主要指数除外ならで最大1.3兆円流出の可能性も
マイケル・セイラー氏率いるストラテジー社が、MSCIやナスダック100などの主要株価指数から除外される可能性が浮上している。JPモルガン・チェースのアナリストが今週発表したレポートで警告した。
MSCIが除外を決定した場合、約28億ドルの資金流出が見込まれ、他の指数提供会社が追随すれば総額88億ドル(1.3兆円)に達する恐れがあるという。同社の約500億ドルの時価総額のうち、約90億ドルがパッシブファンド経由の投資とされる。
背景には、MSCIは10月10日の声明で、デジタル資産が総資産の50%以上を占める企業を指数から除外する方針を協議中と発表したことがある。最終判断は2026年1月15日に下される予定で、変更は2月の定期見直しで実施される。JPモルガンのアナリストは「パッシブ運用ファンドが保有比率の大部分を占めるため、除外されれば株価に大きな圧力がかかる」と指摘した。
ストラテジー社の株価は昨年11月の最高値から約60%下落し、企業価値がビットコイン保有額を上回る「プレミアム」は大幅に減少。現在、同社の企業価値対純資産倍率(mNAV)は1.1倍まで低下している。9月にはS&P500指数への組み入れが期待されていたが、状況は一変してきた。
同社が3月に発行した優先株の利回りは10.5%から11.5%に上昇し、今月発行したユーロ建て優先株は2週間足らずで募集価格を下回った。バンク・オブ・アメリカのマイケル・ヤングワース氏は「プレミアムが崩壊し、資金調達が困難になっている」と分析した。
一方、セイラー氏は19日のフォックス・ビジネスのインタビューで、機関投資家の参入がビットコインのボラティリティを低下させていると論じた。同氏は「年間ボラティリティは2020年の約80%から現在は約50%に低下した」と述べ、同社は80~90%の価格下落にも耐えられる設計だと強調した。
ストラテジー社は11月10日から16日の間に8,178ビットコインを約8億3,560万ドル(1,315億円)で取得したと発表した。これは7月以降で最大規模の購入となった。
同社の総保有量は64万9,870ビットコインに達し、評価額は9兆円超で、世界最大の企業保有者の地位を維持している。しかし市場では同社のビットコイン戦略の持続可能性に対する懸念が高まっている。
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