はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン保有企業の増加でシステミックリスク上昇=コインベース分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

BTC保有企業増加のリスクとは

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは12日、月次レポートを発表。2025年後半の仮想通貨市場の見通しを分析した。ビットコイン(BTC)を保有する企業が増えたことによるシステミックリスクについても言及している。

現在、世界中で約228社の上場企業が、合計82万BTCをバランスシート上に保有していると指摘した。

特に、今年に入ってからバランスシート上で仮想通貨を保有する企業が増えた背景には、2024年12月に米国の会計基準が変更され、仮想通貨の市場価値が上昇した場合に含み益が報告できるようになったことがあるとしている。

しかし、新たな動きとして仮想通貨の蓄積のみに事業の焦点を当てた上場企業が増えている傾向があるとも続けた。

つまり、ストラテジー社やテスラ社のような、ビットコイン保有の先駆者は、主要事業があり、それとは別途、ビットコインを投資対象として組み入れていた。一方で、最近ではビットコインなど仮想通貨の蓄積を主な目標として、事業構築している企業が出現していると述べる。

関連:ストラテジー社のビットコイン保有量3%が「リスク水準」に達する可能性=スイス金融機関レポート

こうした企業は、仮想通貨を買収する資金を調達するために株式や債券を発行しており、その多くは純資産を上回るプレミアムで取引されている。

コインベースは、この状況でシステミックリスクも発生すると論じた。たとえば、転換社債の発行企業の株式が低調となり、債務返済のため仮想通貨を売却することで売り圧になる可能性がある。

さらに、企業が通常の資金繰りのためにでも、市場が予期しない時に仮想通貨を売却することで、価格下落や市場の不安定化につながるリスクがあるとも続けた。

一方でコインベースは、こうしたリスクが過去に仮想通貨業界のプロジェクトでみられた失敗と同程度の規模になる可能性は低いとも分析した。過去の失敗事例が何を指すのか明言はしていないが、2022年には取引所大手FTX破綻など業界で債務不履行の連鎖があり市場が大幅下落している。

コインベースによると、ストラテジー、メタプラネット、マラソン、ゲームストップなど仮想通貨財務戦略を行う主要9社の債務の満期は2029年末から2030年初頭に集中している。このため、短期的な強制売却圧力は低いとみられる格好だ。

出典:コインベース

それに加えて、ローン対価値比率(LTV)が妥当な水準に維持される限り、大手企業は借り換え手段を利用できる可能性が高いため、必ずしも仮想通貨準備金を処分することなく、状況を乗り切ることもできるだろうと意見した。

ただし、より多くの企業がこうした戦略を採用するにつれて、リスク評価も変化する可能性があるとも留意している。また、ストラテジー社の取り組みが注目を集めており、企業による仮想通貨蓄積のトレンドは2025年後半まで続く余地があるとした。

関連:ビットコイン、13万ドル到達後は供給不足で売り圧力収束か=ビットワイズCEOが見解

ETFの行方も市場を左右か

コインベースはその他、米証券取引委員会(SEC)の動向にも注目。現在、マルチアセットファンド、ステーキング対応商品、ソラナ(SOL)、XRP、ライトコイン(LTC)、ドージコイン(DOGE)などを対象としたアルトコインETFなど、約80件の仮想通貨ETFが審査を待っているところだ。

これらのETFに関する承認可否判断は7月から10月の間にくだされる可能性があり、その結果が2026年に向けた市場の動向を左右する可能性が高いと意見した。

さらに、2025年後半の仮想通貨市場は、米国経済成長見通しの改善、FRBによる利下げの可能性、企業による財務戦略の拡大、規制の透明性向上に支えられ、前向きな成長が見込まれていると述べる。

関連:ビットコインを保有する上場企業ランキング|日本・米国の注目企業を解説

関連:米国アルトコインETFの審査状況一覧 ソラナやXRP・ドージなど

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/30 水曜日
21:00
Mawariとは?AIとXRの融合で実現する次世代3Dインターネット
Mawariは世界中のコンピューターをつなげて高品質な3D配信を実現。ノード運用で誰でも収益化に参加できる仕組みを提供。
18:31
欧州中銀顧問、米ドル建ステーブルコインの拡大に懸念 デジタルユーロで対抗か
欧州中央銀行顧問が米ドル建ステーブルコインの急拡大に警鐘を鳴らしている。米ドル建ステーブルコインは同市場の99%を占める一方で、ユーロ建は0.17%に過ぎない。また米国で緩やかなステーブルコイン規制が成立したことも米ドルの優位性に貢献し、欧州にとっては資金調達コストの上昇や金融政策の自由度の低下を意味する。
18:14
ビットポイント、ステラルーメン(XLM)の取り扱い開始
ステラルーメン(XLM)がビットポイントに上場。国際送金に強みを持つ米国発銘柄。送金インフラや価格急騰の背景も解説。
17:45
米上院議員、仮想通貨を住宅ローン資産に含める法案提出 
米国のルミス上院議員が「21世紀住宅ローン法案」を提出した。政府系住宅ローン機関に仮想通貨による資産評価を義務付けるものであり、若者の住宅購入を支援するとしている。
17:30
CoinShares、欧州で仮想通貨SeiのETFをローンチ
仮想通貨投資企業CoinSharesが欧州でSEIのETF「CSEI」をローンチした。ステーキング報酬付きであり、SIX取引所で7月28日より米ドル建てで取引開始している。
16:57
JCBAとJVCEA、暗号資産の20%申告分離課税と3年間の損失繰越控除を要望
日本暗号資産ビジネス協会と日本暗号資産取引業協会が2026年度税制改正要望書を提出。暗号資産取引の税率を現行の最高55%から20%の申告分離課税への変更を要望し、取引所やウォレット、現物・デリバティブを問わずすべての暗号資産取引を一律に対象とすることを要望した。
16:48
21キャピタル、ビットコイン5800BTCをテザー社から取得へ
ソフトバンクが出資する21キャピタルは、テザー社から仮想通貨ビットコインを約5,800BTC取得する計画。この取得が完了すればビットコインの合計保有量が4万3,500BTC超になる。
13:00
WebX 2025完全ガイド|日本最大Web3カンファレンスのチケット料金・見どころ・参加方法まとめ
国内最大手仮想通貨メディアCoinPostによる「WebX 2025」の特集ページ(公式ガイド)。SBIの北尾会長、平 将明デジタル大臣、小池都知事、ホリエモン、オードリー・タン、アーサー・ヘイズなど豪華な注目スピーカーをはじめ、お得な割引情報を含むチケット料金、会場アクセス、サイドイベント情報を詳しく解説。
12:00
ETH財務戦略企業ビットマイン、最大10億ドル規模の自社株買いへ
仮想通貨イーサリアムの財務戦略を進めるビットマインは、最大10億ドル規模の自社株買いを承認したことを発表。イーサリアム保有量は62.5万ETHであるとも説明した。
07/29 火曜日
18:31
米NY証取(NYSE)親会社設立のBakkt、7500万ドル調達でビットコイン購入へ 
暗号資産(仮想通貨)プラットフォームを運営するBakkt Holdings(NYSE: BKKT)は29日、株式公募により約7,500万ドルの資金調達を発表した。注目すべきは、調達資金をビットコインをはじめとするデジタル資産の直接購入に充当する方針を明確にした点だ。
15:14
CoinW、2年連続で東アジアE-1サッカー選手権とパートナーシップ締結
CoinWは東アジアE-1サッカー選手権を通じ、Web3とスポーツマーケティングを融合。ブランド認知、参加型コンテンツ、教育、金融商品を連動させ、「観戦から共創へ」の新たなエンゲージメントモデルを構築へ。
14:00
米ビットマイン会長が語る、イーサリアム「5%の錬金術」戦略とは
米ビットマイン社のトム・リー会長は、「5%の錬金術」と題した投資家向けプレゼンを行った。またストラテジー社との比較を通して、18日間で純資産価値を6倍に成長させた驚異的な成長について説明した。
13:15
「アルトシーズンは過去より低調な可能性」シグナムの最新市場分析
仮想通貨銀行シグナムがアルトコインシーズンについての分析を発表した。過去と市場構造が変化しており、アルトシーズンは限定的になるとの見解を示している。
11:59
上場投資商品の前週流入額でイーサリアムがビットコイン上回る BNBの高騰は機関投資家が牽引か
暗号資産(仮想通貨)ETPへの週間流入が19億ドルに達し、イーサリアムが15.9億ドルで史上2位を記録した。ビットコインは流出に転じ、アルトコインシーズンの兆候が顕在化。最高値を更新のBNB(ビルドアンドビルド)は企業トレジャリー戦略拡大で機関投資家の資金移動が鮮明に。
11:40
米フィンテック大手FIS、ステーブルコインUSDC決済機能を統合
大手フィンテック企業FISがサークルと提携し、マネー・ムーブメント・ハブにUSDC決済機能を統合。米金融機関が顧客に国内外ステーブルコイン取引サービスを提供可能に。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧