響は懸念点だと言える。
いずれにせよ、今後SharkPoolからどのような発表があるのか注目は必要だろう。
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