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スイス大手銀UBS、イーサリアムL2「ZKsync」でゴールド投資商品の実証実験に成功

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「Key4 Gold」の運用をテスト

スイスの大手銀行UBSは、イーサリアム(ETH)レイヤー2プロジェクト「ZKsync」上で、「Key4 Gold」サービスを提供できるか探る概念実証テストに成功した。

「Key4 Gold」はアプリから物理的な金(ゴールド)を購入できるサービスだ。個人投資家のゴールドへの小口投資を可能にするもので、リアルタイムの価格設定、高い流動性、安全な保管などの特徴がある。

現在、このサービスはUBS独自の許可型ブロックチェーンである「UBS Gold Network」上で展開されているところだ。UBSは、プライバシー機能などを維持しつつ、サービスの提供を拡大する方法を模索しており、今回のテストを行った。

実証では、UBSはゼロ知識証明を活用した「ZKsync Validium」のテストネットにスマートコントラクトを展開し「UBS Gold Network」をシミュレートして、ゴールド・トークンの発行、取引処理、データ照合などの機能を再現できるか検証し、成功した。

次の機能を提供できることが実証された格好だ。

  • プライバシー
  • 相互運用性
  • スケーラビリティ

プライバシーについては、取引の参加者は自分のアクティビティのみを表示できる。相互運用性については、イーサリアムからブリッジされたステーブルコインを使用してゴールド・トークンを購入できた。

また、スケーラビリティについては、データをオフチェーンに保存することで高スループット(一定時間内の取引処理数)を実現し、取引コストも低減している。

なお、「ZKsync Validium」は、ゼロ知識証明を活用した技術の一つであり、大量のトランザクションを効率的に処理できることや、プライバシー基準が高いなどの特徴がある。

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ゼロ知識証明とは

証明(Proof)プロトコルの一種であり、証明者が「自身の主張は真実である」以外の情報を検証者に開示することなく、その主張が「真実である」と証明するメカニズムのこと。

▶️仮想通貨用語集

トークン化投資ファンドも提供

UBSグループのデジタル資産リーダーであるクリストフ・プア氏は、「UBSはテクノロジープロバイダーと協力してイノベーションの最前線にいる」として、次のように続けた。

トークン化された証券は、顧客に新たなソリューションをもたらす大きな可能性を秘めているが、スケーラビリティ、プライバシー、相互運用性は依然として克服すべき重要な課題だ。

今回のZKsyncとのテストにより、レイヤー2ネットワークとZK(ゼロ知識証明)テクノロジーがこうした課題を解決する可能性があることが実証できた。

UBSグループは、これまでにもブロックチェーンを活用した製品を立ち上げている。UBS傘下のUBSアセットマネジメントは昨年11月、イーサリアムのブロックチェーン上に構築された初のトークン化投資ファンド「UBS USD Money Market Investment Fund Token(uMINT)」をリリースした。

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