
画期的な法案か
カリフォルニア州下院が6月5日、仮想通貨を「休眠財産法」の対象に含むAB1052法案を可決し、法案は州上院での審議に進んだ。同法案は取引所で3年間放置された仮想通貨資産を州管理下に移管する際、従来の現金化方式を廃止して現物保管を義務付ける画期的な内容となっている。
現行制度では休眠口座のビットコインが強制売却され、所有者が後に請求する際は売却時点の現金価格しか受け取れない仕組みだった。法案作成者は、2015年に100ドルで購入した0.444BTCが2018年に3,500ドルで売却され、2025年の請求時に現在価値4万6620ドルではなく1,554ドルしか受け取れない例を挙げて問題点を説明した。
AB1052法案により、カストディアン業者は3年間の非活動期間後に仮想通貨を現金化せず、州指定の認可カストディアンに現物移管することが義務化される。所有者は後日請求する際、元の仮想通貨をそのまま受け取ることが可能となり、価格上昇の恩恵を享受できる。
同法案は既存の休眠財産法の枠組みを仮想通貨に拡張したもので、銀行口座や証券口座と同様の取り扱いを規定している。適用対象は取引所など管理型プラットフォームのみで、個人ウォレットでの自己管理資産は対象外となっており、セルフカストディへの明示的保護条項は以前のバージョンから削除されている。
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