10億ドルのマイルストーン
大手トークン化企業セキュリタイズが、オンチェーンでトークン化された資産の総額が10億ドル(1,520億円)を突破したと発表した。この成長は主に、ブラックロックのBUIDLファンドの成功に牽引されたものだ。
BUIDLファンドは7月に5億ドルを突破しており、セキュリタイズの他のファンドと合わせて、この大台に到達した。
関連:「仮想通貨デリバティブ取引の担保にBUIDLの活用を」ブラックロックがバイナンスらと検討=ブルームバーグ
セキュリタイズの共同創業者兼CEOであるカルロス・ドミンゴ氏は、「人々がこれを望んでいることは驚きではありません。しかし、これほど短期間でこれほど急速に進展したことは驚きです。それでも、まだ表面をなぞっているに過ぎないと思います」と、The Blockのインタビューで述べた。
同社はこの節目を発表すると同時に、トークン化されたファンド管理を簡素化・集約化する新サービスの立ち上げを明らかにした。「セキュリタイズ・ファンド・サービス」と名付けられたこの新事業は、ブロックチェーン基盤の実物資産商品の作成に関連する運用やコンプライアンスの業務を効率化することを目的としている。
ドミンゴ氏は「独自のファンド管理サービスを立ち上げることを決定しました。従来のファンド管理者は、ブロックチェーンのスピードで動くトークン化されたファンドのオンチェーン証券に対応する体制が整っていません」と説明した。このサービスは、ブラックロックやハミルトン・レーンなどの企業が新しい暗号資産(仮想通貨)基盤のファンドを作成するのを支援し、規制遵守、税務サービス、財務報告、記録管理なども行う。
従来、仮想通貨業界ではファンド管理が複数の競合企業、主にウォール街の企業に分散していた。ドミンゴ氏は、このサービスを社内に統合することで、顧客へのサービス向上と新たな機会の創出につながると述べた。これには、新規および既存の商品を追加のブロックチェーンで展開することも含まれる。このサービスは規制対象外の活動であるため、グローバルに提供される予定だ。
セキュリタイズは2017年に設立された米大手デジタル証券会社で、セキュリティトークン(ST)の発行から流通市場まで対応したソリューションを提供。今年3月に、ブラックロックとセキュリタイズは提携して、イーサリアム上でトークン化された「BUIDL」ファンドをローンチした経緯がある。
関連:ビットコインETFは日本で買える?現物BTCとのメリット比較や関連銘柄の買い方も紹介