
来週、SEC委員長承認をめぐる公聴会
米国上院銀行委員会は、ポール・アトキンス氏の米証券取引委員会(SEC)委員長就任についての公聴会を27日に開催する予定だ。委員会で就任が承認されれば、次は上院全体での投票に進められる。
アトキンス氏は、2002年から2008年までSEC委員を務めていた人物。デジタル商工会議所のアドバイザー委員会にも参加するなど、暗号資産(仮想通貨)にも造詣が深く、業界から次のSECリーダーとして歓迎されている。
仮想通貨に対して懐疑的な姿勢を取っていたゲーリー・ゲンスラー前委員長からアトキンス氏に交代することで、SECの方針転換が期待されているところだ。
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ETF審査はアトキンス氏就任後か
また、アトキンス新委員長が就任するまでは、様々な仮想通貨ETF(上場投資信託)の審査が留保されているとみられる。
SECは先週、ライトコイン(LTC)、ドージコイン(DOGE)、ソラナ(SOL)、XRPなどのETFに関する手続きを延期した。同機関はまた、既存のイーサリアム(ETH)現物ETFへのステーキング要素追加に関する審議も延期している。
ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏は、「アトキンス氏もまだ委員長として承認されていないため、予想されていたことだ」とコメントし、今後各ETFがSECに上場承認される確率の予想は変更しないと述べた。
セイファート氏は2月、ライトコインETFの承認可能性が90%、ドージコインETFが75%、ソラナETFが70%、XRPのETFが65%と予想していた。
ブルームバーグによると、少なくとも60の仮想通貨ETF関連の申請が審査を待っているところだ。アトキンス氏が就任した後に、SECは審査を本格化するとみられている。
なお、前任のゲンスラー委員長の場合は、上院銀行委員会での公聴会が2021年3月2日に行われ、上院全体で承認されたのは同年4月20日のことだった。
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すでに規制緩和を開始したSEC
アトキンス氏はまだ委員長に就任していないものの、ドナルド・トランプ政権誕生と共に、SECはすでに新体制となっており仮想通貨についても規制緩和を進めているところだ。
仮想通貨擁護派のマーク・ウエダ氏が委員長代行を務めており、仮想通貨に特化したタスクフォースを設立した。タスクフォースを率いているへスター・ピアース委員も、仮想通貨に友好的な姿勢から「クリプト・ママ」として知られる人物だ。
バイデン政権下のSECは、どのようなトークンが証券とみなされるか明確なガイドラインを示していないと批判されてきた。
タスクフォースは、この点を改善するためにトークンの分類作業に取り組んでいる。また、法的執行リソースの適切な配分も目指しており、仮想通貨業界への過剰な訴訟や調査が減ることも期待されている。
重要な動きとしてSECは最近、リップル社やコインベースなどに対する訴訟も自主的に取り下げたところだ。背景には、SECがトークンの証券性を判断する方法を見直していることがあるとみられる。タスクフォースによる一回目の円卓会議は米時間21日に開催される予定だ。
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SECとは
株や債券などの証券の取引を監督する米国の政府機関のこと。1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。