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ビットコインは中東情勢不安定化で神経質な値動き、ETFへの資金フローに引き続き注目|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

9/28(土)〜10/4(金)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週、9/28(土)〜10/4(金)の仮想通貨相場の仮想通貨相場週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は上値の重い展開となり、4日正午時点で、890万円周辺で推移している。

週明け30日のBTC円は売り優勢で取引を始め、900万円台前半で水準を下げた。自民党総裁選で石破氏が新総裁に就任したことで、この日は日経平均が急落し、BTCも連れ安となった格好だ。一方、この日の米国時間には相場下げ止まると、翌10月1日の東京時間には小幅に揺り戻し、920万円を回復した。

しかし、1日の米国時間には、イランがイスラエルに約200発のミサイルを発射したと報じられた他、ISMの9月製造業PMIが下振れたことでリスクオフムードが広がり、相場は下値を模索する展開となり、970万円周辺まで水準を下げた。

ただ、これによりドル建てBTC価格が心理的節目の6万ドルにタッチすると、相場は下げ渋りに転じた。

その後も6万ドル周辺の水準をサポートにBTCは底堅い値動きが続いているが、中東情勢の緊迫化と4日夜に発表される9月の米雇用統計を控え警戒ムードが広がり、900万円周辺で神経質な値動きが続いている。


【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成

イランは今年4月にもイスラエルに対して無人機やミサイルで大規模攻撃を行ったが、その際はイスラエルが攻撃の99%を迎撃したと報じられ、結局、戦果拡大は回避された。

しかし、今回のイランの攻撃ではイスラエル軍事基地や民家にも被害が及んでおり、イスラエルによる報復攻撃がいつ行われるか市場が神経質になっている。

他方、4日には9月の米雇用統計と重要指標の発表も控えており、中東情勢に動きがなければ、同指標が目先のBTC相場の方向感を決め得る材料となりそうだ。

2日発表のADP雇用統計は上振れたものの、今週発表されたISM製造業と非製造業の雇用指数は拡大と縮小の境目である50を下回っており、労働市場の状態に不安が残る。

市場予想では、非農業部門雇用者数が前月の+14.2万人から+14万人に微減すると予想されており、下振れとなればBTCもいよいよ6万ドル下抜けが指摘される。

労働市場の堅調さが示唆される結果となれば、リスク選好度が上向き、BTCはドル建て200日線が走る63,000ドル台中盤(約928万円)まで戻す余地があるとみているが、中東情勢が不安定化する中、それ以上の大幅な上昇は難しいか。

地政学リスクが台頭した際、BTCは基本的にグローバルなリスクオフムードに影響され初動では下げやすいが、人や資産の国外逃避という文脈で買われやすい一面もあり、結局は反発することがよくある。これはロシアのウクライナ侵攻や、昨年10月のハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃の後にも観測された現象だ。

しかし、今週に入って米国の現物ビットコインETFへの資金フローは、中東情勢の緊迫化に反応して資金の流出が確認された(第2図)。先週までは、先月FOMCでの大幅利下げを契機に純流出額が回復していたが、1日には約1カ月ぶりに2億ドルを超える純流出を記録した。

1日以降は純流出額が減少しているが、ETFのネットフローがネガティブのままでは「機関投資家は有事でビットコインを売る」というイメージから相場の上値を圧迫することが指摘される。

【第2図:BTCドルとETFフロー】
出所:Glassnode、farsideより作成

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関連:ビットバンクプラス公式サイト

前回のレポート:利下げサイクル突入でビットコインETFへの資金流入に注視したい|bitbankアナリスト寄稿

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
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