- 韓国モバイルアプリ最大手カカオとステーブルコインプロジェクトのテラが提携
- カカオは今年初め、ブロックチェーン関連子会社のGround Xを立ち上げ、自社開発のブロックチェーン開発プラットフォーム「Klaytn」に9社のパートナーを発表するなど、LINEとは対照的な戦略をとっている。
韓国のモバイルアプリ最大手カカオ、Ground X、テラの3社が提携を発表
韓国のモバイルアプリ最大手カカオ(Kakao Corp)参加のブロックチェーン関連子会社であるGround Xとステーブルコインプロジェクトのテラ(Terra)が提携を発表した。
韓国のカカオは、既にブロックチェーンのプラットフォームを作るべくプロジェクトを積極的に展開しており、価格変動が少ない仮想通貨であるステーブルコインと提携することにより、相乗効果を狙っていくものと見られる<。
カカオとは
カカオはモバイルアプリであるカカオトークを傘下に持ち、韓国国内市場では最大のシェアを持つ。
今年初めに独自のブロックチェーン技術を開発すべく、完全子会社のGround X社の立ち上げを発表していた。
Ground X社は、同社独自のブロックチェーンを用いたプラットフォームであるクレイトン(Klaytn)を10月にリリースした。
クレイトンは、分散型アプリケーションであるdApps(Decentralized Applications)を開発することのできるプラットフォームであり、10月以降、自社製のdApps開発を目指す複数の韓国企業との提携を発表してきている。
テラとは
一方テラは、韓国発のステーブルコイン関連プロジェクトだ。
ステーブルコインとは、ドルをはじめとした法定通貨、または金などのコモディティと同じような値動きがなされるように担保される仮想通貨であり、仮想通貨の大きな懸念点である価格変動(ボラティリティ)が、著しく小さいという利点がある。
テラの特徴は、テラ(Terra=「地球」の意味)と対になる準備金であるルナ(Luna=「月」の意味)の存在により、価格変動を抑えるという点にある。
ルナが法定通貨に準拠した準備金であり、値動きが抑えられることから、ルナと対になるテラも値動きが抑えられ、価格変動(ボラティリティ)の懸念がなくなるという仕組みだ。
Lunaは、法定通貨に紐づけられており、結果としてLunaもTerraも価格変動が抑えられる。
テラの仕組みの詳細については、以下の動画を参照。
カカオとテラ、それぞれの戦略
カカオは、自社開発のブロックチェーン開発プラットフォームであるKlaytnを、業界標準にすべく自社以外の参加者を積極的に集めており、クレイトンのプラットフォームが公開された10月には、9社のパートナーを公開している。
クレイトンのプラットフォームに参加を表明した最初の9社は、以下の通りだ。
カカオの戦略は、同じく韓国発のモバイルアプリの大手であるLINEとは対照的な部分もある。
LINEも今年、独自のブロックチェーンプラットフォームの開発を発表している。