CoinPostで今最も読まれています

韓国の大手仮想通貨取引所「ビッサム」親会社、米株式市場上場を目指す:上場企業と「逆さ合併」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「Bithumb」親会社が米株式市場に上場へ
リバースマージャー(逆さ合併)は米国ではIPOに並ぶメジャーな財務戦略で、仮想通貨取引業を営む初の上場企業を目指す。米NY証券取引所やNASDAQ上場への布石になるか注目される。

米上場プロセスの簡潔化とスピードアップが目的か

韓国大手仮想通貨取引所「Bithumb」の親会社であるBTHMB HOLDINGS(BTHMB)が、米国の仮想通貨投資会社Blockchain Industries (OTC PINK: BCII)と合併することが明らかになった。

Blockchain Industriesの発表によると、シンガポールに本拠を置くBithumbの持株会社BTHMBとの間で、「リバースマージャー(逆さ合併)」契約に関する法的拘束力のある基本合意書(LOI)が締結された。

BTHMBは、LOIの締結にあたり、100万ドル(約1.1億円)をエスクロー口座に振り込むことに同意。3月1日以前の合併完了を目途に、「ブロックチェーン・エクスチェンジ・アライアンス(BXA)」へ社名変更手続きを進めている。合併完了後は、米株式市場への上場を目指すとされており、米NY証券取引所やNASDAQ上場への布石になるか注目される。

リバースマージャー(逆さ合併)は、米国では新規株式公開(IPO)に並ぶメジャーな財務戦略とされており、通常の「合併」が事業規模の大きな企業が小さな企業を吸収するのに対し、「逆さ合併」では、事業規模の小さな企業を存続させる。従来のIPOの長く複雑なプロセスを回避する目的で、民間企業が用いる手段だ。

BTHMBは、合併の意図を「北米における事業およびマーケティングの拡大」としているが、「逆さ合併」が行われたことから、真意は「米国における上場プロセスの簡潔化とスピードアップ」にあるものと推測される。

関係者が米メディアCNBCに語ったところによると、BXAはシンガポールを上場先として検討していたが、IPO完了に1~2年を要する可能性から戦略転換を図ったようだ。

Blockchain Industries CEO、合併による恩恵について語る

BTHMBが合併先に選んだBlockchain Industriesは、多様な資産ポートフォリオをもつ多角的フィンテック持株会社だ。

デジタルバンキング・信託、仮想取引・鉱業、ベンチャー投資・ICOコンサルティング、メディア開発・教育という4つの領域を主要ビジネスとしている。2013年にカリフォルニアで設立された。

CEOのPatrick Moynihan氏は、今回の提携により「流動性」「アクセシビリティ」「拡大」がブロックチェーン分野にもたらされる可能性への期待感を述べた。

BTHMB/BXAと合併することで、我々は焦点を統合し、より高度なテクノロジーと優れたコンプライアンス慣行を公開市場に持ち込めるだろう。

BAX、ビットコインに特化しないより広範な戦略

BTHMBが、過去の事例から、逆さ合併(リバースマージャー)のアイデアを得た可能性は考えられる。

米著名投資家Mike Novogratz氏は2018年、同様の手段で自身の仮想通貨商業用銀行をカナダの株式市場に上場させた。同氏は手始めにCoin Capitalというクリプト・スタートアップを買収し、カナダのTSXベンチャー取引所に上場していたBradmer Pharmaceuticalsと「逆さ合併」を行った。その後社名を変更し、Galaxy Digital Holdingsとして取引を行っている。

しかしGalaxy Digital Holdingsは、2018年第1四半期の仮想通貨暴落を受け、1億3400万ドル(約150億円)もの損失を出し、GLXYとして上場を果たした8月以来、株価は約36%下落している。

BAXは同じような「苦戦」を回避する手段として、世界中の取引所を買収・統合する計画を立てるなど、ビットコインに特化しないより広範な戦略をもっているようだ。既に「国際仮想通貨同盟」の設立に動きだしているほか、年内に9回、2020年末までに最大40回の取引を行う予定だ。

BTHMB 、Bithumbの株の5割以上をシンガポールの企業に売却

Bithumbをめぐる環境は、過去数ヶ月で目まぐるしく変化している。

2018年8月、NH農協銀行との契約更新問題で一時的に新規ユーザーの口座開設を停止すると発表し、仮想通貨市場に困惑を招いた。しかしすぐさま再契約を結び市場の信用を取り戻したことで、取引額量が大幅に回復。CoinMarketCap2019年1月23日のデータでは、24時間の出来高が1570億円を超える「市場1位の仮想通貨取引所」の座に就いている。

同年10月、Bithumb最大の株主だったBTHMBは、保有していた76%の株のうち50%プラス1株をシンガポールを拠点とするBK Global Consortiumに売却することで合意に至った。売却完了後は、「BK Global Consortium」がBithumb最大の株主となる。

売却の事実を確認したCoinDesk Koreaの報道によると、買収取引額は4000億ウォン(約3.8兆円)。買収により、同取引所の評価額は1兆ウォン(約971.6億円)以上に跳ね上がった。

CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者11,000名突破。

CoinPostの関連記事

今年ハッキング被害を受けた韓国Bithumbが再浮上:2018年上半期に巨額の純利益
今年6月ハッキング被害に遭ったBithumbは厳しい状況下にも関わらず巨額の利益を上げていた。出来高が一時半減するも直近では韓国ウォンによるBTC取引が再上昇、影響力を取り戻しつつある。
韓国政府、ブロックチェーン産業にも減税措置を拡大|仮想通貨取引所のセキュリティテストなどにも積極性を示す
韓国政府は、減税措置の適用範囲をブロックチェーン産業にも拡大することを決定。また、昨年には政府主導のセキュリティテストを仮想通貨取引所に実施するなど、業界に積極的な姿勢を示している。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/28 木曜日
17:35
分散型AIの3大プロジェクトが団結、新トークン「ASI」に統合へ
SingularityNET、Fetch.ai、Ocean Protocolが人工超知能連合を結成し、各プロジェクトの暗号資産(仮想通貨)を新トークンASIに統合する計画を発表。単一の分散型AIネットワークとしてリニューアルを目指す。AGIの父と呼ばれるベン・ゲーツェル博士が主導する。
15:58
ビットコインのレイヤー2「BEVM」ローンチ
BEVMがメインネットをローンチ。暗号資産(仮想通貨)ビットコインをガス通貨として利用するEVM互換のレイヤー2ネットワーク。シリーズAで数十億円を調達し、分散型ビットコインクロスチェーンカストディサービスを実現。
15:00
NEARプロトコル、マルチチェーン再ステーキング「LiNEAR」始動へ 
NEARプロトコルがChain Signaturesを導入、暗号資産(仮想通貨)の相互運用性を強化。ビットコインやイーサリアムなど複数のブロックチェーンをサポートする。オムニチェーン再ステーキングLiNEARが始動。
14:15
「イーサリアムが有価証券でもETF化は可能」ブラックロックCEO
仮想通貨イーサリアムに関しては、米国においてその法的ステータスが定かではない。CFTCは商品(コモディティ)と見做している一方、SECはETHに関係するスイスのイーサリアム財団を調査していることが先週報じられた。
10:45
Parallel Studios、VanEckやソラナベンチャーズから53億円調達
パラレルはイーサリアムメインネットおよびBaseチェーン上で稼働するものだが、先日発表された、コロニーのローンチ先がソラナのブロックチェーンであることや、今回ソラナベンチャーズが出資したことから、今後クロスチェーンでの展開が考えられる。
10:15
イーサリアム「BLOB」にデジタルアートを記録する方法 Ethscriptionsが導入
イーサリアムのチェーン上にデジタルアートなどを記録するEthscriptionsは「BlobScriptions」を発表。ブロブにデータを記録する方法となる。
08:10
21Shares、欧州でTONの上場取引型金融商品を提供
今月初めテレグラムは仮想通貨TONを正式に統合し広告収入をチャンネル所有者と共有し、TONブロックチェーン上でToncoinを使って報酬を支払うようになった。この動きが投資家からの需要を押し上げたようだ。
07:30
ブラックロック「BUILD」、一週間で240億円超の資金流入を記録
ブロックチェーン上でトークン化された現実世界資産(RWA)の運用を提供するOndo Financeからの10億円以上新たな資金もありファンドの規模は拡大中。
06:50
スクエニやソラナ財団、Elixir Gamesに21億円出資
Elixir Gamesは、ゲームローンチャー「Elixir Games Launcher」で、さまざまなWeb3ゲームを遊べるPCアプリを提供。また、Web3ゲームがNFTなどのゲーム内資産のセールを代行するローンチパッドで、ミントなどの機能を提供する予定だ。
05:50
SECに有利か、裁判官がコインベースの棄却申し立て認めず
その一方、裁判官は、コインベースが顧客が仮想通貨ウォレットアプリを利用できるようにしたときに、無登録ブローカーとして運営していたというSECの主張を取り下げることを決定した。
03/27 水曜日
17:25
Slash Payment、独自トークンのエアドロップ対象条件を発表
暗号資産(仮想通貨)決済サービスSlash PaaymentのエコシステムトークンSVLについて、エアドロップの参加条件が明かされた。分散型決済エコシステムの利益が、ステーキング参加者に還元。スナップショットまでに割り当てを増やすことも可能だ。
17:00
ビットコインなど仮想通貨投資の始め方|初心者が注意すべきリスクとおすすめ戦略
ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)投資の初心者向けスタートガイドを解説。基本戦略や知識、特に注意すべきリスクやセキュリティ対策を紹介し、「何歳から始められる?」のか、取引所ごとの年齢制限一覧も提供。
16:04
KDDIのNFT市場「αU market」、アニモカブランズとの連携開始
KDDIが展開する「αU market」で、『PHANTOM GALAXIES』の限定版NFT販売を開始。アニモカブランズが支援するブロックチェーンゲームとの連携施策の第一弾。暗号資産(仮想通貨)ウォレット「αU wallet」を接続して購入できる。
14:23
21Shares「半減期前のビットコインは、過去の歴史とは異なるダイナミクスを経験している」
スイスを拠点にする資産運用企業21Sharesは、仮想通貨ビットコインの半減期が市場に及ぼす影響について分析したレポートを発表。ビットコインは現在、過去3回の半減期とは、「異なる市場ダイナミクスを経験している」と指摘した。
12:23
ビットコイン7万ドル台で堅調推移、コインベース・プレミアムは強気から中立に
暗号資産(仮想通貨)市場では、半減期前のビットコインは過去最高値に迫る7万ドル台まで反発して堅調推移を辿る。米国の機関投資家動向を示すコインベース・プレミアムは強気から中立に転じた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/03/28 15:00 ~ 18:00
東京 東京日本橋タワーB2階
2024/04/06 ~ 2024/04/09
香港 香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター3FG
2024/04/09 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
2024/04/13 ~ 2024/04/14
東京 東京都港区
重要指標
一覧
新着指標
一覧