将来的に長期国債の購入増やす可能性も
JPYC株式会社の岡部典孝代表取締役は、初の円建てステーブルコイン「JPYC」の準備金が、国内の債券市場における新たな力になる可能性があると述べた。ロイター通信が12日に報じた。
JPYCは、裏付け資産について当初は短期証券に重点を置くが、将来的に約8割を日本国債、約2割を信託預金に保持することを想定している。
今回岡部氏は、議員や政府関係者から、より長期の国債購入を増やす可能性について打診を受けていると話した。このことを「将来的には検討できるだろう」と続けている。
また、ステーブルコインの急速な成長を考えると、こうした資産の発行者は日本国債の主要な購入者となり、日本において日銀の存在感低下によって生じた穴を埋めるのに役立つ可能性があるとも述べた。
「日銀が国債購入を縮小する中で、ステーブルコインの発行者は今後数年間で国債の最大の保有者となる可能性がある」とも指摘している。
日銀は依然として1,055兆円の国債市場の約50%を保有。一方で、異次元の金融緩和を段階的に終了させるため、昨年から2026年3月まで、市場からの国債購入額を四半期ごとに4,000億円減らしてきた。
岡部氏は、国債購入者としてのステーブルコイン発行体の存在感が高まると、日銀が購入する国債の量もステーブルコインの需給バランスに左右される可能性があると見解を示した。こうした状況は世界中で起こるだろうとしている。
また、現在のステーブルコイン市場は米ドルに支配されており、追加のコストを負担しなければならない日本企業にとって不利だとも指摘。日本が世界のステーブルコイン市場において存在感を確保する必要があると話した。
JPYCは10月27日に発行開始。データサイト「JPYC情報確認くん」によると、記事執筆時点で約2億円相当のJPYCが発行されているところだ。JPYC株式会社は、今後3年間で10兆円相当のJPYCを発行することを目指している。
現在、JPYCはイーサリアム(ETH)、ポリゴン(POL)、アバランチ(AVAX)のブロックチェーン上で発行されている。
ステーブルコインとは
価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。
金融庁は7日、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行による共同ステーブルコイン発行の実証実験を承認したところだ。これは、同日に金融庁が立ち上げた「決済高度化プロジェクト」(PIP)による初の支援案件となる。
PIPは、個々の実証実験をサポートする役目を持つ。
金融庁は、PIP設置の背景として、クロスボーダー送金の効率化やセキュリティトークンによるDvP(受渡しと支払いの同時履行)決済など、ブロックチェーン技術を活用した決済について国内外で進展がみられることを挙げた。
実証実験の際に、関連法令の解釈を含め進め方に悩むケースが出てくることも想定されるとしており、こうした面も支援する計画だ。
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