CoinPostで今最も読まれています

韓国アプリ大手のカカオとステーブルコインプロジェクト「Terra」が提携

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

韓国モバイルアプリ最大手カカオとステーブルコインプロジェクトのテラが提携
カカオは今年初め、ブロックチェーン関連子会社のGround Xを立ち上げ、自社開発のブロックチェーン開発プラットフォーム「Klaytn」に9社のパートナーを発表するなど、LINEとは対照的な戦略をとっている。

韓国のモバイルアプリ最大手カカオ、Ground X、テラの3社が提携を発表

韓国のモバイルアプリ最大手カカオ(Kakao Corp)参加のブロックチェーン関連子会社であるGround Xとステーブルコインプロジェクトのテラ(Terra)提携を発表した

韓国のカカオは、既にブロックチェーンのプラットフォームを作るべくプロジェクトを積極的に展開しており、価格変動が少ない仮想通貨であるステーブルコインと提携することにより、相乗効果を狙っていくものと見られる<。

カカオとは

カカオはモバイルアプリであるカカオトークを傘下に持ち、韓国国内市場では最大のシェアを持つ。

今年初めに独自のブロックチェーン技術を開発すべく、完全子会社のGround X社の立ち上げを発表していた。

CoinPost関連記事

韓国最大のメッセージアプリ:カカオトークが独自仮想通貨発行のICOを検討中
カカオ社はICOを通じて独自仮想通貨「カカオコイン」の発売を検討中です。3月20日に行われる記者会見で、計画の概要を説明するため、具体的なロードマップを発表する予定です。国内ICO禁止を発表した韓国の金融規制当局の動向が注目されています。

Ground X社は、同社独自のブロックチェーンを用いたプラットフォームであるクレイトン(Klaytn)を10月にリリースした。

クレイトンは、分散型アプリケーションであるdApps(Decentralized Applications)を開発することのできるプラットフォームであり、10月以降、自社製のdApps開発を目指す複数の韓国企業との提携を発表してきている。

テラとは

一方テラは、韓国発のステーブルコイン関連プロジェクトだ。

ステーブルコインとは、ドルをはじめとした法定通貨、または金などのコモディティと同じような値動きがなされるように担保される仮想通貨であり、仮想通貨の大きな懸念点である価格変動(ボラティリティ)が、著しく小さいという利点がある。

テラの特徴は、テラ(Terra=「地球」の意味)と対になる準備金であるルナ(Luna=「月」の意味)の存在により、価格変動を抑えるという点にある。

ルナが法定通貨に準拠した準備金であり、値動きが抑えられることから、ルナと対になるテラも値動きが抑えられ、価格変動(ボラティリティ)の懸念がなくなるという仕組みだ。

Lunaは、法定通貨に紐づけられており、結果としてLunaもTerraも価格変動が抑えられる。

テラの仕組みの詳細については、以下の動画を参照。

カカオとテラ、それぞれの戦略

カカオは、自社開発のブロックチェーン開発プラットフォームであるKlaytnを、業界標準にすべく自社以外の参加者を積極的に集めており、クレイトンのプラットフォームが公開された10月には、9社のパートナーを公開している

クレイトンのプラットフォームに参加を表明した最初の9社は、以下の通りだ。

出典:Klayth

カカオの戦略は、同じく韓国発のモバイルアプリの大手であるLINEとは対照的な部分もある。

LINEも今年、独自のブロックチェーンプラットフォームの開発を発表している。

しかし、カカオ・クレイトンが他社を積極的に招き入れようとしているのに対して、LINEは自社系のサービスを中心にプラットフォーム上のエコシステムを築こうとしている模様だ。

また、カカオが最大のサービスであるカカオトークとクレイトンを当面は独立的なサービスとして開始したのに対し、LINEはブロックチェーン関連のサービスをLINEから利用できるようにするなど、既存のサービスとの距離感も対照的だ。

カカオは、当面パブリックチェーンの標準を目指すべく、様々な外部の参加者を招き入れて新たなプラットフォームを構築していくものと見られる。

特に特徴的なのが「リバースICO」と呼ばれる手法で、すでにサービスを持つ企業が、サービスをブロックチェーンに乗せるために仮想通貨を発行するというものだ。

韓国にある複数のITスタートアップがブロックチェーン化を狙うため、このリバースICOを通じて、クレイトンのプラットフォーム上に参加している

テラの動きも興味深い。

ステーブルコイン自体は、テラ以外にも様々なプロジェクトが動いており、それに期待する声も多い。

例えば、GMOの熊谷社長は、コインポストとのインタビューにおいて、ステーブルコインは仮想通貨がインターネット決済で使用できる「切り札」になるとの見解を示している。

そもそもテラは、韓国の大手ショッピングサイトであるTMONのCEOであるDaniel Shin氏が立ち上げたスタートアップだ。

そのため、テラはTMONを通じて決済用の仮想通貨としての地位を築こうとするものとみられる。すでに投資家から巨額の資金調達を行っているのみならず、E-コマースの巨大経済圏を射程に収められるのは非常に有望であるとみられる。

CoinPost関連記事

価格変動しない仮想通貨にバイナンスやフォビが出資|保有者への手数料還元も
Binance(バイナンス)を含む世界最大の仮想通貨取引所4社も投資を行う、新しいeコマース(オンライン商業取引)ベースの新たなステーブルコイン「Terra」が発表されました。

こうした背景に加えて、テラとルナを対にすることで「ステーブルコインがステーブルコインを安定させる」という仕組みを提示したことによる将来性に注目が集まっている。

カカオとテラ、それぞれが独自のプラットフォームや経済圏を築こうと目指す中で、発表された今回の提携には今後とも注目したほうがよさそうだ。

CoinPostの関連記事

LINEの親会社などに投資する、韓国最大VCがブロックチェーンスタートアップへ投資
LINEの親会社ネイバーなどに投資する、韓国最大のベンチャーキャピタル「Korea Investment Partners」が、同社初となるブロックチェーンスタートアップへの投資を行なった。
韓国最大手サムソン電子、仮想通貨マイニング企業SquireとASICチップ製造で提携を発表
サムソン電子とGaonchipsがカナダの仮想通貨採掘企業SquireとASICチップ製造で提携した。SquireのASICチップは今後、設計をGaonchipsが、製造をサムソン電子が受け持つことになる。仮想通貨採掘用ASICでは長くBitmainと台湾TSMCの牙城が続いてきた。今回の提携により切り崩しがなるか注目される。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/27 土曜日
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。
06:50
米Stripe、ソラナやイーサリアムでUSDC決済を導入予定
Stripeは2014年に初めて仮想通貨ビットコインの決済を導入した経緯がある。しかしその4年後の2018年にビットコインのバブル崩壊を受け同社はその取り組みを中止した。
05:50
モルガン・スタンレー、ブローカーによるビットコインETF勧誘を検討
最近の仮想通貨ビットコインETF資金流入状況に関しては昨日、ブラックロックのIBITが1月11日ローンチ以来初めて資金流入がゼロとなり、71日連続の流入記録が終了したことが確認された。
04/25 木曜日
17:42
ワールドコイン、仮想通貨WLDのトークンセールを計画
Worldcoinが個人認証に基づくベーシックインカムプロジェクトの拡大へ、機関投資家限定で暗号資産(仮想通貨)WLDのプライベートセールを計画。市場価格に近い価格で提供し、転売禁止やロックアップ措置を導入する。
15:00
ビットコイン強気相場継続の根拠、アーサー・ヘイズ氏語る
仮想通貨取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、世界各国で法定通貨の供給量が拡大し続ける中、ビットコインをはじめとする仮想通貨の強気相場は今後も継続するとの考えを示した。
13:20
2028年の半減期に向けてビットコイン価格など5つの予測=Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は次の半減期までにビットコインに起こる5つのことを予想。ビットコイン価格は約3,880万円以上になるとする予測も含まれる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧