はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

アークインベストが示すビットコインの2030年上昇シナリオ、150万ドルの可能性も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインに関するビッグアイデア

ARK Investが4日に公開した「Big Ideas 2025」において、ビットコイン(BTC)の価格は2030年までに大幅に上昇し得ると予測されている。ベア(弱気)ケースでも30万ドル、ベースケースで71万ドル、そして強気のブルケースでは150万ドルを示唆しており、現行水準との比較では相当に高い伸び率が見込まれている。

出典:ARK

この予測の根拠として、ARK Investはビットコインの供給制約と需要増加のバランスを強調している。特に半減期を経ることで新規発行量が減る一方、機関投資家の参入やスポットETFの拡張的な導入による投資マネーの流入が、価格を上方に押し上げる可能性を示唆している。

2024年の第4回半減期によりマイニング報酬は50%削減されたが、これによるマイナー収益の急落は一時的にとどまり、価格上昇と相まって徐々に回復の兆しを見せ始めた。ARK Investのデータによると、長期的には半減期のたびにマイナーが得るブロック報酬の割合が小さくなる一方、手数料収入への依存度が増す構造転換が進んでいる。

興味深い点として、マイニング難易度やハッシュレートは過去最高を記録しており、ネットワークのセキュリティ水準は一段と高まっている。ハッシュレートの増大は、外部からの攻撃リスクを下げるだけでなく、マイナーコミュニティがビットコインの長期的価値に強い確信を抱いていることの表れでもあるといえる。

マイナー収益の構造を細かく見れば、新規発行分(ブロック報酬)は確実に減少していくものの、オンチェーン金融サービスやレイヤー2技術、さらに手数料を稼ぐ他のユースケースが普及すれば、その代替収入源が拡大し得る。ARK Investは、これがマイナーにとって長期的な収益安定要因になると指摘している。

また、ビットコイン現物ETFの登場は、ARK Investのシナリオにおける大きな需要増の源泉として注目される。2024年にローンチされた複数の現物ETFでは、初日だけで40億ドルを超える資金が流入し、ETF市場における歴史的な記録を更新した。こうした動きは、より多くの投資家がビットコインに直接アクセスできる環境を整え、需給面でのポジティブなインパクトを与える。

出典:ARK

さらに、投資先としてのビットコインが一段と普及する背景には、世界的な金融環境や経済状況の変化も無視できない。新興国を中心としたインフレヘッジ需要や、企業がキャッシュリザーブの一部をビットコインに置き換える動きが、長期的な価格上昇を支える要素となっている。

とはいえ、ビットコインは依然として高ボラティリティ資産であり、価格乱高下や規制リスクなどの不確定要素も存在する。ARK Investは過去のデータを踏まえ、ビットコインは株式やゴールドなどに比べてリスク調整後のリターンで優位性を見せてきた一方、投資家は市場変動への備えが必要だと指摘している。

出典:ARK

2024年にはドイツ政府やマウントゴックスの大口ビットコインが市場に売却される局面があったが、それを吸収しながらも価格が上昇傾向を保った点は、市場の厚みが増している証拠だと分析されている。大量売却というネガティブ材料があってもネットワーク全体で耐えられるほどの需要と流動性が形成されつつあるといえる。

こうした一連の動きから、ARK Investはビットコインが既存の金融システムにおいて「デジタルゴールド」以上の存在感を持つ資産クラスへと進化していく可能性を示唆。国際的な規制整備や技術的進歩が進むほど、ビットコインの普及や活用範囲はさらに拡大し、需要が拡大する分だけ価格にも上昇圧力がかかるという見解だ。

「Big Ideas 2025」は、長期的展望においてビットコインが持つ成長ポテンシャルを多角的に捉えたレポートだ。マイナーの収益動向とネットワークの強靭化、機関投資家の参入、オンチェーンでの金融サービス展開など、複合的な視点から価格予想を導き出している。ARK Investは、この成長路線が続くかぎり、2030年までにビットコインが数十万~百数十万ドル規模へと上昇するシナリオを十分に想定し得ると結論づけている。

関連「ビットコインは優れた価値の保存手段」仮想通貨特命官サックス氏が評価

関連:ビットコインの買い方|初心者が知るべき投資メリット、リスク、最適な取引所選び

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/22 月曜日
10:51
ニューヨーク近代美術館、CryptoPunksなどNFT作品を永久所蔵
ニューヨーク近代美術館(MoMA)が12月20日、CryptoPunks8点とChromie Squiggles8点のNFT作品を永久所蔵品に追加。ブロックチェーンアートが主流美術機関に正式認められる重要な節目となった。
09:45
ファンドストラットが2026年仮想通貨市場に弱気予測 トム・リー氏と対照的
ファンドストラットが2026年前半に仮想通貨市場が下落することを予測した。一方、同社のトム・リー共同創業者は、ビットコインやイーサリアムに強気見解を示している。
08:51
テザー、AI機能搭載モバイルウォレットの開発を発表
テザー社がAI機能搭載のモバイルウォレット開発を発表。ビットコイン、USDT、USAT、XAUTの4資産に対応し、WDKとQVACを活用してプライバシーと自己管理性を重視した設計を目指す。
08:23
VanEck、アバランチETF申請にステーキング報酬機能を追加
VanEckが米SECに提出したアバランチETF申請書を修正し、ステーキング報酬機能を追加。保有AVAXの最大70%をステーキングし利回りを創出する計画。米IRSの新規則が後押し。
12/21 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ビットコインの2026年相場予測やブロックチェーン人気ランキングなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン、流動性低下で来週も不安定な展開か|bitbankアナリスト寄稿
ビットコインの今後の見通しをbitbankアナリストが解説。年末のホリデーシーズンで流動性が低下する中、来週にかけても方向感に欠ける展開が続く可能性。12月の米雇用・物価データが金利見通しの鍵を握る。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|与党税制改正大綱の決定に高い関心
今週は、米SECのポール・アトキンス委員長の講演、ノルウェー政府系ファンドによるメタプラネットのビットコイン戦略に対する支持、政府・与党の2026年度税制改正大綱の決定に関する記事が関心を集めた。
12/20 土曜日
13:22
イオレがビットコイン追加取得、累計保有量101BTC超に
日本上場企業イオレが約1億6640万円分のビットコインを追加取得。ネオクリプトバンク構想の初期トレジャリー運用の一環として実施され、2026年3月期中に120億円から160億円規模の取得を目指している。
11:55
ブラックロックのビットコイン現物ETF、年初来リターンはマイナスも流入額6位入り
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が年初来のETF流入で6位にランクインした。一方でリターンはマイナスとなっており背景にある投資家心理が注目される。
10:50
メタプラネット、米国預託証券プログラム設立
ビットコイン保有企業メタプラネットがドイツ銀行を預託銀行とする米国預託証券プログラムを設立し、19日より米国店頭市場で取引を開始する。米国投資家の利便性向上と流動性拡大を目指す。
10:33
ビットコイン提唱者ルミス米上院議員が再選不出馬、仮想通貨法案成立に注力へ
仮想通貨推進派として知られるシンシア・ルミス上院議員が2026年の再選不出馬を表明した。任期終了までに包括的な仮想通貨規制法案や税制改革の成立を目指す方針を示している。
10:05
「ビットコイン価格は2035年に2億円に到達」CF Benchmarksが強気予想
CF Benchmarksが2035年の仮想通貨ビットコインの価格を基本シナリオで142万ドルと予想した。ゴールド市場のシェアを獲得することなどを前提とし弱気・強気シナリオも算出している。
09:10
イーサリアム、Glamsterdamの次のアップグレード名は「Hegota」
仮想通貨イーサリアムでGlamsterdamの次に実施されるアップグレードの名称がHegotaに決定。2025年と同様、イーサリアムは2026年に2回アップグレードを行う可能性がある。
08:15
ビットコイン、弱気相場入りか クリプトクアントが需要減速を指摘
クリプトクアントが仮想通貨ビットコインの需要成長鈍化を指摘し、弱気相場への移行を指摘。ETFの純売却や大口保有者の需要縮小、デリバティブ市場のリスク選好低下などが要因として挙げられている。
07:10
コインベース、2026年の税制変更で予測市場がギャンブルより有利になると指摘
コインベースが2026年の見通しレポートで、トランプ大統領が署名したワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法により予測市場が従来の賭博より税制面で有利になる可能性があると指摘した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧