
ステーブルコインのインフラを提供
暗号資産(仮想通貨)インフラ大手のFireblocksは4日、ステーブルコインのためのネットワーク「Fireblocks Network for Payments」をローンチしたことを発表した。
100超の国をまたいだステーブルコイン決済を支えることが提供の目的。ネットワークへの参加企業とともに、グローバルな決済や法令遵守、流動性の活用を簡素化する。
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今回のインフラは、同社の「Fireblocks Network」の拡張版。ステーブルコインの使用に特化し、相互運用可能な信頼できる1つのネットワークで、決済サービス企業や銀行、フィンテック企業、流動性パートナーらをつなごうとしている。
ローンチ時点では40超の企業がネットワークに参加。USDCを発行するサークル、決済大手ストライプが買収したブリッジ、SBIグループの仮想通貨マーケットメイカーB2C2らとともにFireblocks Network for Paymentsをローンチした。
マーケットメイカーとは
常に市場で取引が円滑に行えるようにするために、資産を継続的に売買して流動性を提供している業者のこと。日本語で「値付け業者」とも呼ばれ、買値と売値のわずかな差額で利益を得たりして事業を行なっている。
FireblocksのMichael Shaulov CEOは発表で以下のようにコメントしている。
Fireblocksはステーブルコイン決済の基盤である。
統一されたAPI(システム連携技術)とワークフロー、ステーブルコインのユースケースためのAPIを導入することによって、機関はFireblocks Network for Paymentsを使い、あらゆるプロバイダー、ブロックチェーン、法定通貨のレールをまたいで安全に価値を移動できるようになる。
また、ブリッジのZach Abrams CEOのコメントは以下の通り。
我々はFireblocksと連携することで、企業がFireblocksのプラットフォームから直接ステーブルコインと法定通貨の全ての取引をシームレスに行うことを支援している。そこではすでに企業が金融事業を運営中だ。
これは、決済を速く行ったり、世界へより広くアクセスしたり、運営の複雑さを軽減したりできることを意味する。
米国で決済用ステーブルコインの法的枠組みである「ジーニアス法」が制定されるなど、世界で規制が明確化されてきていることで、ステーブルコインは仮想通貨・ブロックチェーン領域の大きなトレンドになった。日本でも円に連動するステーブルコインを発行しようとする動きが加速してきている。
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