オンチェーンマネーマーケットファンド「uMINT」
スイス大手銀UBS傘下のUBSアセットマネジメントは1日、イーサリアム(ETH)のブロックチェーン上に構築された初のトークン化投資ファンド「UBS USD Money Market Investment Fund Token(uMINT)」を発表した。
このマネーマーケットファンドは、機関投資家向けの現金管理ソリューションへのアクセスを提供するもの。(マネーマーケットファンドは、短期的な金融資産(米短期債など)に投資する投資信託の一種で、特に安全性と流動性を重視する金融商品。)
UBSアセットマネジメントAPACの共同責任者であるトーマス・ケーギ氏は、資産クラス全体でトークン化された金融資産への投資家の需要が高まっていると述べた。このファンドは、UBSの保守的なリスク管理フレームワークに基づいた高品質のマネーマーケット商品で構成されているという。
uMINTは、UBSの広範なトークン化戦略の一環。2023年10月にはシンガポール金融管理局のProject Guardianイニシアチブの一環として、トークン化されたVariable Capital Company(VCC)ファンドのパイロットを開始した経緯がある。
UBSアセットマネジメントは、パブリックおよびプライベートブロックチェーンネットワークを活用して、ファンドの発行と流通を強化する戦略を展開。今回の動きは、ブラックロックやフランクリンテンプルトンなど他の大手金融機関によるトークン化ファンドの立ち上げと軌を一にしており、伝統的な金融機関がブロックチェーン技術を採用する傾向が強まっていることを示している。
世界最大の資産運用会社ブラックロックはイーサリアムで「USD機関デジタル流動性ファンド(BUIDL)」を提供。現在、BUIDLの資産額は5.3億ドル(800億円)に相当する。
なお、rwa.xyzによると、米国債のトークン化ファンドは主にイーサリアムメインネットで発行されている。
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