規制明確化
米証券取引委員会(SEC)は11月24日、英国拠点のエネルギー技術企業Fuse Crypto Limitedに対し、同社のソラナ上で発行されたトークン「エナジー(ENERGY)」の提供・販売について執行措置を推奨しないとするノーアクションレターを発行した。
Fuseは申請書で、トークンの価値がネットワーク内での実用性に結びついていると説明しており、SECはこの説明に基づき投資契約に該当しないと判断した。これは米国における仮想通貨規制の明確化に向けた重要な一歩として業界から注目を集めている。
Fuseは分散型物理インフラネットワーク(DePIN)プロジェクトとして、家庭用太陽光発電、蓄電池、電気自動車充電器などの分散型エネルギー資源を運用する利用者に対し、ENERGYトークンを報酬として付与する仕組みを構築している。
利用者はFuse Energyアプリを通じて、電力需要がピーク時に消費を抑えたり、再生可能エネルギーを活用したりすることでトークンを獲得でき、それを電気料金の割引やカーボンオフセットなどに利用できる。
SECのヘスター・パース委員は先月のDoubleZeroプロジェクトに関する声明で、DePINトークンについて「インフラ構築を促進するための機能的インセンティブであり、株式でも他者の努力から利益を約束するものでもない」と指摘し、こうしたトークンを証券として扱うことは「分散型サービスプロバイダーネットワークの成長を抑制する」と強調している。
今回のFuseへの決定も、実用性に重点を置いたトークンが投機的な投資商品とは異なるという明確な区別を示すものであり、DePIN分野における規制の不透明性を大幅に軽減することが期待される。
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DePINが急成長
DePIN分野は近年急速に成長しており、2025年9月時点で市場規模は約190億ドル(約2兆8500億円)に達し、前年の52億ドル(約7800億円)から約270%増加している。
DePINscanによると、コンピューティング、帯域幅、エネルギー、ストレージ、ワイヤレスネットワークを含む423の活発なプロジェクトが存在し、世界中で4180万台以上のデバイスがこれらのネットワークを支えている。
エネルギー分野におけるトークンインセンティブモデルは、個人が余剰電力を直接取引できる仕組みとして注目を集めており、Fuseの今回の承認は、こうした成長分野における規制環境の整備を示す重要な事例となっている。
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