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ミームコインの多くは証券でない可能性
米証券取引委員会(SEC)のヘスター・ピアース委員は、現在市場に出回っているミームコインの多くは、SECの規制範囲には含まれないだろうと述べた。ブルームバーグが11日に報じた。
ピアース氏は、トランプ氏のミームコインについて意見を求められ、SECは特定の仮想通貨について様々な事実や状況から判断するとしつつ、次のように続けている。
ミームコインについて、議会が対処したいのであれば可能だ。また、米商品先物取引委員会(CFTC)が対処したいことかもしれない。ただ、ミームコインの多くはおそらく私たちSECの管轄外だと思う。
米国では証券とみなされる暗号資産(仮想通貨)の監督をSECが、商品(コモディティ)とみなされる仮想通貨の監督をCFTCが行っている。ピアース氏は、トランプ氏のコインについて明言は避けたが、ミームコインの一部がコモディティとみなされる可能性も示唆した格好だ。
バイデン政権下でゲンスラー前委員長が率いていた際には、SECは任意のトークンを恣意的に証券と認定して取り締まりを行ってきたと批判されていた。
トランプ政権へ交代してSECも新体制となり、仮想通貨に特化したタスクフォースを立ち上げたところだ。その重要な任務としては、仮想通貨の分類、特に何が証券とみなされるかのガイドラインを提示することも含まれる。
新政権では、議会でも仮想通貨の分類を含め規制明確化を図る「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法(FIT21)」が進展することが期待されている。
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なお、AI・仮想通貨特命官を務めるデビッド・サックス氏も先日、トランプ大統領の公式ミームコインについて、個人的な見解としつつミームコインは野球チームのカードコレクションなどにも類似した「収集品」にあたると意見していた。
ミームコインとは
インターネット上で話題になることで人気を集めるコイン。代表的なものにイーロン・マスク氏がSNSで言及することで取引量が急増したドージコイン(DOGE)がある。2020年にドージコインを踏まえてリリースされたSHIBA INU(SHIB)も存在。
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トランプ氏のミームコインめぐって
現在、トランプ大統領の公式ミームコイン「TRUMP」が、民主党議員や権利擁護団体などから批判を浴びているところだ。
例えば、米消費者権利擁護団体Public Citizenは、トランプ氏が自身のソーシャルメディアで「TRUMP」を宣伝したことが、「贈与の勧誘」にあたり違法だとして、米司法省などに調査を要請している。
連邦法では現職の大統領は「勧誘または強制」しない限り、任期中に贈与を受けることが可能だが、これに反すると述べる格好だ。また、「TRUMP」という「何の見返りもないもの」を購入することは、贈与にあたるとも主張している。
また、民主党議員の一部からは「大統領職を利用して金儲けをしている」「外国の影響力ツールとして使用され、米国の安全保障を弱体化させる可能性がある」と批判の声が上がった。
今後、「TRUMP」含めミームコインの地位については、政府機関や議会、関連当局の間で議論が活発になる可能性もありそうだ。