
初の購入事例も
テザーのパオロ・アルドイーノCEOは21日、トヨタ、BYD、ヤマハの自動車大手3社のディーラー(販売業者)が南米ボリビアで、ステーブルコインUSDT決済の受け入れを開始したと報告した。現地では「デジタルドルで車を購入」とのスペイン語広告が掲示され、USDTを迅速で安全な支払い手段として宣伝されている。
また、ビットゴーは20日、ボリビアでトヨタ車が初めてUSDTで購入されたとXで伝え、トヨサ・ボリビアとテザーのパートナーシップで決済インフラを提供していると明かした。
ボリビア中央銀行によると、2025年上半期の仮想通貨決済取引は約3億ドルに達し、2024年の5,000万ドル弱から6倍増加した。この採用拡大は6月の仮想通貨禁止令撤廃後に加速している。
ボリビアでは、昨年10月からバンコ・ビサ銀行がUSDTカストディサービスを開始し、最近エルサルバドルとデジタル資産開発協力の覚書を締結した。また、今年の3月にルイス・アルセ大統領の閣議でYPFBの原油輸入取引での仮想通貨使用を承認した。
ラテンアメリカでは経済不安定と通貨安がドル建てステーブルコイン採用を促進している。ビットソの地域分析によると、100%超のインフレに悩むアルゼンチンではステーブルコインが資産保護手段として利用され、ブラジルでも仮想通貨ユーザーが6%増加し190万人に達した。
アルドイーノCEOはUSDTを「新興市場の数億人のためのデジタルドル」と表現し、投機から実用的決済手段への転換点を強調した。ラテンアメリカでは仮想通貨取引の90%をステーブルコインが占めており、ボリビアは経済圧力下でのステーブルコイン活用事例として注目される。
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