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韓国Four Pillars、Circle・a16z・S&P参加のTACにアジア初のリサーチ企業として加盟

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

TACへの参加と今後の役割

2023年に設立された韓国のブロックチェーンリサーチ企業Four Pillarsは、HashedやKakao Venturesなど大手ベンチャーキャピタルから資金調達を受け、深度ある研究分析、政策提言、機関向けコンサルティングを通じてブロックチェーン分野で重要な役割を果たしています。

同社はこれまでに450本以上の研究記事を発表し、Solana、Sui、Ethereumなど100以上のブロックチェーンプロジェクトを分析してきました。

そのFour PillarsがTokenized Asset Coalition(TAC)にアジアのリサーチ企業として初めて参加しました。TACは、Coinbase、Circle、RWA.xyzが主導する国際的な連合組織です。RWAのトークン化推進と、それを支えるインフラ、政策、規制枠組みの整備を目的としています。

RWA(Real World Assets)とは

RWAは「現実世界資産」を意味し、不動産、コモディティ、債券などの実物資産をブロックチェーン上でトークン化したもので、DeFiと伝統的金融を結びつける重要な架け橋となっている。

TACは2022年秋にニューヨークで開催されたデジタル資産サミットで構想が生まれ、2023年秋に正式に設立されました。

2025年1月には米国の非営利法人として独立性を確立しました。これにより、特定企業の利害に左右されることなく、Web3業界が直面する技術標準化、規制明確化、機関投資家参入などの共通課題に中立的な立場で取り組んでいます。

厳格な審査を経て参加

Four Pillarsは、米国の大手資産運用会社「Fidelity Investments」や世界的な金融情報提供企業「S&P Global Dow Jones Indices」を含む、TACの新規参加組織として選定された組織群(コホート)に加わっています。参加する組織は、資産運用、フィンテック、分散型金融(DeFi)、ブロックチェーンインフラ分野から構成され、Four Pillarsが唯一のリサーチ企業です。

TACは2024年1月の第一次参加組織選定で300以上の応募から15社を選定するなど、厳格な審査プロセスを設けています。2025年3月にはJohnny Reinsch氏を事務局長に迎え、5月には同氏が米国証券取引委員会(SEC)の暗号資産に関連する会議にパネリストとして参加するなど、規制当局との対話も進めています。

Four Pillars CEOのNamwoong Kim氏は「TACへの参加は単なる所属を超えた意味を持つ。アジアを代表してグローバルな舞台に立ち、韓国のブロックチェーンイノベーションの知見を世界と共有していく」とコメントしています。

具体的な活動内容

TACメンバーとして、Four Pillarsは政策、技術、事業開発の3つのワーキンググループに参加しています。

各ワーキンググループでは、それぞれ異なる観点からトークン化資産の発展に貢献します。政策面では規制環境に適したガイドラインと政策提言を策定し、技術面では主要なブロックチェーンプラットフォーム間の相互運用性を高める標準規格を提案しています。

事業開発面では、金融機関とグローバルなトークン化プラットフォームを結びつけ、新たなパートナーシップの構築を目指しています。

トークン化資産(Tokenized Assets)とは

トークン化資産とは、株式、債券、不動産などの従来の資産をブロックチェーン技術を用いてデジタル化したもので、24時間取引可能、少額投資可能、透明性の高い取引などの特徴を持つ。

ステーブルコイン分野での取り組み

Four Pillarsは、アジア・ステーブルコイン・アライアンス設立において主導的な役割を果たしています。同アライアンスは、地域でのステーブルコインの採用を加速することを目的とし、積極的な研究活動を展開しています。

2025年9月には韓国で開催されるKorea Blockchain Week期間中に「Asia Stablecoin Conference」の開催を予定しています。

ステーブルコインとは

ステーブルコインは法定通貨(米ドル、ユーロ、円など)に価値が連動する暗号資産で、価格の安定性を保ちながらブロックチェーン上での即時決済を可能にする決済・送金手段である。

Four Pillarsの研究責任者であるJinsol Bok氏が2025年5月28日にソウルで開催されたKRWステーブルコイン法制セミナーで講演する様子

同社は韓国ウォン(KRW)裏付けステーブルコインの法制化に向けて、2本の研究論文とセミナーを実施し、2025年8月には大手証券会社の新韓証券と共同で3本目の論文を発表予定です。

現在、アジア・ステーブルコイン・アライアンスの主要メンバーとしてFour PillarsとLayerZero(クロスチェーンインフラ)が参加しています。TACの国際的なネットワークを通じて、規制に関する洞察、運用上の成功事例、革新的な実証プロジェクトを市場に展開していく計画です。

アジア市場の特性とトークン化資産の展望

TACによると、ステーブルコインを除くトークン化資産の市場規模は約150億ドルに到達。20以上のパブリックブロックチェーン上で、150以上の機関が発行しています。

アジアのトークン化市場は、各国の規制や市場環境の違いを反映し、多様な形で発展しています。欧米では規制の統一化が進む一方、アジアでは国ごとの特性がそのまま市場の強みとなっています。企業向け融資、不動産、政府支援事業などの分野では、それぞれの国の実情に合わせたトークン化の実証実験が活発に進められています。

国際送金や金融取引など、未開拓の市場領域が存在し、成長が期待されています。ブロックチェーンベースの金融インフラへの機関投資家の受け入れ姿勢も前向きになっており、地域全体でのさらなる採用が期待されています。

市場予測によると、トークン化資産市場は今後10年間で20兆~30兆ドル規模に成長すると見込まれています。

Four Pillarsの参加により、アジア市場の視点と経験がグローバルでトークン化資産の発展に貢献することが期待されています。

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