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「米テキサスをビットコインマイニングのトップ拠点に」米議員が余剰ガスの活用促進法案を提出

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

フレアガスの利用を奨励

米テキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員は3月31日、余剰ガスを有効活用してオンサイト発電を促進する新たな法案「FLARE Act」(Facilitate Lower Atmospheric Released Emissions Act:大気放出削減促進法案)を提出した。

この法案は、石油や天然ガスの採掘、精製、処理の過程で発生し、通常は焼却処分(フレア)される余剰ガスを、ビットコインのマイニング用の電力生成源として活用することを奨励するもの。税制優遇などの経済的なインセンティブ措置を盛り込むことで、マイニング業者や起業家による投資を促進する意図がある。

同時に、電力網の分散化を進め、高需要時や極端な気象条件下における電力網の回復力を強化する狙いもある。

クルーズ議員は、法案提出にあたり以下のようなコメントを寄せた。

私はテキサスをビットコイン採掘のナンバーワンの地とすることを約束する。FLARE法案は、起業家や暗号資産(仮想通貨)採掘者に、通常なら使用されない天然ガスを利用するよう奨励するものだ。この法案は、テキサスの膨大なエネルギーの可能性を活用し、ビットコイン産業の本拠地としての地位を強化し、環境にも良いものとなっている。

税制優遇と環境への配慮

FLARE法案では、本来焼却処分されていた天然ガスを回収・利用する設備投資に対し、初年度に100%即時償却できる税制優遇(ボーナス償却)の恒久的な適用が提案されている。経済的なインセンティブを提供することで、フレアガスを利用するインフラ投資を促進する。

なお、この税制優遇措置は、中国をはじめ、イラン、北朝鮮、ロシアが所有する企業には適用されない。

フレアガスを焼却処分することは、二酸化炭素(CO₂)やメタンなどの温室効果ガスの排出につながり、環境への影響が懸念されている。そのため、フレアガスを発電に利用する仕組みを作ることは、排出量を削減することで環境負荷を軽減しつつ、エネルギー資源を有効活用する方法として、注目されている。

この法案は、豊富なエネルギー資源を持つテキサス州の状況が強く意識されたものだ。クルーズ議員は、数年前から、テキサス州で行われている天然ガスの焼却処分に関して、現地に発電所を設置しフレアガスを活用したビットコインのマイニングを提案していた。

関連:米上院議員が語る「ビットコインマイニングが炭素削減に貢献できる理由」

業界からの支持

FLARE法案はすでに、マイニング業界内外から支持を集めている。

例えば、ビットコインマイナーの業界団体であるデジタルパワーネットワーク(DPN)は1日、クルーズ議員の法案を支持する声明を発表。政府・公共政策担当のハイリー・ミラー氏は、「米国のエネルギー部門とデジタル資産業界にとって画期的な前進」であるとして、クルーズ議員のリーダーシップを賞賛した。

この法案は、本来は無駄になるはずの天然ガスの回収を奨励することで、送電網の安定性、エネルギーの革新、そしてアメリカにおける持続可能なビットコインマイニングの継続的な成長を支援するものだ。

ビットコインマイニング企業MARA Holdingsは、「この法案は排出削減と未使用エネルギーの活用を可能にすることを通して、ビットコインマイニングの役割を評価している」とコメントした。

大手資産運用会社VanEck社のデジタル資産リサーチ責任者マシュー・シーゲル氏は「FLARE法案はフレアガスのより効率的で持続可能な活用への道を開く可能性がある」と述べ、この取り組みを高く評価している 。

取り組みの具体例

テキサス州に本拠を置く大手石油・ガス探査・生産企業であるコノコフィリップス(ConocoPhillips)社は2022年2月、フレアガスをビットコインマイニングに利用する試験的なプロジェクトを開始したと発表した。

同社は2020年より環境負荷を減らす「気候リスク戦略」を掲げており、2050年までのグリーンハウスガス排出量実質ゼロ、2030年までのフレアガス排出量ゼロを目指している。

また、コロラド州に本社を構えるクルーソー・エナジー・システムズ(Crusoe Energy Systems)は、フレアガスを含む廃ガスを活用してAIや仮想通貨マイニング等に利用するソリューションを提供している。当初はビットコインマイニングに注力していたが、2025年3月にはマイニング事業をNYDIGに売却し、AI向けの高性能データセンター構築に全力を注ぐと発表した。

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