
仮想通貨投資の安全性強化
暗号資産(仮想通貨)取引所OKXは15日、英スタンダード・チャータード銀行とのパートナーシップを拡大したことを発表した。
機関投資家が資産をスタンダード・チャータード銀行で保有したまま残高をOKXに反映させる機能を欧州経済領域(EEA)でもローンチしてサービスを拡大。資産をOKXと切り離して保管できるようにしてカウンターパーティリスクを軽減し、資産の安全性を強化することが目的だ。
カウンターパーティリスクとは
取引等の相手方(カウンターパーティ)が債務不履行などを起こすことにより損害を被るリスクのこと。
この機能は、同銀と組んで今年UAE(アラブ首長国連邦)でローンチ済み。今回のパートナーシップでEEAの機関投資家は、「グローバルなシステムで重要な銀行(G-SIB)」に認定されているスタンダード・チャータード銀行の保有資産をトレードのためにOKXにミラーリンングすることができるようになった。
OKXがこのサービスで提供するのは「銀行レベルのカストディ」と「シームレスな取引所へのアクセス」である。発表で特に強調したのは安全性の向上だ。
今回のパートナーシップについてOKXは、デジタル資産市場を伝統金融の最高水準に合わせるための大きな一歩であると説明。そして、機関や顧客により大きな安心と信頼をもたらすと述べている。
また、スタンダード・チャータード銀行の証券などのサービス部門でグローバルヘッドを務めるMargaret Harwood-Jones氏は「今回のサービス拡大では、欧州の機関や顧客に最高水準のセキュリティとコンプライアンスを確実に提供するために、我々の確立されたカストディインフラとOKXの規制枠組みを並行して活用する」と説明した。
なお、OKXは、欧州の仮想通貨規制枠組みであるMiCA法の事業認可を取得している。昨年には、MiCA法遵守に備え、欧州市場でステーブルコインUSDTの通貨ペアを全て廃止したことも確認されていた。
関連:仮想通貨取引所OKX、欧州でUSDT通貨ペアを廃止 MiCA法準拠で
投資家が資産を仮想通貨取引所で保有しないことは、安全性の強化やリスク分散などの観点から重要視されている。特に、仮想通貨取引所FTXの破綻で、その重要性が浮き彫りになった。