はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン8.7万ドル台で推移、Hyperliquidの「市場操作」臨時対応には賛否両論も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+0.36%の1BTC=87,606ドルに。

BTC/USD日足

関連:ビットコイン30万円下落、ゲームストップ社報道も機関投資家の資金流出続く|仮想NISHI

暗号資産分析企業Swissblockによれば、ビットコインは重要な転換点に直面している。

ビットコイン価格は“弱気の収束(bearish compression)”と呼ばれる下降トレンドの先端に近づいており、今後の展開を左右する重要局面を迎えている。今年1月から形成された下降トレンドラインに価格が接近しているとの見方がある。

Swissblockは「現時点では価格モメンタムの転換が見られず、ブレイクアウトの可能性は低い」と分析した。1BTC=90,000ドル付近がキーゾーンとしてマークされており、大きな出来高の集まる同水準が重要な分岐点となる可能性が示されている。ビットコイン価格は3月中旬に約77,000ドル付近まで下落した後、回復基調にあるものの、年初からの下落トレンドを覆すほどの勢いはまだ示せていない。

株式市場では、自動車をめぐるトランプ米政権による関税や半導体関連の輸出規制の影響に伴い、ハイテク株主体のナスダック米株指数が下落。仮想通貨市場に波及する場面もあった。

機関投資家の資金流入は回復傾向

CoinShares Digital Asset Weekly Flowのデータによると、仮想通貨市場は数週間の横ばい相場から脱却し、小幅な上昇を記録した。全体の市場時価総額は1%増加の2兆8,000億ドルとなり、取引量も2桁の伸びを示している。

機関投資家はビットコイン関連ファンドに7億2,400万ドルを投入。これにより5週間連続していた資金流出の流れが反転し、総額6億4,400万ドルの純流入となった。

CoinShares社は「17日連続の流出の後、先週は毎日流入が記録されたことは注目に値する。これは資産クラスに対する感情の決定的な変化を示している」と報告している。

資金流入の多くは米国市場からのもので6億3,200万ドルを記録。さらにスイス、ドイツ、香港でもそれぞれ1,590万ドル、1,390万ドル、120万ドルの流入があり、機関投資家のポジティブな姿勢は広範囲に及んだ。

一方、アルトコイン市場の動向にはばらつきが見られた。XRPが670万ドルの流入で最も好調だったものの、月間では5億4,800万ドルの流出を記録している。ソラナとカルダノもそれぞれ640万ドルと10万ドルの純流入となった。しかしイーサリアムは8,600万ドルの資金流出が続き、月間では3億5,000万ドル以上が流出した状態となっている。

ビットコインは直近8万7,000ドルの水準を回復し、多くの資産運用担当者の投資対象として依然中心的な位置を占めている。しかし、米トランプ政権のの関税政策や貿易摩擦への懸念から、トレーダー心理の弱さも指摘されている。

運用資産(AUM)は3月10日の年間最低水準から6%上昇。多くのアナリストはこの上昇トレンドが市場における機関投資家の資本流入をさらに促進する可能性があると見ている。

特集:米国の仮想通貨「準備金」構想

Hyperliquidの取引が混乱招く

分散型永久先物取引所Hyperliquid(HYPE)が、Solanaベースのミームコインである「JELLYJELLY」の取引を市場操作の疑いから上場廃止にしたことが反響を呼んでいる。

クジラ(大口投資家)が、450万ドル相当のJELLYJELLYトークンを複数のウォレットで事前に保有。Hyperliquid上で20倍レバレッジで600万ドル相当のショートポジションを開設後、証拠金を引き出し別のウォレットを使って同時に大量のロングポジションを構築したとみられる。

これに伴い、時価総額の低いJELLYJELLYの市場価格が急騰。操作者は約820万ドルの未実現利益を獲得し、Hyperliquidの流動性プールは最大1,200万ドルの損失リスクに直面した。

事態を重く見たHyperliquidのバリデーターたちは緊急会議を開き、投票によって介入を決定。市場操作が行われる前の水準にJELLYJELLYの市場価格を強制的に再調整するとともに、同トークンの取引停止と上場廃止を実施した。

この対応により、HLP金庫は損失ではなく約70万ドルの利益を計上することに成功。同時に操作に関与していないユーザーへの全額返金も発表された。一方、操作を行ったとされるアドレスには引き出し制限が課され、約100万ドルの損失を被ったとされる。

流動性プールはDEXの中核機能を支える要素であり、これが失われると取引の実行が不可能になり、ユーザーが資産にアクセスできなくなる可能性などが懸念されたため、安堵の声も上がった。

一方、業界からは厳しい指摘も相次いだ。結果としてバリデーターの介入という非常手段が必要になったものの、これは“分散型”を謳うプラットフォームの理念との間に矛盾を生じさせたからだ。

BitgetのCEOグレイシー・チェン氏は「分散型を謳いながら中央集権的な対応をとった」としてHyperliquidの対応に疑問を呈し、BitMEXの共同創設者アーサー・ヘイズ氏も同様の懸念を示した。

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/09 火曜日
17:40
リミックスポイント、エネルギー事業の中期経営計画を発表 3年で営業利益3.7倍目指す
リミックスポイントが2027-2029年度の中期経営計画を発表。エネルギー・蓄電事業で売上高692億円、営業利益91億円を目指す。日本蓄電池と提携し系統用蓄電所7カ所を共同運営。同社は242億円超の仮想通貨も保有し、多角的な事業展開を推進。
15:52
補正予算の国会質疑で仮想通貨税制が議題に 国民民主党が質問、高市首相は「与党税調で検討中」と答弁
補正予算の国会質疑で暗号資産(仮想通貨)税制が議題に。国民民主党は雑所得として最高税率55%が適用される現行制度を見直し、分離課税化を要求。高市首相は税制改正大綱に基づき与党税調で検討を進めていると答弁した。
13:35
米XRP現物ETF、全期間で純流入を記録 約1459億円に到達
米XRP現物ETFが上場以来全期間で純流入を記録し、約1,459億円に到達。仮想通貨ETF史上2番目の速さで8億ドルを突破し、機関投資家の継続的な買いが続いている
13:20
カナダ税務当局、仮想通貨利用者の4割が未申告と推定
カナダ歳入庁が過去3年間で仮想通貨関連監査により1億カナダドル以上を徴収したが、2020年以降刑事告発は行われていない。同庁は仮想通貨プラットフォーム利用者の40%が未申告または高リスクだと推定している。
12:50
『ガス先物市場』、ヴィタリックがイーサリアム手数料を安定させるアイデアを披露
仮想通貨イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏がガス代先物市場を提案した。将来の手数料をヘッジ可能にする構想であり、コミュニティ内で議論が活発化している。
11:45
米大手銀行CEO、上院議員と仮想通貨市場構造法案を協議予定 ステーブルコインの利息付与に反対表明へ=報道
バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴのCEOが9日、上院議員と会談し仮想通貨市場法案を協議する。銀行側はステーブルコインへの利息付与に反対し、仮想通貨分野での競争能力確保を求める姿勢だ。
11:23
テザーのUSDT、アブダビで「法定通貨参照トークン」認定範囲が拡大 9チェーン追加
テザーのUSDT、アブダビで法定通貨参照トークンの認定範囲を拡大。新たに9つのブロックチェーンで規制業務が可能に。USDC、USD1、RLUSDも承認済み。UAEがステーブルコイン規制拠点として台頭。
10:22
マイケル・セイラー氏、国家主導のビットコイン銀行システムを提案
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長がアブダビで、ビットコイン担保型の高利回りデジタル銀行システムを各国政府に提案。20兆〜50兆ドルの資本流入を見込むが、価格変動性への懸念も。中東の全政府系ファンドと会談を実施。
10:00
ハイパーリキッド・ストラテジーズ、最大約47億円規模の自社株買い実施へ
仮想通貨ハイパーリキッドの財務企業ハイパーリキッド・ストラテジーズは、最大約47億円規模の自社株買いを実施すると発表。延期や中止の可能性もあるが最大で12カ月間実施する計画である。
09:40
アルゼンチン中銀、民間銀行による仮想通貨取引の解禁を検討か=報道
ビットコイン支持のミレイ政権下で、アルゼンチン中央銀行が民間銀行による仮想通貨取引サービスの許可を検討中だと伝えられる。実現すれば普及が促進される可能性もある。
09:35
UAE初、イスラム系銀行ルヤがビットコイン投資サービスを開始
UAE拠点のイスラム銀行ルヤが8日、仮想通貨インフラプロバイダーのフューズと提携し、モバイルアプリを通じてビットコイン投資サービスを開始した。イスラム系銀行として初めて顧客にBTCの売買を可能にする。
08:15
PLUMEとJUPITERがコインベースに新規上場、機関投資家向けアクセスも提供
米コインベースが12月9日にプルームとジュピターの現物取引を開始する。RWAトークン化のプルームとソラナ系DEXアグリゲーターのジュピターが新規上場し、機関投資家向けアクセスも利用可能になる。
07:55
SECがOndoへの捜査を訴追なしで終了、トークン化証券のハードルをクリア
トークン化プラットフォームのオンド・ファイナンスが、バイデン政権下で開始されたSECの捜査が訴追なしで終了したと発表した。トークン化証券が米国資本市場の中核となる時期が到来したと同社は期待。
07:15
仮想通貨投資商品、先週は1110億円超の資金が純流入
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産投資商品全体の先週の資金フローは約1,116億円の純流入だったと報告。ビットコイン、XRP、チェーンリンクの投資商品の需要が高かった。
07:02
ビットコイン担保をデリバティブ市場で使用、米CFTCがトークン化パイロットプログラムを開始
米CFTCがビットコイン、イーサリアム、USDCなどのデジタル資産をデリバティブ市場で担保として使用するパイロットプログラムを開始した。トークン化担保に関する新たなガイダンスも発行している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧