- 楽天、ブロックチェーンへの取り組み
- 31日に行われたカンファレンス「Japan Blockchain Conference YOKOHAMA Round 2019」にて、楽天株式会社、執行役員の久田 直次郎氏が登壇し、同社のブロックチェーン技術に関する取り組みについて登壇。同社傘下の取引所「みんなのビットコイン」にも言及。
楽天、ブロックチェーン技術への取り組み
CoinPostはメディアパートナーとして「Japan Blockchain Conference YOKOHAMA Round 2019」に参加した。
31日、同カンファレンスにて、楽天株式会社の執行役員である久田直次郎氏が登壇し、現在同社がブロックチェーン技術を用いて取り組んでいる新たなサービス、プロジェクトについての内容が語られた。
現在、楽天はブロックチェーン・プラットフォームを提供しており、その詳細が語られた。コンセプトは、ブロックチェーン技術に対する深い知見を必要とせずに、ビジネスに活用できるプラットフォームの提供となっている。また、同技術への深い理解がない既存のエンジニアも対象にしている。
同プラットフォームの構成要素は以下の通りとなっている。
(1) 企業向けブロックチェーン・プラットフォーム
(2) 仮想通貨サービス
(3) キーカストディサービス
(1) エンタープライズを対象としたブロックチェーン・プラットフォームの環境を提供し、高いセキュリティと、可用性、またクラウドベースでの開発を行える環境を提供している。
(2) 第三者の取引所が提供するサービスと繋ぐことにより、プラットフォームを通して簡単に(仮想通貨を売買するための)環境構築をできるサービスなども行っている。
(3) ブロックチェーン技術に関して、暗号化キーの安全な管理が非常に重要な要素となるが、鍵の管理は難しい部分もあるため、プラットフォームを通して、容易に管理できる環境を用意している。
楽天プラットフォームを使ったユースケースの紹介
現在、楽天プラットフォームを用い、同社が取り組んでいるユースケースが紹介された。
詳細については語られなかったものの、楽天参加の仮想通貨取引所「みんなのビットコイン」の今後の展望についても触れられた。
(1) Rakuten energy|REts
(2) R-Star
(3) ポイントサービスxブロックチェーン
(4) 楽天傘下「みんなのビットコイン」
(1) 楽天エナジートレーディングシステムでは、同社が提供するプラットフォームの上で稼働する、二酸化炭素排出権のトレーディングシステムを提供している。その権利をブロックチェーン上で管理することで、このトレーディングシステムを構築している。
(2) R-Starのサービスを利用すれば、例えば、同僚に仕事の手助けを受けた際に、メッセージと共にコインを送ることで感謝の意を表すことが可能となる。現在このサービスのトライアルを行っており、評判は良いとのことだ。
(3) 現在、楽天は、楽天スーパーポイントなど非常に大きなデジタルアセットを抱えたサービスを提供している。
そんなポイントサービスとブロックチェーン技術を組み合わせた新しいサービス、仕組みの開発に乗り出しており、詳細は伝えられなかったものの、社内において、いくつか概念実証(POC)に取り組んでいることを明らかにした。
(4) 楽天傘下「みんなのビットコイン」
以前コインポストで報道したように、去年の八月に同社は、仮想通貨取引所「みんなのビットコイン」運営企業の全株式を取得することを決議し、仮想通貨(取引所)市場に本格参入することを発表している。
また、今月には、同取引所のサービス開始日が今年の4月を予定していることが公表され、世間の注目を集めている。
登壇した久田氏は、ステージ上でこのように語った。
大きなサービスとしては、ホットウォレットでのサービスの提供を検討しており、そのサービス機能は楽天のプラットフォームを利用して開発を進めている。
また、単純な取引所だけではなく、楽天として、他のサービスとの連携を進めていくことで、利用者にさらなるベネフィットを提供する。
楽天の久田氏へ取材
CoinPost編集部は、登壇後の久田氏へインタビューを行なった。
仮想通貨交換所への参入の目的は何でしょうか。
技術的な観点で言うと、我々の持っているテクノロジーを一部使用して、しっかりとした堅牢なサービスを作っていくということです。
2018年と比べ、2019年はどのような状況になると思いますか。
交換所でいうと、しっかりとセキュリティが担保された交換所が運営されていく年かなと思います。
デジタルアセットで言いますと、しっかりとした使用ケースが出て来るのではないかと期待しています。
ブロックチェーン領域での、楽天の強みは何でしょうか。
元々、数多くのインターネットのエンジニアを抱えていますので、オープンソースやクラウドネイティブな環境への素早い適応のできる環境があることです。
また、既存のシステムやサービス、かつ、AIやデータの強みを持っていますので、そこと融合させた何か新しいサービスや技術を作りやすい環境にあることです。
世界と比べ、日本のマーケットをどのように思いますか。
日本では、元々ポイントや電子マネーといったものに馴染みのある状況なので、新しいデジタルアセットという意味での仮想通貨の認識が浸透しやすい点じゃないかなと思います。
ユーザーに向けて、一言頂けますか。
仮想通貨というのは、一つの決済方法の手段だと思うんですよね。
だから、我々にとっては新しい決済手段が生まれてきたところだと思っています。
また、裏で動いているブロックチェーンというテクノロジーに対して、どのようなユースケースが合うのかという点を見極めていき、それに適したサービス・プロダクトを作っていくことが重要なことかなと思います。
楽天ブロックチェーン市場参入の経緯
2014年 主にビットコインによる決済システムを提供するBitnet社に投資を開始。仮想通貨が生み出す経済システムやブロックチェーン技術にキャッチアップすることを目的としていた。
2015年 米企業のBUY.COMを買収。現在のRakuten USA。ビットコインによる決済を可能にする環境を実現。
2016年 Bitnetを完全買収。それと同時に、Rakuten Blockchain Labを楽天グループとして立ち上げる。
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