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ビットコイン1600万円に迫る、トランプ次期大統領の仮想通貨政策に期待感|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

1/11(土)〜1/17(金)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週、1/11(土)〜1/17(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は確りとした推移となり、17日正午時点で1600万円を窺う展開となっている。

週明け13日のBTCは、米国債の下落(金利は上昇)に上値を圧迫され、1500万円から1400万円近辺まで水準を下げるも、米株の上昇を味方に下げ止まると、トランプ氏の経済政策チームが段階的な関税を課していくことを検討しているとの報道を切っ掛けに持ち直し、翌14日には1500万円周辺に戻した。

更に、トランプ氏が就任初日に暗号資産(仮想通貨)に関する重大な政策発表を計画しているとの報道を受け、1500万円を回復した。

その後は1500万円台前半で揉み合う展開が続くも、15日に発表された米消費者物価(CPI)のコア指数が前年比で減速したことが好感され、1570万円台を回復。これによりドル建てでは10万ドルにタッチし一時は失速したが、FRBのウォラー理事が年内に3回〜4回の利下げが可能と発言すると切り返した。

また、16日の米国時間には、トランプ氏が仮想通貨を国家戦略の優先事項にすることを検討しているとの報道もあり、17日東京時間に相場は1580万円台に戻している。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成

ドル建てのBTC相場は、週明けの下落で9万2000ドルのサポート(第2図内ピンク線)を一時割り込むも、終値ベースでは同水準を維持し、確りとした推移に転じた。

16日までは、12月に記録した史上最高値と今月7日の高値を基点とする下降トレンドライン(第2図内青線)で上値を抑えられていたが、17日東京時間には同トレンドラインの上抜けに成功しており、終値でのブレイクアウトに成功すれば、テクニカル的なセンチメントは一層上向くだろう。

【第2図:BTC対ドルチャート(日足)】
出所:Glassnodeより作成

さて、来週20日はいよいよトランプ氏の米国大統領就任式を控えている。今週は同氏が検討している仮想通貨に関する大統領令への期待感も相場の支えとなった格好で、その全貌が明らかとなれば、相場上昇に拍車が掛かるか。

特筆するべき項目としては、SAB121撤廃の可能性だ。これは米SECの会計基準で、顧客の仮想通貨を保管する企業に対して、それらを資産と負債の両方として貸借対照表に計上することを義務付ける。

本来であれば顧客が有する資産であることから、これが貸借対照表に計上されることはなく、特に金融機関では保有する資産・負債に付随するリスクを開示したり厳しい資本比率を維持したりする必要があるため、参入が事実上不可能とされている。

SAB121が撤廃されれば、米国の金融機関が仮想通貨ビジネスに参入しやすくなる他、海外事業者の米国進出もハードルが下がり、産業の活性化につながることが期待される。

もう一つは戦略的ビットコイン備蓄(SBR)に関してだ。尚、米国の金融システムの運営や安定化のためにFRBがビットコインを購入・保有することは、連邦準備法上不可能となっている。

ただ、戦略的原油備蓄のような国家戦略や安全保障的な切り口で、現在司法省が保有するビットコインを財務省に移管して備蓄することは、大統領令の範疇で考えられる。

実現すれば、ビットコインが国益に資する資産として認められることとなるが、大統領令は議会で覆される可能性がある他、裁判所が大統領の憲法上の権力を逸脱していると判断した場合にはそれを拒否することもできる。

仮にSBRに関する大統領が発令されれば、BTC相場の起爆剤になるとみているが、その後の議会や裁判所の動向には注目しておきたい。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

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