XRP上昇の材料に
FOXビジネスの29日の報道によれば、米ニューヨーク州の金融規制当局が、リップル社の新しいステーブルコイン「RLUSD」を承認する可能性が高まっている。ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)は、12月4日を目処にRLUSDを承認する見込みだという。
ステーブルコインとは、米ドルなどの安定した資産に連動するデジタル通貨で、現在の市場規模は約1,900億ドルに達している。リップルのRLUSDは、トランプ政権下での仮想通貨規制緩和の期待も追い風に、Circle、Paxos、Gemniniなどの既存の米国で規制されたステーブルコイン発行企業と競合する。
リップルの中核事業は、ブロックチェーン技術を活用したクロスボーダー送金ネットワークRippleNetであり、銀行や企業向けに従来のSWIFTシステムに代わる、より効率的な決済ソリューションを提供している。現在、リップル社に関連するXRPは、SECとの法的係争により規制上の不確実性に直面している。
一方、トランプ次期政権への期待を受けて、XRPの価格は続伸し1.8ドル(266円)台まで回復し、15兆円の資産として30日にBNBの時価総額を上回った。
関連:仮想通貨XRP、17%以上の上昇 現物ETF実現とリップル裁判取り下げへの期待が背景
リップルは、Bitstamp、MoonPay、Upholdなどの決済事業者と提携し、RLUSDの導入を予定している。ニューヨーク州では、デジタル資産を提供する企業に対して、透明性、セキュリティ、消費者保護の観点から厳格な規制が課されており、リップルは限定目的の信託免許を取得する見込みだ。
当面は州レベルでの規制が主流となるが、トランプ新政権下では連邦レベルでのステーブルコイン規制の実現可能性も高まっている。RLUSDは、クロスボーダー決済、法定通貨との交換、実物資産(RWA)のトークン化などの企業向けユースケースに焦点を当てており、国際的な金融インフラの革新に貢献することが期待されている。
関連:XRPとは?買い方と将来性|リップル社訴訟とSEC新体制の影響を解説